帰還
来週の木曜日受験ってマ?
「さてアリスさん、見事に選考会合格してしまったわけなんですが…」
「まあ、いいんじゃないですか?辞退すれば」
「え、事態とかいうシステムあるの?」
「私が嫌そうにしてたら、『辞退もできますよ』と係の方が…」
「なんだそれ、絶対表には出てない情報だろ…」
辞退ができるとわかっていれば、わざわざこの国まで来る必要もなかったわけだ。ホント勘弁してほしい、男尊女卑の次は女尊男卑か?僕がよく発動する逆張り精神みたいなことはしないでくれよ?
「それでセピア様、辞退しますか?」
「ここでアリスだけ向かったら、僕はユーリ曰く危険な戦場は使用人に任せて自分は自堕落な生活を送ることになるらしいから」
「そこで自分も行くとか言い出さないあたりがセピア様ですね」
「まあ、僕こそがセピアだし?」
「ちょっとそれはよくわからないかな」
まあともかく、今回の全面戦争は参加回避成功というわけだ。よし、言っていた通り家で自堕落な生活でも送らせてもらううとしますか。え、これじゃユーリの言う通りだって?僕は危険な戦場を使用人になんて任せてないからセーフなんですね。はい僕の勝ち。
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「セピア様、お帰りなさいませ!」
「…なんでエリスさんとその他愉快な仲間たちが僕の家の前に立ってるんだ?」
「セピア様、私たちを愉快な仲間扱いするのは止めていただけますか?非常に不愉快です」
僕の家の前には、パーティーメンバーのシルフィとクレハ、それにセシルとエリスさん。ていうかエリスさん暇なんだろうか。別にこの国の政治の実権を握っているわけじゃなさそうだし。
「あれ、僕が今日帰ってくるなんて言いましたっけ?」
「何を言っているんですか?私の情報網をなめないでください」
「うへぇ…王女様怖い…」
そんな大層な情報網は絶対に僕の動向を監視するために構築しているわけではないだろう。僕の行動と国家機密を同じ情報網で扱わないでほしいな…下手なことできないじゃないか。
「結局、セピアさんは戦争に参加するんですか?」
「ああその件ね、魔力測定で引っ掛かって落選したよ」
「そ、そうですか…」
クレハが「あ、地雷踏んだ」みたいな顔してるけど、僕にとってはもう一種のアイデンティティみたいなものだから大して気にしてはないんだけどね。ちょっと気にしてるだけだから。
「セピア様、家に入りましょうか。正面にいる多数の人混みが邪魔ですが」
「王女様を邪魔とか言い出すアリスの鉄壁メンタルはどうやって生成されてるんだろうか」
「さあ、人体研究でもしてみれば?」
「セピア様であれば、体の隅々まで差し出すことも厭わないんですが…」
「そこは厭ってくださいよ…」
勘弁してくれ。これ絶対後から責任問題とかに発展する奴じゃん。
「シルフィ、やはりここにいたのか…」
「パ、パパ…」
話しかけてきた中年くらいのイケオジ。シルフィがパパと呼んでいることからわかるように…
「久しいな、セピア君」
「…お久しぶりです、エドワードさん」
エドワード・エラリス。シルフィの父親だ。
お疲れ様です。
月曜日でオンライン授業が終わりました。悲しいです。




