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(本編完結)また第二次世界大戦かよ  作者: 登録情報はありません
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インパール(10/17):敵集積地トンザン

正史でもトンザンには莫大な量の物資が山積みでした。この鹵獲品の大戦果に浮かれた日本軍は「周囲に敵兵無し」と強奪に耽りました。そしてほぼ全滅しました。経緯は何種類も残っていて判然としていません。ただ英印軍の報告では無数のウイスキーの瓶が割れたまま残されていた、と有るものがドラマチックです。つまり鹵獲品にアルコール飲料があって略奪を欲しいままにしていたところを襲われて全滅に至った、なんともIF歴史では全部後方に輸送して無事な事にしました。

1943年03月07日。


33師団は3つの梯団(ていだん)に分かれて進軍を開始。

右梯団はトンザン北部へ、中央梯団はトンザンへ、左梯団はムアルベンに向かった。


第17インド師団のビルマ侵攻作戦の基地がトンザンにあった。

トンザンはインパールより小規模な基地で前哨戦となるだろう。


トンザンの第17インド師団の撤退をTedimRoadで阻止する作戦だ。

TedimRoadは2~3mの細い車道であったが、インパールへ通じている。


途中に村あり、山あり、棚田ありの牧歌調の交通路であった。

敵の小規模な戦闘を蹴散らしながら、日本軍は前進した。


柳田師団長「これは日露戦争で露軍が使った後退戦術だ」


英印軍は日本軍をインドに引き込む作戦である。

補給線が伸び切った所を徹底的に叩き殲滅する。


そのため撤退作戦を取るはずが、実際は違った。

日本軍の進攻速度があまりにも速すぎるのだ。


その電撃作戦に撤退が追い付かず物資を捨てて逃げ出す始末であった。

ビルマ反攻作戦の巨大集積所があったトンザンを捨てて逃げ出した。


あるわあるわ、自動車1200台とガソリン、通信機材、弾薬、糧食etc。

ガソリンは25ガロン缶15000本が6列にも野積みされていた。


肉類や乳製品、缶詰の天幕も20以上、パンは製造釜工場まであった。

トラック、ジープは1000台を超えて駐車されていた。


ウイスキー、ジン、ライムなどのアルコール類、服飾品倉庫、縫製工場。

医薬品、病院設備まで全てが揃っていた。


柳田師団長「これでこの補給基地は一地方の末端に過ぎない」

「味方後方のカレシュウやインタンジーに運んで備蓄しよう」


すべてが無傷で残されていた。

普通は焼き払い、鹵獲されないようにするものだ。


柳田師団長「すぐに奪い返しに来るぞ」

「その前に根こそぎ持って帰ろう」


ただちにトラックのエンジンが掛けられ、備蓄の移動が始まった。

1000台の鹵獲車両に物資を積み込んで引き揚げに掛かった。


医薬品や糧食がすべて後送されていった。

ウイスキー・タバコ・ビールがあるのはいいものだ。


日本軍はアルコールの誘惑にすこぶる弱かった。

大量の酒類は英印軍のワナかも知れなかった。


酔っ払ってグデングデンになれば鹵獲輸送どころではない。

物資が大量過ぎて、計画を立てて輸送しなければならない。


その為、酒類は厳重な監視下においた。

柳田師団長「後でたっぷり呑ませてやるから我慢しろ!」


弾薬と迫撃砲などは鹵獲品として兵力に組み込まれた。

これが03月15日の事である。


03月21日に第17インド師団の逆襲が始まった。

しかしトンザンの補給基地は何も残っていなかった。


敵爆撃機や戦闘機も手ぶらで帰るしかなかった。

第17インド師団も近くの熱帯雨林を捜索したが無駄だった。


これだけキレイに奪われるとかえって気味が悪い。

日本軍の戦略はキチンと現場の戦術と噛み合っている。


英印軍は自分達の撤退作戦が日本軍に悟られたと察した。

そのためそれ以上は深追いしてこなかった。


第33師団全軍はタム方面に進路を変えていた。

鹵獲したトラックとジープによる電撃進軍が可能となったのだ。


牟田口中将は言った。

<補給は敵に求めよ>


一個師団を半年養えるだけの物量が手に入ったのだ。

1200台の自動車部隊も新たに編制できた。


タムからパレルに至る交通路は舗装されていた(アスファルトではない)。

ここは英印軍の第20(23)インド師団が守る要害の地であった。


ここに第33師団山本支隊が突入する手筈となっていた。

戦車を率いる中核部隊で、機械化輸送部隊を率いていた。


タムからパレルまで40km、パレルからインパールまでは40km。


山本募(やまもとつのる)支隊長は低山と丘陵地帯を遠望睥睨(えんぼうへいげい)した。

敵は呆れるほどの物量作戦で日本軍を待ち受けていた。


