豪州攻略(2/7):ダーウィン爆撃
正史でもダーウィン爆撃は行われ、242機の日本機に攻撃され、海軍基地としての機能を喪失しています。牧師が監視員だったのも本当です。マクグラス神父は実在の人物ですがストーリーはフィクションです。AWACSは英国が開発、米軍が継承、日本が魔改造しました。
1942年02月19日。
北豪州ダーウィンへの最初の空爆が始まった。
これが豪州空襲の始まりであった。
しかし市民はのんきなものだった。
市民A「ジャップ?極東の猿に何が出来る?」
市民B「5400km彼方のちっぽけな島国だぜ?」
市民C「ダイジョウブシンパイハイラナイヨ」
ところが空襲は本格的で正確で被害は甚大だった。
甘く見て逃げ遅れた市民が多数犠牲になった。
これはわざと兵舎などを街中に置いた事が原因だった。
民間人の殺戮は人道に反し戦争犯罪に問われる事がある。
つまり無差別爆撃による軍事施設の攻撃は出来ないのだ。
巻き込まれた民間人は虐殺/殺戮の犠牲者となる。
豪州兵A「攻撃したら戦争犯罪人だぞ!」
豪州兵B「ざまあみやがれクソジャップ」
豪州兵C「やれるモンならやってみな!」
だが日本軍は有眼兵器による精密爆撃で兵舎を粉砕した。
類焼による焼死者は故意による殺戮の犠牲者とは解釈しない。
1942年03月03日。
西豪州ブルーム空爆が開始された。
セイロン、ジャワ、ビルマ、シンガポールとの流通拠点だ。
またジャワとオーストラリアの航空ルートに位置する。
港湾施設/飛行場が狙われ、艦船/駐機の航空機が狙われた。
ここでも港湾施設の中に軍事施設が混じっていた。
有眼兵器で兵器や砲弾の集積倉庫を精密爆撃する。
類焼による焼死者は故意による殺戮の犠牲者とは解釈しない。
1942年07月25日
東豪州タウンズビル空爆開始。
ここは米国陸軍航空隊の主要航空基地があった。
飛行基地は勿論、個人の飛行場も狙われた。
米軍は私設飛行場に戦闘機を分散配置していたからだ。
そのため滑走路がある場所を破壊していった。
他にもホーンアイランド、ダービー、キャサリン、ウインダム等々。
内陸ではクーマリークリーク(Coomalie Creek)にまで及んだ。
米国支援物資が届く飛行場と港湾施設は全て標的となった。
市街地にある兵舎も例外ではなかった。
こうしてオーストラリア政府は恐怖におののくようになった。
いつ日本軍が上陸してくるのだろうか?
海岸線には巨大な海岸砲が設置された。
沿岸監視員が設定され、牧師まで駆り出された。
布教のため離島にいる活動伝道師には無線機が供与された。
牧師に難解な軍事用語の暗号打電は不可能である。
そのためたった一言しか打てない無線機が渡された。
打てるのは一言「ニッポングンキタル」である。
そして、とうとう第二次ダーウィン空襲の日が来た。
その日もバサースト島の教会の上を通過する。
バサースト島にはマクグラス神父が布教活動を行ってきた。
今日もバードウォッチングと称して対空監視を怠らない。
その日は凄まじい数の航空機が頭上を通過した。
神父には機種はよくわからないが国籍マークはよく見えた。
マクグラス「赤い日の丸は日本軍の国籍マークに間違いない」
「Oh My God、ついに本格的に進攻が始まってしまった!」
マクグラスは無線機に飛びつき定型文を打診した。
<The enemy has come…The enemy has come…>
日本軍の早期警戒管制機がただちにこの暗号文を受信した。
英国はAir Controlled Interceptionをすでに開発していた。
Vickers Wellington爆撃機にアンテナアレイを取り付け回転させた。
これはV-1航空爆弾探査のために作られたモノだ。
米国もすでにTBMアベンジャー雷撃機を改造し実地している。
日本もギリギリの所で早期警戒に間に合ったのだ。
機上の高速電算機がただちに暗号文を平常文に復号した。
場所はバサースト島、Sacred Hearts Mission Catholic Churchだ。
かつて1942年02月19日にもやはり怪電波の発信があった場所だ。
第一次攻撃の際にマークしておいたのだ。
解析班A「やはりここか……」
解析班B「教会とは考えたモノだ」
解析班「軍事施設ではない宗教施設だからな」
民間施設であり、積極的爆撃は出来ない。
おそらく牧師が沿岸監視員の役を担っているのだ。
牧師では「捕縛」する事も「尋問」する事も出来ない。
そんな事をすれば、現地の印象は最悪だ。
豪州占領を考えるならば、地元の印象も考える必要があった。
なんとか殺傷なしに活動家の信念をくじけないだろうか。
