はなちゃんとみみちゃん⁇
みさきは…いったい優しいのかそれとも…
「あのさ、みさき」
「ん?」
「あの、みさきって…その…みさきの彼女ってさ…」
「うん、柚乃ちゃんがどうかした?」
⁉︎
彼女は、柚乃ちゃんなんだ…
即答で柚乃ちゃんの名前でるってことは、やっぱり本命は、柚乃ちゃんなんだな。
…
「あー…、彼女じゃなくて間違えた。夏実ちゃんがさ…」
「うん。夏実ちゃんが?」
…
「みさきにとって夏実ちゃんってどんな存在?なのかなってね…」
「あー、夏実ちゃんは…そうだな、中学のときは付き合ってた彼女の友達でもあり、直斗の幼馴染でもあったって感じ?今ほど仲良くなかったし、顔見知り的な?でもなんで⁇」
びっくりしたー…。
中学のとき付き合ってたって言い出したかと思ったわ…
「あー、なんかちょっときいてみたくて…」
「そっか。」
「うん…。でさ、はなちゃんってのは…誰なんだろう?」
「はなちゃん?」
「うん。その…それ、くしの持ち主のさ…」
オレがくしを指差すと、
「あー、はなちゃんか。みみちゃんも使うけどね。呼ぶ?」
と軽くいうみさき…
⁉︎
「えっ…、そんなすぐにみさきが呼ぶと来るの?」
「まー、だいたいね。」
みさきは、スゥッと息を吸い込んだかと思うといきなり、
「はなー、みみー」
と呼んだ。
⁉︎
えっ⁇
携帯で連絡とるとかじゃないんだ⁉︎
みさきって…双子の妹とかいたんだっけ⁉︎
はなちゃんとみみちゃんってなにものなんでしょうかっ⁉︎
と思っていたら、パタパタと階段を駆けのぼる音がいたしますね。
かと思えば、二匹の猫ちゃんが現れたじゃありませんかっ‼︎
猫ちゃんかいっ‼︎
あー、でもよかったー。
いろんな女性がいるわけじゃなくってほんとに安心した。
優しい顔で二匹の猫ちゃんをあやすみさきは、なんとも素敵な青年じゃありませんか。
数分前、オレはなんていかがわしいことを思っていたのでしょう…。
お恥ずかしいにも程がありますよね。全くさ…。
ごめんなさいと、心でお詫びをした。
もしかしたらみさきは夏実ちゃんとも、とくになんにもなさそうじゃないか?と思う。
オレの考えすぎかもしれないな。
全くオレってばさ。
ごめんなさいと、夏実ちゃんにも心でお詫び申し上げた。
そうだよな。みさきは、柚乃ちゃんが大好きなんだもんな。
うんうん。
…
うん?
「あれ、その絵本って…」
オレがとある絵本に手を伸ばした。
「あー、これかわいいキャラのネズミのやつ。夏実ちゃんから借りてるんだ。」
⁉︎
夏実ちゃんから…?
なぜでしょう⁇
でも、なんで借りたの?なんて聞いたら…なんかあれだよね…。
「オレもこの絵本シリーズ持ってるよ。」
というとみさきは、
「マジで?なら今度借りてもいい?」
なんて目を輝かせるみさき…。
え?
そんなにその絵本好き?なのか⁇な?
続く。




