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正式に伊豆守護に任命されたよ

  さて年も開けて文明10年(1478年)になった。


 将軍の命令で将軍位を狙っていたとされる堀越公方を討ったことで、俺は伊豆守護として正式に任命されることになった。


 遠江守護に関しては一時的に遠江今川氏である今川義秀が遠江守護を兼任することになっているが龍王丸が元服した後にどうなるかはいまのところ不明だ。


 とは言え朝倉と越前を巡って争っている斯波に関東の争乱の抑え役が務まらないのは明白だから今川とその後見人である俺にその役目は押し付けられているわけであるが。


 日野富子は俺を中央へ呼び戻したかったらしいが、その理由としては細川頼之が四国の守護となった際に崇徳天皇の菩提を弔ってから四国平定に乗り出して成功して以後、細川氏代々の守護神として崇敬されたこともあってか細川政元はほとんど朝廷へ金を収めていないらしい。


 だからといって俺に泣きつかれても困るが。


「それにしても、伊豆守護に駿河守護代も兼任とか結構きついよな。

 とは言え、昔は伊豆も駿河の一部だったらしいけど」


 俺がそういうと大道寺重時はうなずいた。


「確かに実際には駿河の東側と伊豆の直轄領だけだとは言えやらなきゃいけないことはたくさんあるからな」


 そして風魔小太郎も言う。


「太田道灌を殺害したことで息子の大田資康を初め多くの家臣が扇谷家を離反して上杉顕定の許に奔り更に異母兄の三浦高救も扇谷家当主の座を狙って動き始めたようですな」


「ああ、だからこそ俺のもとにも上杉定正から同盟の使者が来ている。

 もともと伊豆は山内上杉が守護領国としていた上に関戸吉信なんかは山内上杉の被官だったから俺たちは山内上杉と対立せざるを得ないが」


 ちなみに俺は上杉政憲と太田道灌の謀殺の黒幕なんじゃないと一部では言われているが無論そんなことはない。


「かといってここから川越に兵を出しても俺たちが得るものは何もないぞ」


「そこが問題だよな……」


 もともと伊豆の国人の多くが堀越公方から離反したのもほとんど得るものがない戦いに従事させられたことが大きいわけではある。


「ただ実際に以前に三島まで攻め込まれたこともあるから敵が攻撃してくるのを待つほうがいいと言うわけでないのも理解はされるとは思うが。

 敵に攻めこまれれば放火や略奪の被害にあうわけだし」


「たしかにな」


 まあ何れにせよ俺はすでに上杉顕定とは対立関係にあるので上杉定正との同盟を結んで対抗する必要はあるだろうけどな。


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