色々考えた末、模擬弾を一発お見舞いする事にした。
模擬弾は教会の鐘楼をぶち抜き、鐘は地面に落下した。
マクグラス神父は当地の沿岸監視員であった。
彼が模擬弾に恐る恐る近づくと、なにか日本語で書いてある。
マクグラスはあわててカタカナ対訳表を持ち出してきた。
あらゆる情報を軍部に伝えるよう言いつかっていた。
それはこのように書いてあった。
「オマエノヒミツヲシッテイル」
RAAF(王立豪州空軍)司令部は神父からの暗号電をキャッチ。
ただちにダーウィン市内に空襲警報を発令した。
最初の空襲警報を甘く見て壊滅的打撃を受けた市民たち。
今回はあっという間に避難用のバンに飛び乗って避難した。
20分後に日本軍爆撃隊が上空に到着した時、市内はもぬけの殻だった。
あらかじめ決められた近郊の高台に老若男女が避難していた。
彼らは爆撃され、吹き飛ばされる市街を見ている事しか出来ない。
市街地に設置されていた兵舎への爆撃のあおりを喰らったのだ。
石油貯蔵施設、偽装された武器庫、民間飛行場も甚大な被害だった。
日本の間諜によれば、豪州民間飛行場には戦闘機が隠されていた。
港に停泊中の船舶は、そのすべてが被害を受けた。
駆逐艦から掃海艇、商船、貨物船に至るまで撃沈された。
鉄道操車場は定期的に爆撃を受け、見る影も無く破壊された。
その翌日も空爆の為の航空機はやって来た。
マクグラス神父からの緊急電はもう来なかった。
迎撃に出るはずの戦闘機は地上でバラバラになっていた。
豪州兵A「戦闘機は?対空砲はどうしたんだ?」
豪州兵B「昨夜の爆撃でほとんどがやられた!」
豪州兵C「もうダメだ!豪州はオシマイだよ!」
それから来る日も来る日も間断無く攻撃は続いた。
もう何十回ダーウィンは爆撃を受けただろうか。
ダーウィンの兵士は弾薬補給物資の心配をし出した。
ダーウィンの住民は食糧補給物資の心配をし出した。
日本の20倍の国土に首都キャンベラから4000余km離れた僻地だ。
やがてダーウィンへの補給も物資もやがて滞りがちになってきた。
日本機の空爆は夜間に集中していた。
とうとう守勢の高射砲の弾幕がまばらになってきた。
補給がないので、弾薬を節約しているのだ。
いよいよ豪州本土侵攻作戦の日は迫ってきた。
オーストラリアの対岸のパブアニューギニア。
そのポートモレスビーに部隊と物資が集結し始めた。
先陣は海上機動旅団の第2旅団(北豪担当)が展開する。
これは日本版海兵隊で所属組織は陸軍である。
揚陸艦母艦4隻(大発160隻又は戦車揚陸艦8隻)を擁する。
1隻の戦車揚陸艦は14輛の中戦車を積載できる(合計112輛)。
決して盛り過ぎな数字ではない。
米国は豪州に1700輛のM3中戦車を貸与決定している。
北豪にはその内の300輛が配備されていた。
米国の物量作戦は斯様に凄まじいのだ。
ダーウィンが上陸地点だろう事は空襲の激化から察しが付いた。
その為、海岸砲などを設置していたが、真っ先に破壊された。
豪州第七軍事地区指揮官はデイビット・ブレイクだ。
ダーウィンに本拠を置く彼の取った作戦は戦術後退だ。
ブレイク「日本には釣り野伏という戦法があるそうな」
「我々も戦国武将島津家久に肖ろうじゃあないか」
あえて市街戦を避け、荒れ地の奥地で待ち伏せ攻撃だ。
豪州軍は北アフリカ戦線で独軍と戦った砂漠での戦闘経験がある。
砂漠地帯の戦闘の要、それは補給と戦線の維持/移動への対応だ。
サハラでは交易路を利用し、すばやく進撃した者が勝利を得た。
そのための機甲戦力と機械化部隊だ。
歩兵は徒歩移動に体力を消耗し、役に立たない。
そしてこの何も遮蔽物のない平坦な荒れ地だ。
鉄鉱石を含む大地は固くて塹壕が掘れない。
アフリカ戦線ガザラで使ったボックス陣地戦法はとれない。
機械化部隊の高機動攻撃が要であり、地雷敷設も邪魔になる。
戦車対戦車、まさに陸の大艦巨砲主義だ。
ブレイク「相手にとって不足はない」
300輛のM3中戦車がゆっくりと展開し始めた。
ブレイク「九十七式中戦車チハなんぞ一撃で粉砕だ」
だが戦車揚陸艦から下りてきたのは試製チト2号車だった。
ブレイク「な、なんだありゃあ」
75mm砲、電気溶接車体、避弾経始のきつい形状は新型だ。
その新型がゾロゾロ戦車揚陸艦から上陸してきた。
1隻の戦車揚陸艦は14輛の中戦車を積載できる。
すでに海岸線には何隻もの揚陸艦が次々と到着している。
ベステイズ・ビーチに2隻、ダーウィン軍事港に4隻……。
ブレイク「ダーウィン港には要塞があったろう」
「自慢の海岸砲はどうしたんだ?」
日米戦車対決は112vs300という対決になります。次回は豪州攻略(3/7):ダーウィン上陸です




