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(本編完結)また第二次世界大戦かよ  作者: 登録情報はありません
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ニューヘブリデス(バヌアツ)攻略作戦(3/3)

舩坂弘著「英霊の絶叫」を読んでフナサカの話を書きました。余りにも理不尽で壮絶な体験にFLAKジャケットのオーバーテクノロジーを導入しています。バリスティックナイロン,プラスチック、金属繊維、セラミックの層で出来ています。第二次世界大戦では米陸軍補給係の研究開発支部で開発されています。未だに完全な防弾ジャケットはないのでこれはSFだと思って下さい。

その顔には鬼気迫る狂気が浮かんでいた。

一人でも多くの米兵を道連れにしょうという魂胆だ。


米軍新兵は古参兵の言葉を思い出した!

<そこまで言うならソイツと戦ってみろ>


「ホ、ホントに不死だあああ!」

「手榴弾でおうせ、逃げるな!」


その間にも白刃突撃の陣形は狭まってきた。

確かに日本兵は銃弾に倒れていく。


それがいつの間にか補充され後から後から湧いて出る。

遂に抜刀部隊が敵陣地に躍り込んできた。


白刃が煌めき、米軍兵士の首や腕が宙に舞った。

肩口を切られた米兵に日本兵は拳銃でとどめを刺した。


掩体壕のような狭い場所では日本兵は強かった。

あっという間に壕内は日本兵だけになった。


日本兵が死んだ米通信兵の背負う通信機に飛びついた。

日本兵「Need backup! (増援頼む!)」


こうしてさらに犠牲者は増える事となった。

ゴースト・フナサカの伝説はまた新章を書き加える事となった。


だがさすがに今回は生身という訳にはいかなかった。

日本陸軍も、歴戦の勇士を戦場で失う訳にはいかない。


舩坂の最前線で戦いたいという心意気は否定しない。

上層部としては後方で銃剣道教育に専念してほしかった。


そこで上層部は防弾ジャケットを舩坂に提供した。


FLAKジャケットという最新技術である。。

材料のナイロン繊維に硝子繊維板を縫い付けたものだ。


硝子繊維は1938年に東洋紡が工業化に成功している。

これを高圧下でセルロース樹脂に硝子繊維を入れて硬化させた。


これを着る事を条件に前線での戦闘を許可している。


ゴースト・フナサカの猛戦が米軍の戦意を挫いた。

米軍は各所で総崩れとなっていた。


米軍が原住民を給弾輸送役として現地徴用していた。

給弾輸送兵が逃げてしまったので、給弾が滞ってしまった。


機関砲座も海岸砲も給弾がなければタダの鉄の塊だった。

そこへ切り込み部隊が突入して、殺戮の限りを尽くしたのだ。


あっという間に通信施設と飛行場に日本兵がなだれ込んだ。

司令部には海上機動第1旅団西田祥実少将が現れた。


西田「抵抗は無意味だ」

レイド「くっ、殺せ」


そこへゴースト・フナサカがやって来た。

FLAKジャケットが命を救ったのだ。


不死隊舩坂弘「じゃあ、お望み通りに」

西田祥実少将「まあ待て」


レイド少将は捕縛され、椅子に座らされている。

一方のランコン大尉は抵抗し、床に伸びていた。


レイド「軍港にはまだ100隻の巡洋艦・駆逐艦がある」

「ガウア島にいる日本軍強襲部隊はもはや風前の灯火だ!」


西田「セゴンド水道に充満している漁船を押しのけてか?」

「あれは止めたほうがいいと思うぞ」


ドズズズ~ンッ、ドッカアア~ン!

その時ダイナマイトのような爆発音が軍港から響いた。


漁船を押しのけて出港しようとした駆逐艦が触雷したのだ。

艦首の無くなった駆逐艦は立ち往生していた。


西田「言い忘れたが漁船には機雷が仕掛けてある」

「ピリッっとでも動けば触雷して木っ端微塵になるぞ」


ドズズズ~ンッ、ドッカアア~ン!

その時ダイナマイトのような爆発音が軍港から響いた。


漁船を押しのけて出港しようとした巡洋艦が触雷した。

舷側に大穴が空き、巡洋艦はゆっくりと傾斜し始めた。


レイド「ああ、重巡オーストラリアが……」

西田「早くしないと重巡キャンベラも失うハメになる」


レイド「全艦機関停止を命令する!」

西田「たいへんけっこうだ」


島の東側パリクロ湾には強襲揚陸母艦が2隻接岸していた。

1隻に付き3000人の上陸部隊が一斉に上陸する。


戦車揚陸艦からは中型戦車が続々と吐き出されてきた。

豪州で戦った試製チト2号車相当(105mm砲)である。


M3中戦車(75mm砲)が上陸を阻止しようと攻撃してきた。

欧州でタイガーと戦った集団戦法で挑んできた。


ズドーン、ガッキイイーンッ!


75mm砲が105mm砲の装甲を射抜ける筈がない。

105mm砲がM3中戦車に狙いを定めた。


ズドーン、ボスンッ!


