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11話 サリエラ・ドーセット。

今回の章はサリエラ視点のお話になっています。

 フレイヤのルークに対する気持ちを聞いたのは、もう先週のことだ。

 時の流れはいつも早く感じるが、気持ちを聞かされたときから今日の今まで特に早く感じる。

 ……一緒に話す人が増えて、ワクワクすることが増えたからだろうか。


 初めてフレイヤから気持ちを聞いたとき、正直驚いたものだ。

 私たち魔女は、人間から嫌われている。いろいろ人がいろんなところで鼻につく発言をしていることが多いからか、または学校でなされる教育のせいだろうか。

 …………ルークには悪いが、何の力も持たない人間を下に見てることも多い。


 まあ、どんな理由にせよ嫌われている事実は変わらず、魔女と人間の交流なんてほとんどない。

 ……だからこそ、魔女であるフレイヤが人間であるルークに恋をするなんて思わなかった。


 夕方の教室、フレイヤとアリアの3人で窓辺の近くで何気ない話をしているときに、急にフレイヤがルークの話をし始めた。

 その時の様子が忘れられない。

 黒の服をギュッと握ってシワができていて、モゴモゴした口、赤く紅潮した肌、そしてちょっとうつむいちゃって……まさに、恋する少女といったような感じだった。

 初めてみるトモダチの──フレイヤの姿。ちょっとドキドキしたな、あの時は。そして……。


『早速、明日にも告白するつもりなの』


 そう淡い恋心の告白の最後に言ってきた。──正直、やめたほうがいいと思ったのはフレイヤにはヒミツだ。

 きっと、フレイヤが傷つき辛い思いをすると思ったからだ。……私も、そんなフレイヤの姿は見たくなかった。


 しかし、そんな心配とは裏腹に告白は成功したみたいだ。

 直接は聞いていないけど、事が終わって2人が別れたときの、フレイヤのとっても幸せそうな満たされた顔を見たら分かる。

 ……多少はトラブルもあって、私とアリアがサポートしたりもしたが。これもフレイヤにはヒミツだ。

 …………もともと、見に来ないでって言われてたし。


 そんな2人は、ここ最近私たちも交えて話すことが多くなった。魔法の話だったり、ルークやフレイヤ自身の話だったり……。

 数日前には、フレイヤがルークに魔法をかけたりもした。……ドリーム・マジックというものだ。

 …………どうやら、その魔法のおかげでルークはフレイヤのイカガワシイ夢を見たらしい。当のフレイヤはマンザラでもない様子だった。


 2人の波長やお熱なところが合っているのだろうか。フレイヤは楽しそうだ。

 …………心なしか、私とアリアがいる時よりもルークといる時のほうが楽しそうに見えたりもするけれど。

 

 いつか私たちのことを忘れちゃうんじゃないか──。


 一抹も不安も最近感じ始めてしまう。

 でも、それは仕方のないこと。トモダチよりも好きな人のことを優先するのは当たり前のことだ。

 ちょっぴり寂しいけれど、きっとフレイヤにとってはいい変化のはずだから。


「サ、サリエラ……?……本当に大丈夫なの……?」


「なんか考え事をしてたみたいだが……。大丈夫か?」


「もうっ!2人とも同じこと言っちゃって〜。大丈夫だよ〜。この魔法は私の得意なものだから〜!」


 この前はフレイヤがドリーム・マジックをルークにかけた。

 ──だから、今度は2人に私の得意な魔法、テレポート・マジックで私なりに恋路を応援しようと思う。

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