戦争前夜
そろそろ魔族とバトらせます。
「明日、ついに魔族側との開戦を迎えることになる。今日のうちに戦場に移動し、しっかりと体を休めてもらいたい!」
この世界における戦争は、何も直接国、街同士を攻撃しあうわけではない。もちろん、そんなことをすればお互いに被害が出るということがわかっているので、指定された戦場に向かい、どちらかの軍が全滅あるいは大将、この場合は勇者サトルが降参を認めるまで戦い続けるというスタイルだ。そして。勝者は敗者の土地を支配することができる。
「サトル様、明日の戦争についてですが…どのタイミングで降参声明を出すかなど、お決まりですか?」
そう、セピアが戦争に参加したがらないのはこれである。大将が降参だと言わない限り、常に自分に命の危険が付きまとうわけだ。ただ、自分の軍への負担を考えて全滅で勝敗が決まることはほとんどない。ほとんど…
「降参?人間側にはこの僕がいるんだぞ?負けるわけがないだろう!」
そう、この勇者が大将の場合を除いて…
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今回は、魔族側も人間側も同じ価値の未開拓領地を賭けることになっている。負けた側はそれを失うわけだが、正直人間側が負けると今後がかなり厳しくなってくるだろう。魔族領が拡大するということは、入手できる資源等のリソースも大きく変動するわけだ。つまり、その土地から獲れる鉱物やら、魚介類が相手のものとなってしまうわけだ。それに対して、魔族側は負けても失うのは大して何もできない広大な土地。戦争を行う際は、お互い同じ価値の物を賭ける決まりなのでこうなっているわけだが…つまり、人間側としては負けるわけにはいかないのであり、その背景を見込んで魔族側も戦争を仕掛けてきたというわけだ。
このような状況だからこそ、全面戦争の際の対象を勇者に任せているわけだが…
「僕が率いているんだし、何よりあれだけの演習を積んでいるのだ!万に一つも負ける可能性はないし、いざとなれば僕が戦場に出る。ここまで整った出来レース、降参理由を探す方が難しいというものだろう!」
その勇者がこの有様、この後待ち受けている展開は容易に想像できるだろう。
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「セピア様、いよいよ開戦みたいですよ」
「よかった…僕はここまで逃げ切れたんだ…」
「セピア君には人の心と言うのがないみたいだね」
「内を言ってるだ?僕は純粋無垢でハートフルだともっぱらの噂なんだけど…」
「そんな噂は聞いたことないですね」
やっぱだめかー、早いところ布教しておかないとな…
〈マスター、その戦争とやらに行かなくていいんですか?〉
〈うーん、死にたくはないからなぁ…〉
一般人に被害は出ない、ということは戦争参加者にはほぼ確実に被害が出るということでもある。そんな危ない戦場に、僕は絶対に行きたくはないね。
「結局、あのうさん臭い勇者が大将になるんですかね?」
「そうだろうけど…正直負けないでほしいかな…」
「まあ、今回負けるとだいぶ厳しくなってくるだろうし」
「…ユーリ、一応魔族だよね?なんか自分の見知った奴がやられていくことに抵抗とかないの?」
「私、そもそも魔族にあまり親しみないのよね。だから、特に何ともないわ」
「つまりボッチってことですね」
「…孤高と言ってほしいな」
ボッチか…なんか謎の親近感がわいてくる。というか、そう考えるとユーリは来るべくして僕らの下に来たって感じがするな。
〈マスターから、何かよくわからない哀愁のようなものを感じます…〉
〈それは触れないでくれ…〉
僕も大して知人居ないからさ…
お疲れ様です。
…僕はもう中学校を卒業したんですけど、中高一貫の関係で火曜日からも学校あるんですよね。
意味が分かりません。




