魔族との戦争 vol4
この展開が書きたかった。
「セピア様、もしかしたら泣き落としかも…」
「こんな状況でそんな汚い手に走らないわよ…」
そう言って両手を挙げ、完全に降伏の様子を見せる魔族の女。
「おい、何やってんだ!さっさと殺すぞ『地獄の開幕』」
「おい、やめろ!」
アランのはなった魔法は、無抵抗の魔族へ飛んでいく。そして当然、被弾する…
「…ッ!」
どうやら生きているようだ。さすが魔族。
「あの女を殺すな!」
「おいおい、とうとう狂っちまったか?あの女を殺して首を持ち帰れば、大量の報酬金と名声を手に入れられるだ!さっさとそこをどいて…」
「『氷の大地』!」
「おい!何するんだ!」
「悪いけど、アランに好き勝手させるわけにはいかないんだ」
「ふざけるなよ!相手は魔族だ、なんで魔族側に付いてるんだ!」
「僕だって、間違っていることぐらいわかってるよ。ただ…僕には、魔族は殺せない」
「セピア様、魔法の効果が切れないうちに話をしておいたほうが良いかと。アランは私が監視しておきますので」
「そうさせてもらうよ、ありがとう」
アランのことはアリスに一旦任せ、僕は彼女の元へ歩く。
「えっと、一口に魔族と言っても、大きく分けて2つの派閥に分かれるの」
「人間で言う宗教みたいなものか」
「それが、敵対派、和解派とあって…」
「それは人間と、か?」
「そうよ。それで、私はその和解派なのよ。だけど、魔王様の幹部という立場も会ってこうやって人間側に攻撃を仕掛けているのよ。やりたくもない攻撃をさせられて、挙句の果てに命を落とすなんて…そう思った瞬間に、涙が出てきちゃって…」
「そういうことか」
確かに、上司の命令で命を落とすことになるなんて耐えられないだろう。
「僕としては元々殺す気はなかったんだけど…申し訳ないが、あなたを無条件に信用することはできない」
「それはそうよね…じゃあ、あなたの奴隷になるわ」
「奴隷に?」
この世界では奴隷という制度が存在していて、罪深い犯罪者や借金の返済のために売られた人間や亜人のことを言う。奴隷には主人と結びついた『奴隷紋』というものが刻まれ、主人のさじ加減で痛みを与えることができる。簡単に言えば、奴隷になるということは敵対の意思がないことを示しているのだ。
「ちなみに、どうしてそこまでしようとしてるんだ?」
「私、最後の仕事だと思って、前から気になっていたセピア君に関する任務を受けたの。魔力が殆どないくせして魔法を使いこなす少年がいるってね」
「魔族側にも噂が広まっているのか…」
「だから、セピア君の奴隷になれるなら本望ってことよ」
「アリス、今の話聞いてた?」
「ええバッチリ。正直まだ信用はできませんが、魔族側との情報網が持てると考えれば良い話ではないですか?」
「そうだね、うん…僕の奴隷になってよ」
「よろこんで!ちなみに、私はユーリ・アラモス。名の通り、魔王幹部序列10位」
「ユーリより強いのが九人もいるのか…」
ちょっと絶望だね。
「あら、いきなり名前呼び?もしかして脈があったり…」
「セピア様、今すぐこの女に激痛を」
「今はまだ僕の奴隷じゃないし、奴隷だとしてもそう安安と与えないよ…」
「チッ!」
「この女!今あからさまに舌打ちしたわ!」
なんか僕の思い描いていた展開とは違ったが、なんとか魔族側の協力者もとい奴隷をゲットだ!
お疲れさまです。
【悲報】この日曜日一切勉強できてない。




