全面戦争 vol7
僕もそろそろ逆お気に入りとかされてみたいです。
誰かしろください。
「フッ!」
「セピア様!」
アリスの叫び声とともに、クーリツが突っ込んでくる。アブナ、今完全に死んでたじゃん。
「戦闘中によそ見とは随分と余裕じゃん」
「…残念ながら、今まさに死にかけたんだよな」
「これに懲りたら、よそ見なんてしないこと!私も、不意打ちで倒しちゃうとか味気ないし」
「…もう、勝つ気でいるのな!」
なんの工夫もない、ただの斬撃。ただ、魔法を使おうとすると確実に察してくる。どこぞの鈍感主人公とは違って、こちらの攻撃を未然に防いでくる。
「ねえ、早くその魔法見せてよ。剣術だけじゃつまらないし」
「あいにく、魔王を放つタイミングがないんだよ!」
「あー、それもそっか!」
完全に相手のペース。この状況を崩さなければ、こちらがいずれ押し負ける。ここは…
「セェア!」
「おっと危ない。もう、不意打ちなんてひどいじゃないか」
「…今のが外れましたか」
アイコンタクトでアリスに攻撃させたのにも関わらず、淡々と回避してきやがった。
「ねえ、人間側だと格闘術ってまだ存在するの?」
「どういういことだ?」
「いや、私達側だと格闘術なんてとうの昔に廃れてるからね。結局、剣なり魔法なりを使った方が強いという結論に達すると思うんだけど…」
「そんなこと、僕らに教えて大丈夫なのか?」
「だいじょうぶだいじょうぶ。そこのお姉さんは変える気なさそうだし」
「セピアさんには申し訳ないですけど、故郷の流派なので…これだけは、できれば変えたくありません」
「別に変えろなんて言わないから大丈夫だよ。アリスがやりたいようにやればいいと思う」
「ありがとうございます、セピア様!」
「ねー、二人の世界に入らないでくれない?すごい疎外感なんですけどー」
「この状況で仕掛けてこないことは感謝するよ」
「だから、私は君と心躍る対戦がしたんだよ。こんなので勝ってもうれしくないって」
「そうか。なら…『氷の大地』!」
悪いが、僕はなんとしても勝たなければいけないだ!卑怯でもなんでも言うがいい!
「残念だけど、単純な魔法は私には効かなっ!!」
なんか知らないけど、普通に受けてくれた。そうと決まれば…
「アリス!タコ殴りだー!」
「了解です!思う存分いたぶって差し上げましょう!ハァア!」
「『不死鳥の弓』!」
「ちょっと!ホント勘弁して!不意打ちとはこの卑怯!クズ!鬼畜ー!」
「なんとでも言うがいい!」
「…セピア様がそんな風に言われることは心外ですね…これは少しお仕置きが必要かも?」
この瞬間が、僕らが人生で一番生き生きした瞬間だと個人的には思うね。
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私は今、裏で手を回しているであろうリゼを止めに向かっている。
セピア君にはあんなこと言っちゃったけど…ハッキリ言って、殺すまではいかずとも無力化できるかは相当怪しい。幹部の序列が単純な戦闘力で決まってるわけじゃないのは事実なんだけど、じゃあなぜ戦闘力で劣るリゼが5位なのか。それは…
「久しぶりね、ユーリ」
「私としては、二度と会いたくなかったんだけどね」
「ふーん、でも弱みを握られた愛するご主人様のために命を張って止めに来た、と?」
「別に、セピア君はそんなんじゃ…!」
「私としては別にどっちでもいいんだけど…悲しむと思うなぁ、奴隷が契約強制解除という形で帰ってきたら」
「くっ…」
そう、この女、人の心の扱いに長けているのだ。その判断力と思考力を生かして、今回の戦争の指揮官をやっているというわけだ。この時点で、私はリゼに対して若干の心理的にディスアドバンテージを背負わざるを得なくなってしまっている。
「ユーリと真正面からぶつかると負けるから、私もそれ相応の手を打たせてもらう」
「な!?」
目の前に出てきたのは…
ユーリの、実の両親だった。
お疲れ様です。
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