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小田原城の次は七沢城の制圧だ

 さて、今川重臣や松田に追放されていた大森憲頼をあわせた五千の兵で一気に小田原を制圧し、大森藤頼を追い出した。


 この次は扇谷上杉氏の本拠地であった糟屋館を守るための七沢城の攻略だ。


 史実でも北条早雲は明応5年(1496年)から文亀元年(1501年)頃のどこかで小田原城を攻略した後は七沢城の攻略をしており、それは扇谷上杉朝良が山内上杉家に降伏した永正2年(1505年)頃らしい。


 七沢城は長享2年(1488年)には山内上杉に攻め落とされていたはずではあるが、城主は上杉朝昌の子の朝寧が城主となったともあり、実際にどうだったのかはよくわからないというのが実情だ。


 まあ史実がどうであれ俺は扇谷上杉定正の要請もあって七沢上を攻略しに行くわけだ。


「大森伊豆守(憲頼)殿は小田原に残りここを抑えていてくだされ」


「わかり申した」


「松田(頼秀)殿も補佐を願いまする」


「わかり申した」


 二人が残れば1000の兵となるのでとりあえずは何かあっても対処できるだろう。


「我らは七沢城を落としに進みましょう」


 俺は朝比奈福島の両名へと先へ進むことを促した。


「うむ」


「ああ、そうしよう」


 まず小田原から海岸線沿いを東進して平塚の実田城を攻撃してそこに逃げ込んだ大森藤頼をさらに追い出して三浦へ追放して、相模川沿いを北上して七沢城へ向かう。


「七沢城を落としたらゆっくり温泉にでも浸かりたいものだ」


 俺がそう言うと大道寺重時は首を傾げた。


「あの辺りに温泉があったか?」


 それを聞いた風魔小太郎が答えた。


「有名ではございませんが一応小さな温泉があるようでございますな」


 それを聞いた大道寺重時が破顔した。


「ならたしかにゆっくりと温泉に浸かりたいものだな。


 そして俺たちが4000の兵で七沢城を攻撃すると、あっさりと城は陥落した。


 山城と言ってもこの頃の城はそれほど防御力が高いわけでもないことも多く、何より兵数に4倍の差がある上に敵中に孤立した状態の守備兵の士気はたかくなかったのだな。


 俺たちは相模川より西の地域を制圧したのでおおよそ相模の山内上杉の勢力は駆逐できたと思う。


 今川の重臣たちはこれでお役御免と駿河に帰っていったし伊豆の国人達も戻っていった。


 それでも1000の兵があればまあなんとかなるだろうがこのあたりの国人を従えないといけないな。


「ともかくこれで一息つけるな」


 喜び勇んで温泉に入ろうとしたのだが、温泉と言っても熱いお湯ではなく成分的な温泉成分を含む冷鉱泉だったので湯船にのんびり浸かるということはできなかったのは少し残念だったがな。


 ああ、この時代には公共的に蒸し風呂を使える湯屋のようなものはあるし、それが温泉扱いされている場所もある。


「まあ蒸し風呂でも十分あたたまるからいいが、やはり修善寺温泉のようにたっぷりの湯につかれる方がいいな」


 俺がそう言うと大道寺重時は苦笑しながら言った。


「まあ、それは贅沢というものだろう」


「まあ、そうなんだがな」


 実際お湯を沸かすということに多量に燃料を使うのは贅沢以外の何者でもないのではあるのだよな。


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― 新着の感想 ―
[一言] > 山城と言ってもこの頃の城はそれほど防御力が高いわけでもないことも多く、何より兵数に4倍の差がある上に敵中に孤立した状態の守備兵の指揮はたかくなかったのだな。 指揮→士気
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