1622話
魔法を作り出した瞬間に破壊したため、次の段階に移行した。それは、火力を上げた魔法を2つ用意することだった。高威力の魔法を放ってすぐに数の魔法を放つ。
その隙間の時間で再び魔法を作り出し、即座に合成し放つのだった。婆娑羅が、最初の一発を防いだものの、残っている1発を防ぐことはできない。そのため、役に立つのが分身体が用意している魔法だった。
「横回避!」
魔法を当ててすぐの婆娑羅にそう告げる。そして避けてすぐの時に分身体の魔法を放ち、高威力の魔法を破壊するのだった。
役目を終え、魔力が切れた分身体は消えていく。ここで発揮するのは白狼の邪眼だ。再び魔法を作り出そうとしている異形に邪眼を発動し、動きを止める。
この隙に婆娑羅が槍の先端に魔法をチャージし始めるのだった。婆娑羅の反対側にあるスナイパーライフルの先端にも魔力が集中していく。
白狼の魔力的に限界が近いのだろう。婆娑羅の方は魔法を作り出し、威力を高め迎え撃つ準備はできている。そのため、白狼の邪眼を解除するのだった。
異形は解除と同時に魔法を組み合わせ、婆娑羅の方に放つ。
婆娑羅は槍から魔法を放つふりだったのだ。その本当の狙いは魔力の吸収だ。槍の先端に溜められていた魔力は槍を覆うことで魔法への耐久値を上げる。そして、魔法を切り裂き、魔力を吸収するのだった。
(エフェクトだけはかっこいいな・・・)
スナイパーライフルのチャージが終わったため、スナイパーライフルからチャージされた魔力が放出される。それが異形の体を貫き、爆ぜ上半身と下半身で分離させるのだった。
完全に殺すことができたはずだろう。空中に魔法を作り出し、いつでも殺すことができるように準備をする。とドロップに変わり出したことから、死んだのは確実だ。
ドロップはリップと魔石だった。・・・いらないな。
「リップって使う?」
「使わないのならもらうけど」
「じゃあ、魔石はもらうねー」
リップの効果は保湿だ。1度つけると、1週間はツルツルモチモチの唇になるようだ。水分不足や冷える季節にはぴったりのものだろう。
正直、危なかった場面はいくつかある。分身体で守ったのがいい例だろう。あの時に魔法が同時に放たれていれば、どちらを狙うのかで隙が生まれていただろう。右を狙うのか左を狙うのか、それはどちらから見て右なのか左なのかだ。
パーティーを組んでこの問題は非常に大きい。そして、このことに話していないから瞬時に伝える必要があるのだ。だから、この勝利はラッキーなものだった。
「あの敵のスキルブックは欲しいな」
多重詠唱とか、魔法関係のスキルは確実だろう。だから、俺にはちょうどよく、とても欲しいスキルが手に入るはずだ。だから周回をしたいところだ。
「周回をするのはいいが、魔法への対処をどうする。魔法攻撃を無効化するものがを持っているのか?うちの魔力も有限だし、できても数回までだぞ?」
「試したいことが2つあるくらいかな」
「言ってみろ」
「1つは植物生成で作ったものを使うこと」
魔力を吸収して水と溶けやすいものに変えるマジックイーター(見た目はサボテン)で吸収や無効化ができるのかもしれないという案だ。
「もう1つは、口を動かせない状態にすること。まあ、あまりおすすめはできないけどね〜」
やりたいのはこの2つだ。
「とりあえず、植物の方がダメかどうかを確認してからかな〜」
52階層の魔物の「百々鬼口」の攻略が始まるのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。
百々目鬼ならぬ、百々鬼口って感じの名前で




