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(本編完結)また第二次世界大戦かよ  作者: 登録情報はありません
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真珠湾(2/4)

真珠湾攻撃の艦戦(金星零戦)、艦爆(九十九式)、艦攻(九十七式)で正史と同じ構成です。違うのはチタン防弾鋼板とアクリル防弾キャノピーです。

すぐにフォード陸軍基地に第一報が伝えられた。

「午前7時、ハワイ北西、400機近い大編隊」


司令官のパトリック・ベリンジャー少将はニヤリとした。

ベリンジャー「遂に来た!」


彼は時計を見た。

午前07時15分だ。


すでにワシントンのハル国務大臣から緊急電を07時10分に受けていた。

この緊急電は真珠湾ほか数カ所に「開戦」として打電された。



ハル「ハワイ時間07時を以て日本は米国に対して宣戦布告を通知した」

ハル「ハワイ、ウェーキ、ミッドウェーどこが攻撃されるかはわからない」


ベリンジャー「ここに決まっている、太平洋艦隊司令部だぞ」

「ただちに全戦闘機を上空に上げろ!上空で待ち伏せだ!」


すでに予兆は12月04日から始まっていた。

12月04日NHKは「東の風、雨」の符丁を偽の天気予報で流した。


これは「日米関係、危機、暗号書類焼却」の符丁である。

米暗号解読員「これは戦争準備命令だ」


ワシントンの日本大使館では中庭で焚き火をしているのが確認された。

時の大統領ルーズベルトは奇襲があるかも知れないと考えていた。


ルーズベルト「もし私が日本人ならダッチハーバーから始める」

「だがハワイ島の太平洋艦隊基地かもしれない」


12月04日米海軍首脳部はハワイの空母を湾外に逃がすよう指令。

真珠湾では、直ちに空母を演習と称して湾外に逃がしていた。


乗組員「対潜戦を想定した魚雷回避運動の演習だそうだ」

乗組員「之字運動による対潜警戒運動もやるそうだ」

乗組員「対潜警戒運動中じゃパイロットはいらんからな」


艦載機は各飛行場に降ろし、戦闘配置に就いていた。

万が一空母が撃沈されても、熟練パイロットは温存出来る。



これでハワイ島という不沈空母を根城(ねじろ)にした待ち伏せが可能になる。


「いつ来るか」


米国は手ぐすね引いて、その時を待っていたのだ。

しかし寄りによって日曜日の朝07時である。


いやそれでこそ戦争なのだ。

何も知らない日本海軍艦載機はハワイに迫っていた。


淵田中佐「急にハワイで通信が煩雑になった?」

ハワイの通信を聞いていた淵田中佐は気になった。


淵田中佐「この10-70を繰り返している隠語は何だ?」

水木兵曹「モールスコード10-70は火災発生です」


淵田中佐「火事か、どうりで騒がしいはずだ」

「だがこれからもっと恐ろしい大火事になるぞ」


だがこれこそ火事(戦闘)の隠語通信だったのだ。

10-70(Fire Alarm)、10-70(Fire Alarm)……。


07時40分、第一次攻撃隊がオアフ島北端のカフク(Kahuku)岬に至った。

淵田中佐率いる艦戦43機、艦爆51機、艦攻89機の大編隊だ。


淵田中佐「いよいよあと10分程度で真珠湾が見えてくるはず」

「ト・ト・ト(全軍突撃せよ)を打電、信号弾を上げるぞ」


艦戦は金星ゼロ戦、艦爆は九九艦爆、艦攻は九七艦爆である。

全機チタン防弾鋼板及びアクリルキャノピー仕様となっている。


チタンはインドシナのタイグエン省、西豪州バンバリーで産出する。

これら敵性外地を占領する前提で、国内備蓄を使い切ったのだ。


隊長機は信号弾を用意して、突撃隊形に移ろうとした。

