披露パーティー
第二のお嬢様キャラが出てきます。
「アラン、今日はイルージュ内の貴族を集めたパーティーが開催される。しっかりとお前の印象を貴族社会に植え付ける。ちゃんと準備しておけ」
「分かった」
ついにこの日が来た。前回依頼を受けたときは仲間が悪かったせいでうまく行かなかったが、今日ようやくフリューゲル家次期当主『アラン・フリューゲル』の名が貴族社会に知れ渡るのだ。ククク…こんなにも心躍る日は久しぶりだな。
「おい、俺の服を用意しろ。…おい!聞いているのか?」
「アラン様、これま側付だった使用人は朝から姿が見えず…代わりに、私にお申し付けください」
「そうか…体だけは良かったから残念だな。まあいいか、あいつも大した家の出身じゃなかったし」
とは言っても8等貴族の次女なので、貴族であることに変わりはないんだが…アランが気付くはずもない。
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「これはこれはフリューゲル様、息子さんですか?」
「はい、当家の次期当主にと考えております」
「ふむ、彼が噂のユニークスキル持ちですか?」
「まさか知っていただけていたとは、光栄です」
父が目上の貴族に丁寧に挨拶している。屋敷にいる時からは想像もつかないような態度の変わりようだが、彼もこの貴族社会を生き抜いてきた男。これぐらいのずる賢さは必要なのかもしれない。
「初めまして。1等貴族アイズ家当主、グラディール・アイズだ。以後お見知り置きを」
「どうも、アラン・フリューゲルです。私を知っていただけて、嬉しい限りです」
「フリューゲル様、良い息子さんを持ちましたな」
「ええ、当家の次期当主に相応しいかと」
今のところ好印象だ。それに、1等貴族当主に顔が売れたのはとても嬉しい。今後何か問題を起こした際に、揉み消してもらえたりするからな。
「あれ?なぜ次男のあなたが来ているんですの?」
「えっと、どちら様ですか?」
なんか金髪でめっちゃ派手なドレスを纏った女が来た。見た目的に同年代だろうから、恐らくどこかの次期当主なのだろう。
「私はセシル・デレミス。2等貴族デレミス家の次期当主ですわ。それで、セピア・フリューゲル様を知りませんの?」
「えっと、私の元兄です。ただ、魔力量の少なさによって追放され、現在は私が次期当主を努めております」
「なんですって⁉︎」
とても大きな声で叫ばれたお陰で、周囲の貴族たちが一斉にこちらを向いた。
「性格も容姿も良く、知識に富んだセピア様を追放ですって⁉︎」
「セピア様?」
「そういえば居ましたね、好青年が」
「ああ居真したね。確か幼少期から優秀だったとか」
周囲がセピアの話をし始めた。非常に不快だ。次期当主は俺であって、セピアじゃない。
「皆さん。説明不足で申し訳ございません。長男のセピアは著しい魔力不足によって追放ということになりました。これより、次男のアランを長男、次期当主とさせていただきます」
「追放されたのか…」
「見た目だけか」
正式に追放の言葉が出て、大半の貴族が納得する。気分がいい。
「嘘ですわ。セピア様は、セピア様は…」
あの頭のおかしい女はずっとセピアがどうのこうの言っている。気づかなかったが、意外に可愛いじゃないか。
「よろしければ、私とお話しでも…」
「絶対嫌ですわ」
「なっ…」
頭のおかしい女は、正常な判断などできるはずもない。そう思うことにした。
ざまぁ




