帰り道に…
悟りを開いたオレは、心がおひさまのようにポカポカさ。
頭の周りには、小鳥さんが飛んでいてお花畑さ。
あははは あははは
…
オレはただのおバカさんじゃないか?
そもそも悟りを開くってなんだよ⁉︎
よくわからなかったけど、何があってもオレは夏実ちゃんの味方でいようと思う。
例え彼氏の話をされても笑顔でうん、うんと聞くのだ。
そして、夏実ちゃんが笑っていれば一緒に笑うし、泣いていれば一緒に泣いてあげたい。
泣けないにしても、その心に寄り添いたい。
…
え?
キモいかな⁇
なんか、オレ大丈夫かな⁈
もう、何が正解なのかわからない…
だれか正解か不正解かまるかばつかで教えてくれないだろうか…?
あ、そうしてくれたら失敗もなくなるんじゃね⁉︎
そうだよ!そしたら、もう悩むことなくない⁇
後悔とかもなくなるってことでしょ?
一人に一体の妖精がついてて、常に道しるべを…ってさ…それはもう自分の意思が…ないよね?
…
却下。
あっという間に却下は、訪れた。
とある下校途中…
ジュースを買いにコンビニに行ったんだけどさ…昔、夏実ちゃんが大好きだったお菓子の復刻版がでてね、オレは思わず二個買いしたよね。
そして今度夏実ちゃんにあったら渡そうと思っていたんだけど、今度どころか…もうコンビニの帰り道に遭遇したよ。
「あ、夏実ちゃん」
「あー、直斗くん。」
「お出かけしてたの?」
「うん、柚乃の家にね」
…あー、彼氏の家にいたんだ。
「直斗くんは、お買い物?」
「…うん。あ、このお菓子夏実ちゃん好きだったでしょ?あげる」
と、オレはスーパーの袋からさっき買ったお菓子を渡した。
「えー、懐かしいー‼︎いいの?」
「うん、どうぞ」
「ありがとう」
夏実ちゃんは、とても嬉しそうだ。
ってかさ…てかさ…オレは夏実ちゃんと一緒にいられて嬉しいけどさ、彼氏からしたらオレの存在って迷惑なんじゃ…
幼馴染の男と、こんなに嬉しそうにしてる彼女をうっかり目撃してしまったら…オレだったら嫌だなぁ…。
…オレはやっぱり器が小さいのかな?
彼氏は、何も言ってきたりしないのかな?
ってかさ、送ってあげたりしないんだね…?
オレなら家のそばまで送るんだけどな…
…
だって、少しでも一緒にいたいからさ…。
まぁ、でも付き合い方なんてそれぞれだもんね。きっと…。
続く。




