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甲賀の状況がわかったので伊賀共々に調略を開始したよ、そして俺達は観音寺城へ入城した

 さて、尾張に到着した俺は風魔小太郎を頭とする風魔党を主軸に行商人や諏訪の流れ巫女、曹洞宗や臨済宗などの勧進や修行の為に旅する僧などを利用して甲賀の情報を集めさせていた。


 そして報告を受けたがある程度は予想通りだった。


「甲賀の家のものたちが望むのは安定して食料を得ることができる生活のようでございます」


 風魔小太郎の報告に俺はうなずく。


 甲賀は近江南東部に位置し、伊勢参宮街道としてそれなりに栄えて入る。


 鈴鹿山系に源を発する野洲川と、その支流である杣川があって一応水もえられる


 しかし”伊賀”"甲賀"は500万年前の大昔現在とは全く違う場所にあり伊賀周辺から北上して移動してきた古琵琶湖の湖底であった場所である。


 大山田湖、阿山湖、甲賀湖、蒲生湖、堅田湖と言った湖ができては埋まってだんだん北上していった結果、琵琶湖の底にあったうえに火山灰が降り注いだため、土は粘土質でこの時代における農具の技術では耕して田畑にするのは非常に難しい上に、内陸部の平野地である伊賀や甲賀周辺は、雨雲が起きにくく冬の間に雪が積もることもないため、国内でも有数の干ばつ地域であることで、多少でも水を逃さないように溜め池には、必ず大きな木が植えられたが、この乾燥に弱い土地の土壌は非常に農業には向いていない地域で富士浅間信仰が非常に強く信仰され、それ故に戸隠の修験者が迎え入れられてきた。


 近江は琵琶湖、この時代では近淡海(ちかつあふみ)もしくは淡海乃海(あふみのうみ)と呼ばれるがその周辺の多くは水に困ることはないのだが、甲賀はその例外だったわけだ。


 だからこそ傭兵のようなことを行わなければならない状態で状況的には風魔にも似ている。


「甲賀や伊賀のような土地でこそ備中鍬が役に立つというものだな。

 もっとも場所によって駿河のように茶を栽培し、足柄のように蕎麦も栽培したほうが良いかもしれないが」


 俺がそう言うと風魔小太郎がうなずく。


「蕎麦でも美味い食べ方があれば変わりますからな」


「では、甲賀望月家を中心にして米と銭を半分ずつとした俸給に加えて、甲賀でも栽培ができるだろうものの知識を用いて開墾を手伝うことで俺に仕えないかと調略を勧めてもらえるか?

 おそらく伊賀も同じような状況だろうからそちらも調略をしてもらえると助かるが」


「かしこまりました」


「甲賀や伊賀のものが加われば風魔の諜報に関する負担も減るだろう頼むぞ」


「はっ」


 そう言って風魔小太郎は退出した。


「調略は調略として行なうとして、美濃の土岐や斎藤に根回しした上で、兵を連れて観音寺城に俺達は入るとするか」


 俺がそういうと大道寺重時がうなずいた。


「そうだな、守護も守護代も不在のままというのも良くはなかろう。

 早めに近江に入っておくべきだろう」


 というわけで美濃に使いを出して兵を引き連れて美濃の道を通ることを伝えて、あちらの許可を得て俺達は観音寺城へ入った。


 国人で室町幕府の近習・奉公衆や公家・寺社の荘園を押領している者には返還する代わりに扶持米と銭で仕えるように勧めるつもりだが果たして従うかどうかだな。


 まあ従わないのであれば潰していくしかないが。


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[一言] 「甲賀や伊賀のものが加われば風魔の諜報に関する負担も減るだろう頼むぞ(調略に成功したら風魔の下に加えても構わない。事の次第では同僚が出来るぞ)」 「はっ(任せて下さい。分かっています)」 で…
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