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(本編完結)また第二次世界大戦かよ  作者: 登録情報はありません
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ミッドウェー(3/7):邂逅と発進

ミッドウェー島攻略作戦を中止した為、一木支隊を含む上陸部隊は引き返しミ島攻撃はありませんでした。友永丈市の「第二次攻撃ノ要アリト認ム」の暗号もないです。しかし大型爆撃機の飛来はミ島からのものだったため、友永は源田に直訴するのです「やはりミ島を叩きましょう」。

南雲長官「ミッドウェー島攻略作戦を中止する」

「目標を敵空母攻撃に変更、これを殲滅する」


6月5日午前1時。

蒼龍の電子ポッド搭載のジェット(景雲改)偵察機が発進する。

1942年代では机上の空論だったジェット機。


これはユンカース・ユモ004Bのデッドコピーである。

日本ではネ式エンジンと呼ばれている。


1940年03月完成、05月推力600kgfに達した。

12月推力1000kgfで10時間の連続運転に成功。


1941年4月に試作1号機が飛行、エンジンが火を噴き墜落。

原因はタービンブレードの毀損が原因だった。


そこでタービンブレードを中空に鋳造して穿孔加工を施した。

ここに冷却用エアを導いてタービンブレードを冷却した。


これでタービンブレードは正常になり、中空にする事で軽量化した。

問題は次々と解決され、1942年03月実機初飛行に成功。


こうして実践配置にこぎ着けたのだ。

しばらくして第二索敵の彗星改が発進。


レシプロ機ゆえ航続距離が長いので遠出の偵察が可能だ。

こちらも電子ポッドを搭載していた。


随行の巡洋艦からも対潜哨戒機が発進した。

水上機の索敵機も総出で偵察に当たった。


ジェット機(景雲改)、彗星改、水上機の3段構えの哨戒だ。

徹底的に洋上を探索して、敵空母を発見する。


当初「本日、敵出撃ノ算ナシ」だったのが180度転換である。

機動部隊の全哨戒機を、敵空母3隻発見に傾ける決意を固めた。


日米どちらが先に敵空母を発見するのか?

