1606話
婆娑羅は疲労困憊からぶっ倒れ、配信は即座に中止するのだった。倒れた原因は魔力切れだ。あの状態もでもし、俺が行っていれば負けていただろう。地面にある槍が修復していく。空気中にある魔力を吸収しながら、形を元に戻しているようだ。
数が多いからこんな現象になっているのだろう。1本や2本程度であれば、そのことには気がつかないはずだ。再生力を高めるために、設置して使わなかった魔法を解除することで魔力を放出する。さらに体からも魔力を出すのだった。
その結果、婆娑羅の槍は修復されていく。これでもう槍のことで怒られる心配はなくなった。10分後のことだ。婆娑羅が目を覚ます。
「おはー、コーヒーとお茶どっちがいい?」
「水」
「はい、コーヒーねー」
マジックバッグの中から、ペットボトルのコーヒーを取り出し、婆娑羅の方に転がす。
「ブラックかよ」
そう言いつつも婆娑羅はコーヒーを受け取るのだった。静まった空間になるのだった。
「・・・どうすればよかったのか」
そう婆娑羅がボソッと口に出すのだった。最初の勢いのある戦い方がなくなっているのが原因だろう。魔法を使えるようになってからは、魔法に集中している。そのため、飛行する槍を使って奇襲をすることが減っているのだった。
まあ、深層心理のようなものだろう。魔法の方が強いと考えることにより、槍を破壊されてもいいように使いたくないという気持ちが出ているのだった。
「槍って何?」
「槍は槍だろ?」
「婆娑羅の今の戦い方なら杖で良くない?」
「は?・・・あ」
理解したようだ。というか忘れていただろう。魔法が強すぎるせいで、思考から槍を使うことが抜けているのだった。長いリハビリが必要になるだろうな・・・。
「お前のせいだな」
「俺が悪いかー」
正直、教えなくてもこれに気がついていただろう。教えたくはなかったな〜。今度から戦うのがめんどくさくなる。
普通に考えて、槍が近づいてくるとその全てが魔法を放ってくるか、槍での攻撃をしてくるのかの二択になる。さらにそこに属性が増えることから選択肢が増えるのだ。
「手を抜いてただろ?」
「んー半々かな?」
手を抜いてもいたし、手を抜いていないとも取れる。
「分身体の魔法」
「あー、あれは現在の威力がわからないから使わなかった」
ほんと、上がりすぎた魔法は扱いがめんどくさい。殺してもいい相手であれば容赦なく使ってもよかった。だが、死ぬ可能性があるから使おうにも使えない状態だったのだ。
「植物は?」
「燃やされるから意味がない」
火属性の槍を強化してくるのは予想通りだった。さらにその攻撃手段が主体となるのだから、草といった火が弱点のものを使うことはできない。
唯一、俺の想像を超えたのは、槍の残骸を降らせてくるのと影の魔物がバリアを破壊する効果を持っていたことくらいだ。それ以外は大体予想通りだと言える。
「雷の槍がもっと欲しいね〜。あ、槍って壊してもよかったの?」
「前回も壊していいか聞いてただろ?だから壊される前提で戦ってた」
婆娑羅は槍を引き寄せつつ、マジックバッグに片づけていく。
「・・・?」
マジックバッグに片づけた槍を再び取り出し、数を数えているのだった。
「減ってた?」
「いや、多い。・・・なんかしたか?」
減るのはまだわかるけど、普通増えるか?
「いや何もしていないはずだけど。スキルとかないの?」
「そんな便利なものがあれば毎日破壊してる」
まあ、増えたのだからラッキーとはならないよね〜。どの槍が増えたのかや槍の効果が変化していないのかの確認がいる。どんまいとしか言いようがない。
「確か、お前鑑定スキル持ってたよな?手伝え」
「え〜」
「寿司」
「焼肉の気分」
「なら焼肉でいいぞ」
「よし乗った!」
追加された槍は黒くなった槍だったようだ。そのもとになった槍がわからないことから、スキルが減ったのかもわからないのだった。
ただ、「自動修復」のスキルの他に「魔力吸収」、「魔力蓄積」のスキルがついているのだった。今も周囲の魔力を吸収することで蓄えているらしい。
このスキルが芽生えた原因なら、予想ができるな・・・。黙っておこーっと。そのスキルと効果を説明すると同時に、婆娑羅は即座に束ねている槍に組み込むのだった。
婆娑羅の魔力量による継続戦闘の時間が伸びるのだった。したことが裏目に出てしまったな・・・。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




