表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(本編完結)また第二次世界大戦かよ  作者: 登録情報はありません
79/131

葉山御用邸砲撃

ドーリットル空襲は陸軍の奇襲攻撃だった。それに対して海軍は空母を貸しただけで何の槍先の功名も上げてはいない。それに焦った太平洋艦隊潜水部隊司令官イングリッシュ少将はまた素っ頓狂な命令を下す。それが葉山御用邸砲撃であった。

1942年06月25日。

米国潜水艦ノーチラス号は葉山御用邸を砲撃のため駿河湾にいた。


太平洋艦隊潜水部隊司令官イングリッシュ少将の命令である。

イングリッシュ「天皇の別邸を破壊して名を上げてやる!」


米陸軍のドーリットル空襲の向こうを張った無茶な命令だった。

だがドーリットル空襲もムチャクチャではあったが成功した。


イングリッシュ「陸軍がやるなら海軍もやる」

「陸軍に手柄を独り占めはさせん」


「日本軍は対空は警戒しているだろう」

「だが潜水艦が砲撃するとは考えまい」


実際に潜水艦ノーチラスが行ってみるとスゴイ警戒網だ。

駿河湾には掃海艇、敷設艦そして駆逐艦が遊弋していた。


ノーチラス艦長ブロックマン「侵入さえ不可能だ」

だが夜陰に乗じて潜航すればどうにかなりそうだ。


葉山一色海岸にゆっくりと近づく。

景勝地「小磯の鼻」が見えてきた。


駿河湾の葉山にある長者ケ崎。

ここは海底丘になっていて比較的浅い。


水深100mほどが約6km続いている。

だがその先は水深1000mに急に落ち込んでいる。


相模トラフに続く葉山海底谷だ。

ここに潜水すればもうどんな装置も探知不可能だ。


ナーワル級潜水艦ノーチラスの潜行深度は90m。

耐圧深度は極秘だが、もう少しあったのだ。


1942年06月26日午前2時。

ノーチラス号は潜望鏡深度からゆっくりと浮上した。


葉山の峰山山頂には葉山御用邸防衛の防空砲台があった。

おそらく洋上レーダーには光点が浮かんだ事だろう。


横須賀海軍鎮守府隷下、ただちに夜間攻撃機が駆けつけるだろう。

準備に10分、発進に5分、飛行距離15分、探査邀撃に5分。


撃ってから逃げるまでたった35分しかなかった。

ブロックマン艦長「撃ったらすぐ逃げるぞ」


葉山一色海岸には沖堤防があり立ち入り禁止である。

その「立入禁止」の入と禁の間に照準を定める。


今は午前2時で御用邸の位置は全く分からない。

昼間のウチに潜望鏡で照準の見当を付けておいたのだ。


53口径6インチ砲2基が忙しく発射準備を行う。

ブロックマン艦長「発射!」


ドッカアア~ン!

凄まじい轟音とともに砲弾は撃ち出された。


松林の向こうに着弾し、御用邸は炎上し始めた。

ドッカアア~ン!ドッカアア~ン!


砲2門による「つるべ撃ち」が始まった。

その時である。


探照灯を照らした掃海艇が近づいて来た。

砲撃開始5分後でもう見つかってしまった!


ブロックマン艦長「砲撃中止!急速潜航!」

掃海艇には12cm砲2門があり、命中すれば海の藻屑だ。


ドーンッ!ドーンッ!

潜航を開始した潜水艦に掃海艇が砲撃を開始した。


米潜水艦は相模トラフに続く葉山海底谷に潜航していった。

深度90mで水平を保つ。


ブロックマン「確実に手応えはあった」

「葉山御用邸は完全に破壊したぞ」


すぐにイングリッシュ少将に無電で報告した。

イングリッシュ「よくやった、すぐ報道する」


だがこの結果はどんでもない事態を引き起こす。

翌日の日本の新聞の第一面には大見出しで次の記事が踊っていた。


「皇太子明仁親王様ご逝去」


ルーズベルト「バッカモ~ン!」

「日本皇室の皇太子を死なせろと誰が命令したか!」


「戦争とは外交の最後の手段なんだぞ」

「なんて事をしてくれたんだ!オロカモノメ」


明仁皇太子はまだ8歳であった。

日本はもう絶対に降伏しない。


ルーズベルト「なんて、なんて事をしてくれたんだ……」

「戦争ではなく殺し合いが始まるぞ」


日本の内閣/大本営は沈黙を守っていた。

それがルーズベルトには不気味だった。


実はコレは米国を欺く為のウソの報道である。

皇太子明仁親王は栃木県日光市の田母澤御用邸に疎開していた。


今上天皇の「神器を奉じて帝都を動かず」の意志は固かった。

しかし元はと言えば御所は京都にあった。


すでに京都から東京に一度動いているのだった。

報じて動かずは単なるプライドの問題だった。


側近木戸幸一の度重なる説得もあり、今上天皇は疎開を決意。

今は今上天皇は松代にある地下大本営に疎開していた。


ドーリットル空襲があってから用心に用心を重ねてのことだ。

この事は極秘で、報道は敵の目を欺くウソだったのだ。


新聞には続きがあったが米軍諜報部はウラの意味がわからなかった。


本日の譬喩品「有相方便(うそうほうべん):upaya」

<今日の記事はウソも方便です>


その後に「稲むらの火」の説話があり記事がウソだと分かる。

だが米軍の日系二世といえども説話を知らなければ単なる奇譚だった。


戦後になるまでずーっとルーズベルト米大統領は騙されていた。

だがそれでいいのだ。

正史でも実際に命令が下されました。しかしブロックマン艦長は命令を受領しましたが実行していません。松代の地下大本営も未完成でした。今上天皇も動きませんでした。次回は帯域精製法(1/2)です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