逆にM3戦車は穴だらけになって沈黙した。

浜辺にはM3戦車が擱座したまま取り残されていた。


こうしてニューヘブリデス軍は戦意を無くして降伏した。


セゴンド水道の敵艦船からは兵員が降ろされた。

しかしどうも艦船の数が少ない。


重巡02、駆逐艦12、貨物船40、特殊船20……。

ほとんどの艦船がハワイ増援に出港した後だった。


これらの遠征軍の電波は急に消失した。

あと2日で帰還出来るコースにいたが行方不明となった。


西田「味方識別信号を切ったためだろう」

「ハワイに向かったと思われる」


余談だがマッカーサーの増援部隊も遠征軍と合流している。

その上でニューヘブリデス救援不可能との判断を下している。


彼らはそのままハワイ方面に脱出した。


米太平洋艦隊はまだ肝心の空母の補充が出来ていない。

ハワイにも正規空母1隻護衛空母2隻しかいない。


この時期、米軍には機動艦隊を編成出来る艦船がない。

カイザー造船所は西海岸の7つの造船所で空母を作っていた。


ルーズベルト米大統領肝いりの50隻の空母はまだ建造中である。

このカサブランカ級航空母艦はのちに「週間空母」と呼ばれる。


米国の恐るべき工業力はまだ太平洋のここには届いていない。


ニューヘブリデスの米兵は港の埠頭に集められていた。

3万人にも登る捕虜たちはただ水平線を眺めるばかりである。


その時米軍空母の艦影が水平線に現れた。

その艦影に敵軍捕虜達から歓声が上がった。


米兵捕虜A「やった!ハワイの空母が援軍に来てくれたぞ!」

米兵捕虜B「まさかな!空母がいるなら機動艦隊もいる!」

米兵捕虜C「日本をやっつけろ!」


ますます空母は近づいてくるが様子がおかしい。

それは鹵獲空母ヨークタウンだったのだ。


掲げられた日章旗を見て捕虜たちは心底がっかりした。

その意気消沈はハッキリと見て取れる程だった。


豪軍捕虜A「正規空母まで鹵獲かよ」

豪軍捕虜B「ああもうダメだ、本当に」

豪軍捕虜C「重巡キャンベラまで鹵獲か!」


重巡キャンベラはツラギ夜襲戦を生き残った強者だ。

それを敵に無傷で鹵獲される無念さは有り余るものだった。


さらに鹵獲M3中戦車が貨物船に載せられて出航してゆく。

捕虜たちの中からあえぎ声が漏れた。


捕虜A「オレたちのM3中戦車が!」

捕虜B「おお、なんてこった」

捕虜C「もうやめてくれ」


3万人の捕虜はぐったりとして動かなくなった。

今度は彼らがガウア島の虜囚となるのだ。


こうしてニューヘブリデスは日本占領下となった。

しかしジャングルに逃げ散った抗日兵士は4000人にも達した。


5~10人の小部隊となり、ゲリラ活動を展開する。

備蓄倉庫の食料を盗み、ジープのタイヤを略奪する。


タイヤのゴムはサンダルにする。

迷彩パラシュートは軍服に仕立てる。


しかし、やがて彼らも追い詰められてゆく。

食料も水も弾薬も尽きて、手榴弾による突撃に頼る様になった。


もはや銃弾が尽きて、3kgもあるライフルは捨てられた。

ライフルを捨て、鉄パイプに銃剣を縛り付ける有様だ。


密林にいてもやられるだけなので、米兵は洞窟に籠もった。

糧食もとっくの昔に尽きてしまい、口に入るモノは何でも食べた。


パパイヤもヤシの実はもちろんヘビやトカゲまで食い尽くした。

ガリガリに痩せ細ったその姿は幽鬼のようなおぞましさだ。


日本兵A「アンクル・サムにもサムライはいたのだな」

日本兵B「最後まで降伏しないとは見上げたモノだ」

日本兵C「望み通り最後までお付き合いいたそう」


日本軍の掃討作戦は壮絶を極めた。

直射砲撃はすでに黄燐弾と焼夷弾に変わっていた。


火炎放射戦車が導入され、戦闘は辛酸を極めた。

米軍敗残兵は火だるまになり、洞窟から飛び出して絶命した。


洞窟に潜んだ米軍敗残兵を焼き尽くす魂胆だった。

最終的に敗残兵が100人を切った時、総攻撃が始まった。


米軍敗残兵「Charge Ahead!!(突撃!!)」

鉄パイプ槍を振りかざしての突撃が始まった。


だが如何せん体力が限界で足下がふらつく。

その敵兵に容赦ない攻撃が続く。


手足が吹き飛び、頭が砕け、脳が飛び散った。

腹に破片を受け、内臓がはみ出て、鮮血が噴き出す。


あっという間に決着が付いた。

全滅である。


米軍兵は降伏と見せかけて、よく手榴弾で自爆した。

そのため死体も瀕死の重傷者も拳銃でとどめを刺した。


洞窟もブルドーザーで埋めてしまった。

潜んでいる米兵と洞窟掃討戦も考えられた。


だが誰もそんな消耗戦は御免被るというワケだ。

洞窟は埋められ、側穴から火炎放射が注ぎ込まれた。


それから反攻作戦はピタリと収まった。

おそらく米軍敗残兵は全滅したのだった。


ルーズベルト大統領はその報を聞いて真っ青になった。

「ハワイはおろか日本軍の北米西海岸上陸作戦も視野に入ってきた」


「だがやらせはせん!」

「我々には大規模な反攻作戦の用意がある」

ニューヘブリデス攻略は成りました。しかし米国の国力は侮れません。次回は山本長官危機一髪です

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― 新着の感想 ―
[一言] アメリカ兵の有様が、史実の日本軍と同じ立場で納得させられる。屈強な兵士も補給がなければ戦えない事を古今東西でも証明されましたね。 次回は、山本長官といえばブーゲンビル島の戦死ですが、どう乗り…
2021/06/18 15:10 退会済み
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