そろそろ言わなきゃ
別々の高校になり夏実ちゃんとは、もう勉強会もない。
なんならバイトも始めたからなおさら夏実ちゃんとの接点がない…。
ただ…ひとつ夏実ちゃんに伝えるかどうするか迷っていることがある。
それは、みさきが彼女と別れたことだ。
高校が別々になりバイトもしてお互いの時間にズレが生じたらしい。
夏実ちゃんは…やっぱりまだみさきを好きなんだろうな。
だって…前に夏実ちゃんから
「みさきさんも同じ学校なんだよね?」
って言われたし。
やっぱり…それを聞くってことは…そうなんだよね?
そもそも夏実ちゃんは、みさきをみさきさんって言うけど、同級生なのにさん付けってすごいよな…。
よっぽど尊敬してる?
憧れとか?
まぁ、みさきはオレにとっても神的存在だからオレもみさきちゃんって呼ばせてもらってるけどさ。
ライバルが神なんて勝てるわけねーっすよ。
オレは神には、なれない…。
となりにいるみさきをジーっと凝視。
あー、髪サラサラだし整った顔立ちにいいルックス。
…やっぱり敵わないっす。
「なんでじっとこっちみてんの?」
とみさきちゃんに言われちゃった。
「てへ、好きになっちゃったみたい♡」
とオレが冗談でいうとみさきちゃんは、
「はぁ⁉︎」
と驚いた。
「いや、本気にすんなよ…⁉︎」
と慌てて訂正した。
「あー、ならよかった」
と心からホッとした様子のみさきちゃん。
え?
「もしさ、オレが本気だったらどうした?」
の質問にみさきは…
「そりゃ…ちきんと気持ちに向き合えるか全力で考えるだろうなー」
なんて素敵なこと言ってくれるじゃねーかよー…。
「やっぱみさきちゃんは神だわ。敵わねーよ。オレ」
と肩を落とした。
するとオレの肩をポンっと優しく叩いて、
「オレだって直斗に敵わないことたくさんあるぞ?」
と子どもみたいな笑顔で笑うみさきサマ。
「なんだよそれ…」
と言いながらオレも笑った。
やっぱり夏実ちゃんには、きちんと伝えておいた方がいいな。
それから数日後、夏実ちゃんと偶然家の前であったから夏実ちゃんにみさきのことを伝えた。
今、美崎健太郎はフリーだよ‼︎と。
すると、びっくりした様子で
「えー…さちのちゃんと別れちゃったんだぁ…」
とさみしそうな表情になった。
あ、そこは喜ばないんだ…。
まぁ、いきなりガッツポーズされてもな…
「んじゃ、そういうことだから。じゃまたねぇ。」
と手を振った。
夏実ちゃんも手を振りかえしてくれた。
夏実ちゃんがもし、みさきとの仲を取り持って欲しいって言ってきたらその時は、協力してあげよう。オレはそう決めた!
その数週間後、夏実ちゃんから一緒にショッピング行かない?と誘われた。
…きた。ついにこの時が…
やっぱり恋の相談されるよね?
…
オレはいいよ!とわざと明るいノリで答えた。
本当は…辛かったけど。
続く。




