成り上がりへの道、そして…
最後の方ちょっとシリアス展開です。お気をつけて。
「まさか、あの無能目当てだったとは…」
「そうだな…父さん、無能が王族を助けた件に関して心当たりは?」
「勿論ある。確か王族の馬車が盗賊に襲われてるところに遭遇して、恩を売るためにセピアに助けさせたんだ」
「そういえば、なんで剣の修業を?」
「元々あいつを次期当主にするつもりだったからな。他国に逃亡しても地位を築けるようにという配慮だ」
別に剣の修業がしたいわけじゃないが、あの出来損ないのほうが手厚い育てられ方をしていて腹が立つ。まあ、これに関しては長男と次男のどこにでもある差なのか?
「それでだな…セピアはもうじき処分しようと思っている。あいつは追放した後も私の邪魔をしてくる。はっきり言って目障りだ」
「それに関してだが…あいつは父さんが想定してる以上に強い。少なくとも俺だけじゃ厳しいかもしれない」
「なんでそんな事知ってるんだ?お前はセピアと戦ったことあったか?」
「え?そりゃ勿論…」
そうだ、俺はセピアに助けられたことを話していないんだった。父からしてみると、出来損ないの印象は追放したときのままだろう。
「それがな…どうやらなんとかして魔力不足を克服したという噂が立っている。今は普通に魔法が使えるようで、冒険者として活動してる。まあ勿論、俺より実績は薄いがな」
これは嘘。アランが死にかけているところをセピアが助けた時点でお察しだろうが、セピアのほうがよっぽど実績が多い。日々冒険者として活動しているだけでなく、アリスとの連携も相まって同ランクで勝てるパーティーなど居ないだろう。
「そうか…ならまずは、息のかかった仲間を探さないとな」
「どうするんだ?」
「ひとまず今のパーティーメンバーじゃだめだ。立場関係が同等もしくは上だから、思い通りに動いてくれないだろう?だからまず、冒険者としての実績を積み上げる。目標は…Aランクだ。その後、その地位と名誉を使ってお金目的でもいいから自由自在に動かせる駒を見つけるんだ」
「なるほど、ひとまず俺がやるべきは…」
高ランク依頼を片っ端からこなしていく!
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「クレハ、今日から忙しくなるぞ」
「どういうことですか?」
「俺は今、どうしてもやるべきことがあるんだ。そのためにも、ランクを上げて地位を築かなきゃいけないだ。そのためにも、依頼をこなすスピードを上げていくぞ!」
「は、はいっ!」
実はクレハはこの言葉を聞いて心底喜んだのである。アランが冒険者として活動する日、すなわちアランと会う日には、ほぼ確実に無理やり体を求められる。それが間違いなくストレスになっていたので、クレハとしては依頼攻略ペースが上がるすなわちその嫌いな時間を過ごさなくて住むということになる。本当にありがたい限りだ。
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それから1ヶ月ほど…アランたちは闇雲に依頼をこなしていった。見栄えがよく、完遂の暁には噂になる様は依頼は推奨ランクを無視して取り組んでいった。腐っても魔力量Aのユニークスキル持ち、攻略できないわけじゃない。そんなわけで…
「アランさん、おめでとうございます!まさか冒険者になって2ヶ月でCランクに上がられるとは!当ギルドで二人目ですよ!」
「それは嬉しいんだが…二人目ってどういことだ?俺以外にもこの快挙を成し遂げたやつがいるのか?」
残念ながらこの性格は変わっていない。
「はい、セピアさんという方で…なんとですね!Aランク依頼をDランクで完遂しちゃったんですよ!」
「そ、そうか…」
ふざけるなよ。またあの出来損ないか…あいつは、どれだけ俺を邪魔すれば気が済むんだ…!
「ま、まあいいや。とりあえず行こうか?」
「はい」
クレハとの関係も比較的良好だ。しばらくヤっていなかったし、今日久しぶりに宿屋に連れ込んでみようか。
「クレハ、今日いけるよな?」
「無理です」
「はぁ?何言ってるんだ、俺の命令だぞ!」
「ですから無理だと言っているんです。ここ最近時間の関係でアラン様に体を迫られなくなっていました」
「そうだろ?だから久しぶりにと…」
「そしたらどうでしょう!寝起きが素晴らしく良くなり、お肌の状態も良好。変に人に当たることもなくなり家族とも良好な関係を築けています。つまり…アラン様から無理矢理迫られることが、私に重大な影響を与えていたんです!」
「そ、そんなわけ…」
「ですから、私はもうこのパーティーから抜けます。普段の私の使い方も悪いですし…もう限界です」
「おいおい、俺はCランクだぞ?これからもっとランクが上がるんだぞ?そんな俺との関係だ、捨てるのは惜しいだろう?」
「いえ、一切です。それに、私セピアさんという方が非常に気になっています。私達より確実に強いでしょう。パーティーに入れてもらえるかはわかりませんが…セピアさんに会いに行ってみようよ思いま…」
「セピア…あの無能の話だけはするなあぁ!!『炎の雨』!!」
「ひゃ…!」
「俺に…逆らうから…こんなことになるんだ…」
お疲れさまです。
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