山本「あの高地の防御陣の厚みはどうだ、野砲の見本市かよ!」


山本支隊は歩兵以外に戦車30余輛、山砲12門、野砲18門を擁する。

だが北東高地には少なく見積もっても野砲80門以上が備え付けられていた。


この調子だと迫撃砲は2000門は下らないと思われた。

山本「根性と精神力で愚鈍な英兵を蹴散らせ!」


そこへ牟田口司令官から緊急電が来た。

牟田口「増援部隊を送るのでちょっと待っておれ」


その日の午後、増援部隊がやって来た。

試製十五糎多連装噴進砲、試製五式十五糎自走砲 ホチである。


信管は泥地で作動するよう調整された特別調整タイプである。

噴進砲は自動貨車の荷台に50輛、ホチ自走砲は十輛であった。


山本「よし、根性と精神力、そして鬼に金棒だ!」

山本支隊は北東高地に向けて多連装噴進砲で砲撃した。


山の樹木は吹き飛ばされ、切り株より上は全て無くなってしまった。

陣地の構成はむき出しで丸見えとなり、今度は自走砲で撃ちまくった。


日本側は野砲18門と合わせて28門だ。

しかし敵側の野砲は80門。


猛然と撃ち返してきて、膠着状態となった。

やはり多勢に無勢である。


そこへ牟田口司令官から緊急電が来た。

牟田口「増援部隊を送るのでちょっと待っておれ」


その日の午後、増援部隊がやって来た。

山本「ええっなんだコレ?」


今度は妙ちくりんな航空機が送られてきたのだ。


それはカ号観測機オートジャイロであった。

正確にはカ式改攻撃機である。


2人乗りの内、観測員を降ろして60kg爆雷を搭載できる。

陸軍護衛空母の対潜哨戒機として造られたものだ。


山本「牟田口司令の宴席での籠絡(ろうらく)活動も捨てたモノじゃない」

山本はビルマのメイミョウでの司令の芸者遊びを苦々しく思っていた。


だがいつの間にか陸軍技術研究所の試製機が最前線に回ってくる。

特別な口利き以外に有り得ないことが起こっているのだ。


さらに折りたたんだ凧のようなモノに50ccのエンジンが付いている。

滑空飛行第一戦隊大久保滑空士がはるばる台北からやって来てくれた。


大久保「これはモーターハンググライダーというものです」

「そのへんの50ccのモーターで動き、滑空時間は15分程度です」


と言いながら、実は3000mまで上昇、飛行時間5時間という記録がある。

その辺は上昇気流をつかまえる訓練にもよるのだが。


オートジャイロは10機、ハンググライダーは50機が配備された。

滑空飛行第一戦隊から多くのパイロットが同行した。


北東高地への爆撃は三号爆弾(焼夷弾)が使われた。

これを上空から堡塁や砲台に見舞うのである。


敵陣地は急ごしらえのココナッツ・バンカーであった。

熱帯雨林の木の幹とドラム缶で囲った急造品だ。


砲撃戦だけだと結構しぶといが、焼夷弾の前には無力だった。

対空戦闘を想定していなかった英印軍には対空砲がない。


もはや、為すがまま、されるがままであった。

この超軽量動力機は、戦闘機が来ればおしまいだ。


だがP-40バッファロー戦闘機が飛来すると日本軍機はいなくなった。

オートジャイロは擬装したココナッツ・バンカーに収納した。


ハンググライダーは折りたたんで兵と一緒に息を潜めていた。

だが1000台の車両と機械化部隊は被害が出てしまった。


そこへ牟田口司令官から緊急電が来た。

牟田口「増援部隊を送るのでちょっと待っておれ」


試製双連対空戦車ソキが10輛やってきたのだ。

絶句する山本支隊長。


ホチもソキももはや試製と名は付くが、試作の最初の3台ではない。

間違いなくこれは量産の初期ロットではないか。


しかも貨物船にはクレーン制限(30トン以内)がある。

これは貨物船ではなく、専用輸送船が来ていることになる。


山本「戦車揚陸艦が来ているのか?」

正史では山本支隊は何ヶ月も停滞してしまいました。タムからパレルまで40kmは普通の車道が通じており、敵英印軍も充分に兵器を配備していました。戦車や機械化部隊はここを通るしかありませんが一本道のため自殺行為です。しかしIF歴史ではインド国民軍兵士を上手い事使って危機を脱します。次回はインパール(11/17):要害パレルです


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― 新着の感想 ―
[一言] 試作兵器の見本市ですか、少し苦笑してしまいました。 迅速に物資を敵から略奪して、本拠地に輸送ができたのは、機械化が為せた技ですが。 敵との砲撃戦は、シーソーの如しで膠着状態になりましたが、打…
2021/06/07 15:19 退会済み
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