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王女様とバケーション vol5

せっせ

「えっと、エリスさん」

「どうしましたか?」

「なんでこんなに大量の部屋があるにも関わらず僕と同じ部屋に入ってくるんですか?」


そう、このホテル王族専用であるにもかかわらずめちゃくちゃに部屋が多い。恐らくだが本来は使用人の人たちとかが使うんじゃないかな?


「それはもちろん、セピア様と同じ部屋で寝泊まりするためです」

「…今なんと?」

「ですから、セピア様と同じ部屋で寝たいんです!」

「勘弁してください…何かの手違いで間違いが起こったらどうするですか」

「それは大歓迎なので」

「ユーリ、この暴走気味の王女様をなんとかしてくれ…」

「随分と横暴なご主人様だね」


もちろん、間違いがないよう最善の注意を払うつもりではある。ただ、僕だって男だ。理性ではどうしようもない状況に陥る可能性だって…


「エリスさん、下手すれば僕の命が危ないのでお願いですから別の部屋で過ごしてください…」

「まあ、それもそうですね。では、就寝ギリギリまでセピア様とイチャイチャするとしましょうか」

「ちょっと、それは私の権利なんですけど」

「そんなことを約束した覚えはない」


僕の交友関係には虚言癖、もしくは記憶改ざん壁がある人が多いみたいだな。


***********


あの後、エリスさんと眠くなるまで遊んで(?)いた。基本的には雑談なんだが、第一王女という立場上話のスケールがところどころ大きいのよ。どこそこの上級貴族家の人が嫌いだとか、あの人の絡み方が嫌いだとか…うん、基本的に愚痴だね。やっぱり第一王女という立場と、本人の常識離れした容姿も相まって過度に接触してくる人は腐るほどいるのだろう。そして現在、部屋に用意されているベッドで横になっているのだが…


「なんでいるんだ?」

「いいじゃん。奴隷とご主人様の触れ合いだよ」

「あのなぁ…」


なんでこの人は僕のベッドに平然と入ってるんだ?


「わざわざ部屋を用意した僕の努力はどこへいったのやら…」

「それに関しては申し訳ないよ。ただ、セピア君も期待してたんじゃない?」

「この状況をか?」

「まあそれもそうだけど…ねえ、イイコトしようよ♡」

「いきなり何を…」


いくら大した経験がない僕といえど、ユーリの言わんとしていることが何かはわかる。ただ…


「それは流石に…いくら奴隷になったからとはいえ、そこまでしなくてもいいんだけど」

「あら。私は別に奴隷だからとかそういう理由で体を差し出そうとしているわけじゃないわよ?」

「そうなの…か?」


というか僕の予想が当たっていて嬉しいような悲しいような…


「私は単純に、セピア君ともっと親密な関係になりたいだけ。しかも、お互いの利害が一致してる」

「それは…否定できないけど…」

「セピア君だって、ハジメテでしょ?」

「…ユーリは経験あるのか?」

「あるわけないでしょ。向こうの男どもなんて絶対嫌よ」

「そ、そうか」

「だからさ、ね?」


こういう時って肉親へ感謝の気持ちを伝えるべきなんだと思うんだけど、あいにく僕は家系図から抹消されてるんだよなぁ。

お疲れ様です。

実は、そっち系路線でしか攻めない別作品がありまして…そちらの経験が生かされたかなと()

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