淵田がもし上空を見上げたら、キラッと光る光点を視認できたろう。


迎撃のために、さらなる上空には米軍戦闘機が集結していた。

米軍機の待ち伏せだった。


刻一刻とレーダーサイトの座標が米戦闘機隊に送られていた。

それに合わせて正確な位置で待ち伏せしていたのだ。


何も知らない日本海軍艦載機にはレーダーがない。

待ち伏せする戦闘機に気が付く事は出来なかった。


第一次攻撃隊はカエナ岬上空で待ち伏せに遭い壊滅。


第二次攻撃隊はカネオヘ湾上空で海の藻屑となった。


ハワイ北の海上には6隻の空母と護衛の艦船がいた。

空母は旗艦赤城以下、加賀、瑞鶴ほか3隻である。


今や遅しと「トラトラトラ(我奇襲ニ成功セリ)」の打電を待ちわびていた。

南雲長官は時計を見るともうすぐ午前09時になろうとしていた。


南雲長官「遅い、遅すぎる」

草鹿参謀長「ト・ト・ト(全軍突撃せよ)もまだなのは変です」


米太平洋艦隊全滅は開戦の勝負手だ。

これが成功すれば1年間太平洋の覇権を握る。


それで連戦連勝して米国を厭戦気分にさせる。

日本が講和を持ち出して戦争は終結だ。


そのためにここでは絶対に勝たねばならない。

そうこうするうちにやっと電文が入ってきた。


源田航空参謀「やったか?」

ところが入電したのは正反対の結果だったのだ。


南雲長官「なに、奇襲を受け、全滅だと!」

偵察機からの打電は信じられないものだった。


日本機動艦隊は攻撃隊収容の為にハワイに接近している最中だ。

真珠湾が無傷なのだから、どえらい事になる。


奇襲は成功と信じて無線封鎖は解除している。

逆探知すれば、機動艦隊の位置はすぐわかる。


米巡洋艦、駆逐艦がこちらに急行してくる可能性大だ。

いや空母を伴っていればさらに危険度は増す。


草鹿参謀長「真珠湾の米軍艦艇は無傷です」

「もし反撃があれば、こちらは丸腰です」


日本軍は米空母が丸腰で避難した事は知らないのだ。


南雲長官「直俺機(ちょくえんき)はどうした?」

真珠湾攻撃にほぼ全機が出払って直俺機(ちょくえんき)は僅かだ。


草鹿「ここで敵艦に補足攻撃されたら、ひとたまりもない」


奇襲(トラトラトラ)に失敗したプランは強襲(トキトキトキ)に切り替えだった。

だが全滅に近いなら、強襲どころか撤退しかない。


参謀長の草鹿は苦虫を噛みつぶしたような顔だった。

兵棋演習の通りになってしまったからだ。


今を去る事3ヶ月前、兵棋演習を行った結果がある。

日本側の機動部隊全滅という顛末だった。


もちろん実際の戦闘には予期しないファクターが含まれる。

だからといって大丈夫だとか問題ないとかは言えないのだ。


大石保中佐と草鹿龍之介少将は山本五十六長官に意見具申した。

大石「ハワイ・オアフ島の真珠湾奇襲は失敗します」

草鹿「フィリピン攻略に注力すべきです」


山本「いや、ハワイ奇襲は必ずやる」

草鹿「余りにも投機的作戦です」


日本海軍省軍務局、作戦部ともに反対であった。

山本「ハワイをやれば米国世論は戦争嫌厭(せんそうけんえん)にまわる」


「特に空母をやれば、制空権は日本のモノだ」

「半年は西太平洋は空白になるだろう」


「その間に思う存分に暴れ回る事が出来よう」

「日本が講和するのはその時なのだ」


山本長官は間違っていた。

まさか兵棋演習のとおりになるとは……。

とうとう真珠湾攻撃は失敗しました。これで日本は見敵必戦だったものが隠忍自重(いんにんじちょう)になり、慎重に行動するようになります。次回は真珠湾(3/4)です。

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