1629話
アースウォールで押し潰そうとしたが、防がれる。だが、第2第3の壁がくればどうなる。対処に追われ、剣や魔法を使い押し返そうとする。10枚ほどのアースウォールを切った時だ。
そして集中力の切れから、綻びが生じる。アースウォールが破壊されると、次に現れるのは穴が空いているものだ。数秒の間だけ、アースウォールが近づくとその動きは止まる。その穴から見える景色には金属特有の反射が見られる。
その穴からスナイパーライフルのゴブリンが2体が狙っているのだった。どちらも狙いは瞑想をしている墓守だけだ。
数秒遅れて、穴の違和感に気がつき、墓守の方に体を寄せる。邪魔をするように存在しているゾンビをかき分け、墓守の方に手を伸ばすのだった。そんな騎士と魔法使いの腕を吹き飛ばす。それにより、魔法使いが持っていた杖と、騎士が持っていた大剣が地面に落ちる。
魔法使いは持ち直せばいいだけだが、騎士の方はもう武器を扱うことができないだろう。軽々と扱っていたが、それは両手で持っていた時だけだ。片手で持つようになってからは、操る速度も変わってくるだろう。
後頭部はなかっただけで、本体には血肉が通っていたようだ。切り落とされた腕からは血がこぼれ落ちる。
押し潰されたゾンビの方は他の味方と体が混ざったことにより、再生能力の減少やキメラ化が進む。復活ができたところで混ざっていることから、動きが鈍くなると言った後遺症は確実に起きている。
墓守が本格的に憑依を行うのだった。鈍く黒みがかっていた王冠は金色の姿を取り戻し、透明だったステッキの先端には白色の宝石が嵌め込まれているのだった。
本来の持ち主の力を発揮してもらうか。この装備本来の持ち主の魂を下ろすことができたようだ。そして、配下2体も本来の姿へと戻っていく。
なくなっていた目玉と頭部が復活しただけだ。頭部が復活した騎士は、近くにいたゾンビから片手剣を奪い取る。そして墓守は、王の威圧を発動するのだった。
王の威圧の大きな効果は仲間への強化が主になっている。しんがりを務めるのに最適なように設定されているようだ。
魔王の威圧の方が重厚感がある。そのため、経験をしているとこれが脅威とも感じられない。それよりも、騎士と婆娑羅が真っ先に近づいていたのだ。前を走る騎士が相手の騎士を足止めし、婆娑羅が奇襲を仕掛けるのだった。
魔法使いが間に入り、魔法を当てることで妨害を行うが、空中を舞う槍が落とされ墓守を貫く。これがユニークとなれば、弱すぎる。そのことからレア個体だったのだ。
降霊術は道具があれば、その道具に執着していた人を下ろすことができると考えれば大きなプラスだろう。無駄に時間を使わされてしまった。それほど強くなかったのだから、能力でゴリ押せばよかったな。と少し後悔をしている。
ドロップはあの黒ずんだ王冠だ。おそらく、王の威圧を使うために降霊術をしろということだろう。降霊術専用のドロップアイテムといったところだな。
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