1610話
婆娑羅の手に入れた槍の確認が終わった。そして、訓練イベントが残っているのだった。この訓練イベントが終われば、次の階層に挑戦すると決めているのだ。
今日参加するのは、婆娑羅と俺、マリア、アポロだった。訓練配信をせずに、2連続での戦闘をしていた。久しぶりに行うイベントだ。配信を始める前に少し話しているのだった。
「お久しぶりですね。そういえばなぜ、戦っていたのですか?」
「聞いてよ〜。この婆娑羅がさ〜喧嘩売ってきて、戦わないと殺すぞ!って脅されてさ〜」
「処すぞ?」
「おっと、これはこれは婆娑羅様じゃあ、ございませんか。今日はいかがお過ごしで?」
逃げようと背後を向くと同時に首根っこを掴まれ引き寄せる。そして、軽く十字固めをされるのだった。そんな腕を叩くことでギブアップを表現する。
「お二人仲がいいですね〜」
「「どこが?」」
悪友って感じはすごいだろう。だが、そこで終わりだ。
「けど、しばらく婆娑羅と戦うのはいやかな〜」
手の内を明かしすぎて、次勝つことができるのか不安だ。あと槍が強化されすぎて戦いたくない。
「今ならお前に勝てそうな気がする」
その顔はニヤニヤしているのだった。昨日の検証の結果、勝ちは確実なものだろう。
「そんなことになればすぐにギブアップするから大丈夫」
弱点の予想はできている。武器に当たらなければ、魔力の破壊や吸収は作用しないことが予測として上げることができる。だから、当たる前に範囲魔法を使うか、フラッシュのような魔法を使うことで槍の攻撃範囲外から魔法を使う。これが理想の戦い方になるだろう。
つまり、今までの戦い方と何も変わらないのだ。
「何のことを話しています?」
何も知らないアポロがやってくるのだった。
「この前、ここの2人が戦っていたの知ってるよね?その話だよ」
「?・・・あー。あの出来事ですね」
「ちなみにどっちが勝ったと思う?」
「もちろん、婆娑羅さんですね」
見ていないことが確定したのだった。婆娑羅が戦ったのは意味がなかったということだ。婆娑羅の今の表情はなんと言ったらいいのだろうか。行ったことが全て無駄で、しなくてもよかったのではないか?という表情をしているのだった。
何もいえない空気が漂うのだった、見ていなければ見ていないといえば良いものを、なんで知ったかをしたのだろうか。
知らなければ、土操作を使っているから見た方がいいよ。とでも伝えることができるだろう。だが、見たと自分で言ったのだから、もう何も言うことができないのだった。そんな何もいえない気まずい空気の中配信が行われ、終わるのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




