表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バグの遺伝子 ~AIの奴隷だった俺は異世界で辺境伯令嬢に買われ、AIチートを駆使して覇王になる~  作者: 緑豆空
第二章 男爵編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

341/352

第三百四十話 リンセコート要塞都市

 リンセコート国の周辺に、魔導強化防壁が完成した。敵の要塞の素材とミスリル鋼を合わせて、炭素を含有して生成した壁である。耐衝撃、防火、レーザーも弾く仕様で、結界魔法陣が彫られている。


 プルシオスとウィルリッヒが言う。


「本来なら、国中のお金をかき集めても作れないものだ」


「そうだね。交易の盛んなリンデンブルグでも無理かな」


「それを……自前で作れちゃうんだからね」


 黒い壁を見上げながら、二人の王子が感嘆の声を上げる。


 だが、ウィルリッヒが言う。


「だけど、門もないし、何カ所も開いている。あと、どのくらいで完成するんだい?」


「これで完成だ」


「「えっ!」」


「問題ない。これで守れる」


 プルシオスが言う。


「いや、まってくれよ。そしたら、何カ所が空いている隙間から敵が入って来るだろう」


「まあ、普段はな。だが、臨戦態勢になった時は、そこにシールドと言うものがはられる」


 ウィルリッヒが聞いて来た。


「シールドとは?」


「物理的な材質を使わない、堅牢な壁の事だ」


「それが、あの隙間に?」


「そうだ。むしろそのシールドを守るための、物理的な市壁なんだ」


「「へえー」」


 二人の王子は、ただただ感心していた。アイドナは王都や神殿都市の生体動力の発動を確認した上で、敵の技術を発展させつつ、防御シールドを開発したのだ。


「空からも入れない」


「凄いものだ」


 プルシオスが、市壁の上を指さして言う。


「そしてあれが、大砲なのかい?」


「大砲と言えば大砲だが、高出力の魔導砲と行った方が正しい。爆裂魔法と貫通魔法を付与した砲弾を、魔力の力で高速射出する」


「へえ……」


 アイドナのデータにある、前世の遺産だ。レールガンと言うものを、更に魔導で強化した砲台だった。火薬を使っていないので、あれを攻撃されて破壊されても、爆発したりはしない。


「後はあれ」


 そこには、アンテナのような物がある。


「あれなに?」


「生体動力を感知する、魔導レーダーと言うものだ。ここまで敵の飛空艇やパワードスーツが来た時に、我々に知らせてくれるという機器だ」


「ほう」


「リンセコート周辺に、あれと同じものを幾つも設置してある」


「そうなんだ?」


「それが反応すれば、全ての位置で確認できるようになっている」


「凄いね……そんな事ができるんだ」


「俺の知識と、アーンの天工鍛冶師の技術、マージの魔導の知識と、ワイアンヌが世界を回って得た素材の知識、ヴァイゼルの通知魔法の知識が合わさった結果だ」


「凄い能力が集まったという訳だ」


「そう言う事だ。一つでも欠けたら出来なかった」


 すると二人の王子は、腕組みをして言う。


「あまり、国の交わりが無いからね。国同士で、技術の交流などした事が無いし」


「それは仕方がない。だって、国の至宝だからね。それは、交渉の道具にもなるだろうし」


 二人の意見を聞いてて、何故この世界が発展しないのかが分って来た。技術や知識は武器になるから、それを国外に出す事を禁じていたのだ。そのせいで、文明の発展が遅れたとも考えられる。


 俺が付け足して言う。


「そしてもう一つ、爆発的に周囲に増えた魔獣は、入って来れないようになっている」


「そうなんだ」


「ああ」


 それも敵の技術を参考にして、魔獣を遠ざけないが、入っては来れない結界を作ったのだ。


「まあ、普通の人間も、足を踏み入れる事は叶わない土地になる」


「禁断の聖地……と言う訳か」


 そして、ウィルリッヒが指をさした。


「あの、畑の透明な天幕は、全て農業用なんだろう?」


「そうだ」


 農業用地には魔導技術で生成した、魔獣の皮で生成された幕で作った温室が、どこまでも続いていた。これは全て、ドワーフに依頼して作ったものだ。


「あれで、天候に左右されずに作物が作れると」


「そう言う事だ。今は、まだ気候が良いので、あれはほとんど必要ない」


 流通が無いので、完全自給自足がカギになる。もとより、この領地は自給自足だったが、爆発的に人口が増えたので、食の確保が必要になったのだ。


 ウィルリッヒがため息をつく。


「本当に、コハクを敵にしなくてよかったよ」


 プルシオスも頷いた。


「ああ。王になってもらって良かった。どこの国が来ても、絶対に勝てない」


「そういうものか」


「「そういうものだ」」


「だが、まだまだ発展途中だ。これから、もっとその拠点を広げ、迎撃のシステムを作り上げていく」


 王子二人は身震いしながら頷く。


「そして……あの、高機動魔装大隊。あれだけで、一国を滅ぼせるだろうね」


 だが、俺は首を振る。


「人間と戦うなど意味がない。俺達が戦うべきは、空から来た敵だけだ」


「そうだね。共通の敵がいる」

「ああ」


 二人の王子に、都市の説明をしている時だった。


 キュイキュイキュイ! と音がなる。


「な、なんだ!」


 プルシオスが驚き、俺が説明をする。


「通知だ。どうやら、シュトローマン伯爵領で次の爆弾が破裂したらしい」


「なるほど!」


 俺は二人の王子をそこに置いて、格納庫に走る。すると、高機動魔装大隊のメンバーが集まっていた。


「コハク! 敵さんのお出ましだぜ」


「ああ」


 そ俺達が魔導装甲を着ると、入り口が開いた。


「やるっぺよ!」


「そうね!」


 そして俺は、皆に命じた。


「浮遊! 目的はシュトローマン伯爵領」


「「「「「了!」」」」」


 近代化してきたリンセコート領を後にして、俺達は再び戦いの地へと飛ぶのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