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ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた  作者: ひまなひと(ご飯食べ隊)


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1585/1633

1584話

 40階層の攻略が終わったのだった。


「ドロップは?」

「魔石と血でした」


 マリアが持っている血を取り、鑑定をする。ハーフヴァンパイアの血、毒の効果が付与されているものだ。毒の効果は、回復能力の低下だ。引き起こすには傷口に流し込む必要がある。それ以外だと毒の効果は発揮されないようだ。


 飲めば吸血鬼が進み、極低確率で体が適応すれば吸血鬼になれる。そして血液操作のスキルを獲得できる。失敗すれば中途半端なヴァンパイアになる。


 この効果が現れたのが、この階層のボスであるハーフバンパイアだろう。眷属未満の存在とかその辺りにいるのがハーフヴァンパイアだ。


「効果は?」

「回復阻害の毒、あと絶対に飲もうとしないこと死ぬよ」


 人間として死んでしまう。鑑定が終わったことでマリアに血を返すのだった。正直、この程度の毒ならいらないな。魔法で代用できる。


「この戦いでの反省点はあります?」

「前提条件ありきでの攻撃は失敗するから気をつけることかな?」


 最初の動かないことを想定して、背後から奇襲させようとしていた方法だ。あれは本当に良くなかった。前提条件をつけるのはいいことだ。だがそれを引き起こすための材料が足りない。


 影を出せば足が止まると考えたが、走ってしまい影の魔物が追いつかなかった。


「どうすればよかったですか?」

「向上心があるね〜。まあ、参考程度にしなよ。俺の場合は隙間の時間を潰すかな?」


 魔法攻撃でもいい、目眩しや投擲でもいい。その隙間時間を埋めるための行動が必要になる。例えば、足を止めることを目標としていて、影を出しただけでは動きが止まらなかった。


 最終的な目的は、影の魔物が攻撃を仕掛けることだ。だが、影の魔物が攻撃を仕掛けるまでに空白となる時間が発生する。だから、魔法を放つことで避けるとかの選択肢を与え、穴を埋める。これをしたところで抜けられることがあるのだから注意が必要だ。だから、参考程度にしておかないといけない。


 この言葉だけでは、マリアの理解はできていない。これで理解できれば、天才だろう。

「言い換えるのなら、短期的な目標を大量に作る感じかな?」


 攻撃を当てるには、足を止めないといけない。足を止めるには、魔法を放つことや動きへの時間稼ぎをしないといけない。そんな結果への道を作り出す必要がある。結果への逆算と言ったところだな。


「あと攻撃を受けたところは残念だけど、それ以外はよかったよ。失敗から即座に修正していたからね。とにかくお疲れー」


 てっきりどうやって殺すのかを聞いてくるのかとヒヤヒヤしていた。血液操作とかでの多様な武器とか、珍しすぎる。ピンクの悪魔以来だろう。久しぶりにいろんな武器を使ってもいいのかもしれないな・・・。そんなわけで、無事マリアの40階層の攻略配信は終わるのだった。

誤字脱字があればしていただけると幸いです。

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