1609話
結局改造の話し合いは今後に持ち越されることになった。結局決まったのは、あの関節部分にスライム金奥を使用することだけだった。俺たちが呼ばれた意味とは一体・・・
11月末になり、ようやく次の階層への出入りの許可が降りるのだった。次の企画は12月に行われることを予定しているらしい。その旨のことを書かれたメールが送られていきているのだった。
(よし、これで次の階層に行ける)
そう考えるのだが、それ以前にすべきことはまだある。それは、婆娑羅との配信の約束だ。あの手に入れた黒色の槍の検証を行うというものだった。
槍に魔力を限界まで溜め込み、その魔力の量がどれくらい増えるのかの検証を行うのが目的のようだ。ということで配信が始まる。
「チキチキ火力チェック〜。で何を調べるの?」
「切れる属性と込められている魔力量での変化だな」
「へ〜。とりあえず属性からかー。自分の槍でやってみたの?」
「・・・」
こりゃあ、忘れてたな。放った魔力を自分の槍で吸収することで無限ループできるんじゃね・・・。強いから教えないでおこう。流石に変換効率とかもあるから、全部回復するってわけではないだろう。
「どんな感じでするの?浮かべるからそれを切るのか、放たれたスピードが乗ったやつを切るのか」
「時間が惜しいから動かすな」
「了解」
婆娑羅の検証が始まり、属性の検証が終わる。全ての属性の魔法を吸収することができるのだった。
「次は複合属性だね〜」
複雑になった時の吸収スピードが下がるのかの実験だ。白炎の魔法だ。これも特に問題はない。といっても少しだけ、全てを吸収するのに時間がかかるのだった。
「卑怯だわ〜。これからは婆娑羅の攻撃範囲外に魔法を使うね」
次は無属性の魔法のシールドからだ。突きを放つと同時に、シールドが削られるのだった。破られるというよりも穴が無理やり開けられる感覚に近いだろう。俺との相性は最悪だな。
シールドを2重、3重と重ねてみたものの、関係なく貫かれるのだった。ただ、攻撃の威力を持っていないと意味がないらしい。そのため、動きが止まってからシールドを貫く槍を引き抜こうとしていたが、まっすぐ引き抜かないと抜けない。
突き刺し方をミスすれば、引き抜くことができない状態になるのだ。狙うのならその状態だな。ただし、突きだけではなく、振り下ろしにも魔力吸収の判定はある。とりあえずの属性への実験は終わる。
この槍の名前は魔法使い殺しと名付けられたのだった。
まだ、検証は続く。次は魔力を多く含む攻撃に対してだ。結果は、時間がかかるが吸収することができるという結果だった。そんな魔力を多く含んでいる魔法を2つ用意し、1つ目の魔法を吸収させているときだ。
この時は魔法を切り裂きはするものの、吸収することはない。吸収を阻害するには、魔力を多く用意することでの時間を伸ばすことが一番だろう。肝心の吸収に関しては無効化できない。
厄介な武器が生み出されてしまったものだ。魔法を使い、魔力を吸収させていくもののその限界値はわからないのだった。そして、婆娑羅がキリがないと判断し、検証の配信は終わるのだった。
この槍に弱点とかあるのか?見たところないけど。あれば嬉しいな。
あの槍を触媒として9本分の魔法を束ねたものを連発できるって考えると、やはり卑怯だ。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