その時蒼龍の対空用電探に反応が現れた。


「対空用電探、米軍機発見、右8度、距離30キロ」

監視員が一斉に双眼鏡で確認する。


しかし見えない、距離が遠すぎるのだ。

ただちに直掩機が邀撃(ようげき)に向かった。


ゼロ戦隊はPBY飛行艇を発見、追撃に入った。

飛行艇は雲間を利用し逃げようとしていた。


米軍機は巧みに雲海に隠れたが、レーダーは把握していた。

早期警戒機からのデーター通りに日本機は機銃掃射。


座標通りに雲海に機銃掃射を喰らわした。

突然火の玉が雲海で炸裂した。


火を噴く敵機は墜落の途中で爆散した。


日野正人一飛曹「どうも気味が悪いな」

手答えがない、仕留めたという実感が無いのだ。


「対空用電探、敵機発見、左45度、距離32キロ」

これも同じように撃墜する。


敵は墜落の際にSOSを発進している。

この電信は彼我ともに受信していた。


これでは敵に「ここにいます」とバラしたようなものだ。


敵は白地図上で撃墜された機をプロットするだろう。

その×印の中心が我々なのだ。


それは正しかった。

米軍は×印の中心に日本機動艦隊がいると推測した。


ミッドウェー島には空の要塞B-17が15機駐機している。

ただちに×印の中心に向かって攻撃隊が進撃した。


6時間後。

まずTBF雷撃機6機とB-26マローダー4機が南雲空母艦隊を発見した。


「対空用電探、敵機発見、左30度、距離30キロ」

南雲側も、レーダーが敵速を探知する。


それは急速に日本空母に近づきつつあった。

「射撃管制レーダー、対空砲連動開始!」


直掩機10機がこの敵機に襲いかかった。

TBF雷撃機は投下体制に入っている。


そこに日本機が機銃を浴びせ、次々に墜落した。

敵はあわてて魚雷を発射したが、それは軽巡長良に向かってしまった。


もちろん流れ魚雷は軽くかわされてしまった。

唯一残った米軍機は穴だらけのズタボロとなって遁走した。


一方、別方向から突撃したB-26にも同じ運命が待ち構えていた。

日本機が追いすがっていて、艦砲は「味方撃ち」を恐れ撃てない。


その時スッと日本機が上昇した。

レーダー管制射撃始め!」


12.7センチ高角砲が一斉に火を噴くと敵機は粉微塵に吹き飛んだ。

射撃管制システムとは電探に基づき火器を統制するシステムだ。


かつては各砲座が各個に判断して目標を射撃していた。

それを今回は左舷なら左舷、右舷なら右舷、全砲座が連動して動く。


未来位置を算定し、火器軸線(射線)を設定し、集中砲火を浴びせる。

目標は常に十字砲火の真っ只中にいる(追随射撃)ようなものだ。


砲台長はお株を取られて不機嫌だったが、余りの戦果に唖然とした。

B-26は火を噴き、粉々になり、爆散した。


高角砲員A「お、おい・・・・・・粉々だぞ」

高角砲員B「弾幕とかいらねーのかよ」

高角砲員C「こんなの見た事ねえ」


次は息つく暇も無く、B-17の15機編隊が現れた。

「射撃統制レーダー、敵機発見、高度7000,距離5000」


普通は高度が高すぎて命中率は低い。

「レーダー管制射撃始め!」


12.7センチ高角砲が一斉に火を噴く。

B-17一機が白煙を噴くのが見えた。


1機は離脱してミッドウェーの向かったようだ。

見るとエンジンが片方止まっている。


残り14機となった米軍機は3機づつ5編隊に分かれた。

その内9機が飛龍に襲いかかった。


飛龍には射撃統制レーダーがない。

「取り舵一杯!」


襲いかかる500ポンド爆弾はすべて外れた。

命中弾なし。


この後もさらに飛龍に1回、赤城に1回爆撃があった。

命中弾なし。


友永丈市大尉はこれを航空指揮所から注視していた。

彼は中止となったミッドウェー島空襲の総指揮官だ。


彼はこれら大型空爆はミッドウェー島からのものだと分かった。

再度空爆をさせないためにもミッドウェー島を叩く必要がある。


友永大尉は源田参謀に直訴して言った。

「魚雷を地上爆弾に換装してミ島を叩きましょう!」


赤城の格納庫には既に魚雷を抱いた艦攻が待機していた。

魚雷投下試験も行われ、あとは出撃を待つばかりだ。


源田「いやだめだ、ミ島攻略作戦は中止だ」

友永「大型爆撃機の襲来はまたあります」


源田「空母からの艦載機のほうが危険度は高い」

「換装する時間がいくら掛かると思ってるんだ」


爆弾を換装したら、魚雷を下の階の魚雷庫に戻さねばならない。

爆弾と魚雷は重量も吊下架も違い、作業時間も掛かる。


蒼龍も飛龍も加賀も雷装機をすべて格納庫に降ろす事になる。

源田と友永が言い争っている内に利根4号機から電信が入った。


「敵ラシキモノ、10隻見ユ」

距離は370キロ、レーダー探知外だ。


巡洋艦利根の偵察水上機は電子装備がなかった。

「タ、タ、タ、トネ四」は「大艦隊見ゆ:自己符号」だ。


目視による確認では雲が邪魔だ。

だがどうにもおかしくなってきた。


利根4号機は「タ、タ、タ、トネ四」を繰り返している。

そこは重巡筑摩を発艦した索敵1号機が1時間前に通過していた。


なら筑摩1号機はなぜそのような大艦隊を見落としたのか?

