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最弱の魔法使い、最強前衛職に覚醒する  作者: あざね
第三部 オープニング
114/133

1.夢






 夢の中のボクは、どこか曖昧な存在だった。

 それは今に始まったことではなくて、常にどこかを歩いている。なにかしらの答えに向かって、歩き続けるような感覚といえばいいだろうか。

 所在がない。居場所がない。不安で仕方なかった。


「だれか、いないの……?」


 そんな呟きは、闇の中に溶けていく。

 返事はなかった。それでも、ボクは延々と問いかける。

 するとその時だった。今までの無反応が嘘のように、視界が開けた。



「ここ、は……?」



 そこは、寂れた城の中。

 調度品はどれも高価なものであると思われた。

 それでも、どれも使い古されて所々が壊れてしまっている。


「――! 誰か、いるの!?」


 瞬間、人の存在に気付いた。

 その人はボクを見て、こう口にする。



『あぁ、カイル。こんなに大きくなったんだな』――と。




◆◇◆



「…………!?」


 そこで目が覚めた。

 全身に汗をかいている。しかし、それも気にならなかった。

 それ以上に、ボクには大きな疑問があったから。胸に手を当てて、荒くなった呼吸を整えた。そして辿り着いたその答えを――。



「お父さん、なのか……?」



 ゆっくりと、口にした。

 それはレーナとレミア、二人の少女からもたらされた可能性。

 ボクの父親は――。


「魔王――ギアン・スタンフォード」


 そして、母親は……。



「女神――エレミア」



 夢の中の優しい声の主を思い出し、頭を抱える。

 どうやら、今日もすんなりとは眠れなさそうだった。


 


https://book1.adouzi.eu.org/n9500fl/

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<(_ _)>

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