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ま、まさか…

 夏実ちゃんは、オレの言葉をスルーしました…。

 

 こ、これは…まさか…

 

 …

 

 ⁉︎

 

 もしかして…遠回しにお断りされた⁉︎

 

 あぁ…

 

 オレは告白どころか、それをすっ飛ばしプロポーズをしてお断りされるなんて…なんてせっかちでおバカなのでしょう…。

 

 

 無駄に駅に行き、無駄に帰るオレは…おバカなヒマ人…

 

 そんなヒマ人は、家に帰りただただひたすらにボーっとするのでありました。

 

 

 あーあー…夏実ちゃんにとったらオレはただの幼馴染…いや、キモい幼馴染なのであろう。

 

 どうする⁉︎

 どうするんだ、オレ‼︎

 

 …いや、どうするもこうするもあるまい。

 どうしようもないのだ。

 

 はっ‼︎

 待て待て‼︎

 

 夏実ちゃんは、みさきが好きだからって安心していたけど…まさか今日は、誰かとお試しデートとかしてたりしないよね⁈

 

 夏実ちゃん…オシャレしてたよ?

 いや、いつもオシャレだよ。

 

 …

 

 あ、たとえデートじゃなくても運命の人に声をかけられていたら?

 

 …それはもう、運命ですから…ね。

 

 …どうしようもありませんよ。

 

 

 ここは、夜まで待って流れ星さんにお願いでもいたしましょう。

 

 夏実ちゃんがまだ運命の人に出会いませんようにってさ。

 

 ‼︎

 

 待て待て…

 

 運命の人にまだ出会わないってことは…オレは確実に夏実ちゃんの運命の人から対象外…ですね。

 

 それにっ‼︎

 

 流れ星さんって、たしか三回同じこと願わないと叶わないんだったような…。

 

 はい‼︎アウトー…。

 

 痛恨のミスです…。

 

 これはいたい…。

 

 って言っているあいだにも…夏実ちゃんが…夏実ちゃんが…。

 

 よし、こんなところでモヤモヤ考えていても無駄だ。

 

 

 ここは、ひとつバイトをしよう‼︎

 

 

 は?って普通は、なるかもしれない。でも、オレは…どうかしている。

 

 だから本格的にバイトをするのだ。

 

 どこでしようかなぁ。

 食べ物やさんとかがいいかなぁ。

 

 …でも、オレが腹ペコなときに目の前に美味しい食べ物があってもいただくことができないなんて…そんなの…そんなのって…あんまりじゃないっ‼︎

 

 てことで、却下。

 

 残すはただひとつ‼︎

 

 本屋さんに決まってルゥ

 

 

 だって、そしたら夏実ちゃんがよく来るもんねっ!

 

 

 ワクワクしながら働けるもんねっ!

 

 

 では、早速お電話。

 

 からの、あっという間にバイト当日。

 

 いやぁ、緊張いたします。

 

 なによりも、更衣室が一番緊張するわー…

 狭いし、静かだし…。

 

 

 

 でもバイトが始まると、意外と楽しかった。

 

 本に囲まれるってすげーワクワクするわー。

 

 いろんな世界が本を開くと広がるんだもんなー。

 

 すげーよ。

 

 面白い本あったら夏実ちゃんにも教えてあーげよっと。

 

 って…

 

 え⁇

 

 あれは…

 

 ゴシゴシと目を擦り二度見したあのお二人は…

 

 まさか…まさかの…夏実ちゃんとみさきじゃねっ⁉︎

 

 んっ⁉︎

 

 続く。

 

 

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