水偵の目視による偵察にはやはり限界があった。


源田参謀「空母がいるのかいないのか」

「友永、話は後だ、雷撃兵装のまま発進準備せよ」


この頃、利根4号機は目視でエンタープライズを発見していた。

同時にエンタープライズもレーダーで日本機を発見していた。


それは米空母の有視界測距儀でも直ちに確認された。

ミュレー艦長「直掩機に連絡、撃墜せよ」


ミュレー「日本は正規空母4隻、後詰めに護衛空母(不明)という」

「我々は3隻の正規空母しか出撃していない」


「もはや勝てないかもしれんが全力を尽くす」

「ミッドウェーが陥ちればハワイもおしまいだ」


午前05時前、利根4号機の続信を待つ間に、空母は空爆に晒された。

ミッドウェーに戻ったB-17がSBD爆撃機を連れて再度戻ってきたのだ。


友永「それ見たことか、これを恐れていたんだ」

空母は右に左に必死の大回頭で逃げ切った。


この米軍機の猛爆にも、命中弾は一発もない。

だが爆弾や魚雷を回避している間は発艦も着艦も不可能だ。


やがてB-17もSBD爆撃機も魚雷・爆弾ともカラッポになった。

友永は直掩機で上がり、思うまま敵機に銃撃を浴びせた。


ここで蒼龍に戻ってきたジェット偵察機を再度偵察に出した。

利根4号機のいる海域まで370キロ、ジェットなら20分だ。


午前05時30分ジェット偵察機が詳細を報告してきた。

「空母2隻ヲ認ム、後方ニ更ニ1隻ヲ認ム」


利根4号機は100キロ位置を間違って報告していた。

<実際は重巡利根の航海士の「天測」ミス>


慣性航法装置(INS)は水偵には未装備であった。

だがジェット偵察機には航空用レーダーがある。


利根4号機の報告を鵜呑みにせず、単独で偵察を行った。

電子ポッドのパルス・ドップラーレーダーはルックダウン能力がある。


高度7000mからなら水平線は300km彼方まで見通せる。

ジェット偵察機は確実に敵空母に近づいていた。


エンタープライズのレーダー室は大騒ぎである。

「正体不明の超高速機、近づく」


有視界の測距儀の観測員も仰天した。

「速すぎる!飛行速度が違いすぎる」


「なんだあれ、プロペラがないじゃないか!」

「双眼鏡では追えない!振り切られるぞ」


報告を聞いたミュラー艦長は直ちに察した。

「それはジェット機だ、だがジャップがどうして?」


米国でもYF2L-1が1939年にジェット機としてデビューしている。

まだ性能が低く、レシプロ機より遅かったので、研究中であった。


レーダー室はさらに驚愕していた。

「逆探装置がレーダー波を探知したのですが……」


これは航空機用レーダーが実用化した事を意味した。

ミュラー艦長「……ウソだろ?」


航空機のレーダーが海上を探査すると海面錯乱がある。

船舶と海面の反射が同じで陰影が掴めないのだ。


それを見分けるのには周波数偏移(ドップラーシフト)という現象を利用する。

救急車のサイレンが近づくと高く響き、遠ざかると低くなるアレである。


海面は静止物体、艦船は移動物体として識別出来る。

米軍ではまだ小型化が出来ず、航空機には載せられない。


いまだにバカでかくて艦船にしか搭載できなかった。


だが沈着冷静な彼はすぐ決断した。

「日本軍は機上レーダーを使っている」


「敵艦も艦載レーダーを使っているだろう」

「超低空飛行からポップアップして攻撃せよ」


この情報は直ちに米全軍に伝達された。

そのため米軍機は低空飛行侵入でレーダーを避けた。


午前07時55分。


日本空母では次々と雷装した艦攻機が発進していく。

カタパルトがないのでその発進は遅々として進まない。


「急げ!急げ!」

エレベーターで飛行甲板に出たらすぐエンジン試運転で発進させた。


この時米軍機は既に身近に迫っていた。

レーダーは低空侵入を捉えてはいない。


突然蒼龍のレーダーが機影を捉えた。

「対空用電探、敵機発見、距離至近!」


ポップアップしてダイブに入る直前を捉えたのだ。

もう間に合わない!

レーダーやジェット機や様々な新兵器を繰り出しても状況は覆りませんでした。空母は次々と米軍機の攻撃を受ける事になります。次回はミッドウェー(4/7):空母加賀炎上です

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