真珠湾(1/4)
真珠湾にはすでに連絡がいっています。またレーダーサイトも正史のままですがサイトは全部で6つあってその1つが日本軍機の編隊を発見したのでした。
1941年12月07日06時50分<ハワイ時間>。
ここはハワイのオアフ(Oahu)島。
ハワイ州オパナ(Opana)にある陸軍のSCR-270レーダーサイト。
真珠湾には何事もない静かな朝が訪れようとしていた。
オパナのレーダーはオアフ島に6台設置されたサイトの1つだ。
電源トラック、オペレータートラック、レーダー本体という構成だ。
総セットの重量は40トン近いバケモノである。
そこにはロッカードとエリオットという通信員が詰めていた。
米軍レーダー演習は、朝04時から07時までで終了する。
エリオットが時計を見るともうすぐ07時だった。
ロッカード「なんか腹が減ったなあ」
エリオット「そろそろ朝メシだな~」
ロッカード「自動車が来ないとメシにありつけん」
折しも朝食の迎えの車が遅刻で来ず、偶然レーダーに機影を発見した。
ロッカード「味方機?」
最近、陸軍の飛行場に海軍機がやってきて、ひっきりなしに訓練している。
空母発着艦訓練というヤツで、しょっちゅう2,3機が訓練飛行中だ。
噂によると、いよいよ日本との戦端が開かれるという事だ。
そのために新人飛行士は猛訓練という事らしい。
エリオット「いや、違うぞ!この反応は大きい!」
それは真珠湾攻撃の日本海軍機の400機の大編隊の機影だった。
あわてて通信員はフォートシャフター情報センターに電話した。
以前は、電話機は麓のガソリンスタンドまで駆けていかないとなかった。
そこで電話線を引いてすぐに電話できるようにしていた。
電話に出たのはマクドナルドという名のオペレーターだった。
通信員「たいへんだ!大編隊だ!こんなの見たことない」
オペレーター「落ち着いて下さい、何時に何をどの方角で」
通信員「午前7時、400機近い大編隊、ハワイ北西」
当時のレーダーはAスコープで光点ではなく波形の大きさを読む。
機数が分かるわけもなく、だいたいの当て推量であった。
オペレーター「タイラー中尉に報告する、そのまま待て」
急にオペレーターは真顔になり、メモを取り始めた。
これが本当の本物ならどえらい事になるからだ。
ちょうどプロッテイングルームにタイラー中尉が入ってきたのを捕まえた。
オペレーター「中尉、レーダーに感有り、ハワイ北西という事です」
タイラー「それは今日来るB-17の編隊だよ」
B-17は本国から真珠湾に非武装で飛行してくる。
ハワイで機銃等を取り付けてフィリピンに飛んで行く。
今のところ、ハワイ島ではまだB-17の出番は無い。
オペレーター「400機近い大編隊との事ですが」
タイラー「爆撃機の大きさに過剰に反応してるだけだ」
オペレーター「ではそのように通信員に返答します」
だがこの時タイラー中尉はどうも引っ掛かるところがあった。
大丈夫だという時、実は危険が迫っているのではないか?
北西という方向もおかしかった。
米国本土から来るなら真西だ。
ハワイのオアフ島にはレーダーサイトは他にもある。
そこでも捉えられれば、この反応波形はホンモノなのだ。
タイラー「カワイロアとカアアワのレーダーサイトはどうした?」
もし本当の機影なら、別のサイトでも映るはずである。
オペレーター「訓練は07時までなので、皆、朝飯食いにいってますが」
タイラーが時計を見ると07時をすでに回っていた。
タイラー「朝飯は後回しだ、いそいで呼び戻せ!」
各サイトには朝食の迎えの車が着ていた。
そこに引き返して反応波形を確認せよの電話が入った。
半分乗り込みかけていた通信員たち。
通信員A「その電話、無かったことに出来ないか」
通信員B「了解ってもう返事しちゃいました」
通信員C「電話線なんか引くんじゃなかったよ」
電話でしぶしぶ呼び戻された通信員たち。
しかしAスコープで見た波形は大編隊だった。
通信員A「おい、なんだよ、コレ!」
通信員B「こんな強い反応見た事ねえ!」
通信員C「おったまげたなあ」
07時06分、次々と報告が上がってくる。
ハワイ北147kmの位置を時速280kmで向かってくる事を波形は示していた。
もはや間違いない。
これは(日本機の)大編隊だ。
部屋の壁には殴り書きで1枚の紙が貼ってある。
「緊急の場合は情報部へ byエドモンド・レイトン」
レイトンはかつてここ情報局通信部にいた変わり者だ。
今は情報局情報部で暗号の解読に関わっていた。
彼は盛んに日本軍ハワイ攻撃説を主張していた。
万が一の時は私宛直接に電話しろという張り紙だ。
タイラー中尉はその電話番号に電話した。
中継所を2つ経由して情報部の電話に繋がった。
薬局と古本屋に繋がった。
この中継所は電話交換機フィルターでもある。
日本軍諜報の逆探知を防ぐモノだ。
薬局までしか逆探はできない。
オペレーター「ハイ、古道具屋(情報局情報部)デス」
タイラー「店主(レイトン中佐)に繋いでくれ」
すぐにレイトン中佐に繋がった。
レイトン「どうした、通信になにかあったか?」
タイラー中尉はそのままを伝えた。
タイラー「午前7時、ハワイ北西、400機近い大編隊」
レイトン「なに!上層部に報告する、よくやった」
いよいよ真珠湾攻撃が始まります。これはIF歴史なので次回からの展開は180度変わります。




