26 東堂 雪綱
「要するにはリバースカードの中身は同じ数字がないということだろう。それだけ分かればいい」
まあ確かにそうなんだけど……頰をかく。
「それに難しい話をしているようだが、やることも変わらん。結局、自分のカードを当てれば良いのだろう?」
「ですが、あなた当たっていませんのですけど」
エリスちゃんが指摘する。
「あなた、1セット目と2セット目、特に何もできてはいませんわ。1セット目のオープンだってちゃんとわかっていれば得点になりましたのに。2セット目に至っては彼女と同じ安全策という愚策をしていただけですわ」
「ん?お前もドローではなかったか?」
「私をあなた達と一緒にしないでくださいます?」
ビシッと指を指し、指摘する。
「私は最初からこのゲームの本質に気づいていましたの。つまり、フェイズ2の使い方も理解しているということですわ」
「フェイズ2の使い方?」
人を小馬鹿にするような表情で見下す。
「いいですか。リバースカードの中身が1から8しかないなら、相手のカードも情報になるというわけですわ」
「つまり、仮にナンバーを選んで2択か3択が来たら、相手の情報を上手く手に入れられれば、正解の確率が上がるってことであってるよね?」
「……ようやくあなたも私たちと同じステージですわね」
だから、彼女は2セット目フェイズ1は、ドローにしたんだ。1つは私にプレッシャーを与えるため、2つ目はこの3セット目フェイズ2にほぼ確実に正解を出すため……。
「私はもう勝利のビジョンが見えてますの。もはやあなた方など眼中にもありませんわ」
小さな身体で踏ん反り語る。
「ふ……」
「何がおかしいんですの?」
東堂さんは小さく笑った。そういえばこの人、恐ろしいあの光景を見ても全く動じてなかったな。私たちは酷く動揺してたのに……。
今もなお動揺する様子がない。むしろこの状況を楽しんですらいる表情だ。
「楽しいのだ」
「楽しいですって?頭がおかしいとは思っていましたが、こんな状況だからなお、おかしくなって――」
「私がおかしいのは元からだ」
自分で認めちゃったー。自覚あったんだ。
「自覚があるのなら、救いようがありませんわね」
「ああ、救いようがないだろうな。だが、それでいい。私は――」
「もういいですわ」
聞くだけ時間の無駄と切り捨てる。バンッとテーブルを叩き……。
「皆さん、お話はここまで。ゲームを進行しますわよ」
……東堂さんには悪いけど、私も負ける訳にはいかない。
今はフェイズ1。選ぶべき選択は1つ、勝ちに行くために少しでも確率の高い……ナンバー!
私は1と表記されているコインの面を上にできるように持ち……パチンッと音を鳴らし、指で置いて隠した。
さあ、勝負だよ――。




