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一緒

 夏実ちゃんのハートの色はわからないけど、最近元気なのは、よくわかる。

 

 

 本日、日曜日。

 夏実ちゃんに一緒に本屋さんに行かない?と誘われて今本屋さんに行く途中だ。

 

 もうすぐ冬になる。

 薄手のワンピースからパーカーに早変わりの夏実ちゃんもなんとも可愛らしい。

 

 そんな夏実ちゃんを見ていたら夏実ちゃんがオレの方を向いて、

「なんかさ、彼氏じゃないけど直斗くんがずっと一緒にいてくれるのすごく嬉しいな。わたしは、もうそれだけでじゅうぶん幸せ。」

 と恥ずかしそうに言った。

 

 …

 

 オレは…どんなポジションなのだろうか…

 

 部屋のぬいぐるみ感覚?

 いると落ち着く…的な?

 

 …

 

 まぁ、オレは幼馴染なんだし結局昔から夏実ちゃんのそばにいる置物やぬいぐるみ感覚なのだろう。

 

 愛着がわくみたいな。

 

 恋じゃなく、愛。

 だって愛着って、愛って漢字を使っているもんね?

 

 って、無理矢理のこじつけ感半端ない…

 

 愛といってもまた違う愛なのだろう。

 母性愛的な?

 

 愛くるしいぬいぐるみ的な?

 

 どちらにせよ、嫌われてないし…むしろ少なからず好かれてるのだろう。

 

 どんまい、オレ。

 

 恋じゃないけど、いいっしょ!

 というわけで、夏実ちゃんには

「ありがとう。」

 とお礼を述べた。

 

 夏実ちゃんは、しばらくは恋をしないつもりなのかな。

 

 このまま、ずっと一緒ならいいのに…

 

 でさ、流れでずーっと一緒みたいなね?

 気づいたら、まわりみんな結婚してて…あれ?オレたち取り残されたね?なら、もう一緒に結婚しちゃう?みたいな。

 

 …どうなの⁉︎

 それってどうなの⁇

 

 オレは夏実ちゃんが好きだから全然アリだけど…夏実ちゃん的には…どうなんだろ?

 

 なんか…なんか腑に落ちない…っていうか…なんかなー…。

 

 ずっと一緒にいたいけど…これじゃあなんか魔法の薬飲ませたのと同じな気がする。

 

 やっぱりオレじゃ夏実ちゃんは、惚れてくれない?

 

 よっぽどみさきが好きなのか、それともオレが根本的にタイプじゃないとかかな⁉︎

 

 …まぁ、二番目の方だったらどうしようもないよねー。

 

 でもさ、オレは諦めないで夏実ちゃんがいつでもオレのところにきたときによい環境でいられるようオレは頑張るからね!

 

 夏実ちゃん、いつでもオレはウェルカムさ‼︎

 

 さぁ、夏実ちゃん‼︎飛び込んでおいで‼︎

 

 と、隣で無言の圧力。

 

 …

 

 じっと夏実ちゃんをみると、

「ん?何?」

 とポカンとする夏実ちゃん。

 

 …ええ。

 そりゃ、心の中でウェルカムしても伝わるわけがない。

 

 まさか夏実ちゃんも、隣でウェルカムを叫んでるなんて思いもしないだろう…。

 

 キモいなぁ。オレ…

 

 だから夏実ちゃんに惚れてもらえないのかも!

 と納得したのでありました。

 

 続く。

 

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