前兆
広島の田舎の方に行っていたんですが、尋常じゃないくらい寒かったです。
「…というのが、ここ最近の様子のようです」
「ふむ、そうか…」
ここは…魔王城。全魔族を統べる、魔族の頂点に立つこの男。17代目魔王『グレン・カルロス』。彼が通った後には雑草と魔族以外残らないといわれており、その圧倒的魔力量と先祖譲りの知性により、これまで様々な魔族に関する問題を解決してきている。まさに、魔族社会がうまく回っているのはこの男のおかげと言っても決して過言ではない。
「彼女の処分は、どういたしましょうか」
「処分も何も、実際に会うことが叶わないからな…」
「勿論です。一日でも魔王様を魔王城から不在にしてはいけません」
「そうだよなぁ…」
今話しているのは…もちろんユーリに関することだ。魔王幹部という立場は基本的に捨てることが不可能なので、ユーリは失踪扱いになっているわけだ。
「幹部の一人が失踪となると、幹部の名前に傷がつく。早急に幹部の座に連れ戻したいんだが…」
「まさか、人間側に付くとは…」
「それも、人間の奴隷になってしまっているからな。そう簡単なことではなくなってしまっている」
「どうしましょうねぇ…」
ちなみに今魔王と話しているのは、魔王幹部序列5位『アイシャ・カルロス』。幹部の中で、魔王の秘書的な役割を担っている。ちなみにだが、幹部の序列1~5位は魔王の家系で構成されている。内部的な争いを生まないための配慮らしい。
「これは…そろそろ事を起こすか…」
「それはつまり…戦争ですか?」
「ああ。このまま均衡状態が続けば、我々魔族は衰退してしまう」
というのも、魔族が現在国を築いている場所はそもそも生活に適しておらず、天然資源に乏しい。その他の場所はまだ未開拓、もしくは人間側が所有しているため、このままの状況が続くと非常に苦しくなってきてしまうのだ。ちなみに未開拓エリアは、魔族という分類に入らないモンスターたちの巣窟になっており、開拓は容易ではない。
「よし…国民へ伝えろ!戦争準備だ!」
「了解です」
こうして、人間に危機が迫り始めている…
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「セピア君、ちょっといいかな?」
「どうした?」
「今、私が持ってる情報網からとある情報が入ったの」
「それって、魔族側の?」
「勿論よ」
「やっぱり、ユーリが僕側についてくれているのって相当有利なんだなぁ…」
「ええ、是非感謝して?」
本当にこれは感謝しないとな。魔王幹部を奴隷にしているというこの状況の異常さを再確認させられたよ…
「どうやら…魔族側が戦争を始める気よ」
「それって、ユーリが攻めてきたのとはまた別?」
「私がしたやつは、どちらかと脅迫の意味合いが強かったからね。本来ならこの国を筆頭に様々な国に攻め入るつもりだったんだけど、セピア君のおかげで初っ端から計画が破綻したというわけ」
「別に僕のせいじゃないと思うんだけどなぁ…」
つくづく感じているが、僕の周りには僕を人間卒業生にしたい人が多数いるみたいだ。
「今回は…魔族が全力で攻めてくるわよ。恐らくだけど、人間側も主要国が合同対抗軍を組むんじゃないかな」
「これは大事になるな…」
「セピア君は間違いなく徴兵されるんじゃない?」
「できれば避けたいんだけど…僕は冒険者ランクも低いし、大丈夫じゃない?」
「それがフラグにならないよう祈るしかないわね…」
ちょっと、そういう発言がフラグを建設していってるんじゃないか?
お疲れ様です。
この作品の潮時を見極められずに過ごしてしまっている今日この頃です。




