表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十歳の最強魔導師  作者: 天乃聖樹


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

160/196

まじょのおるすばん

「レインさん、レインさん! みんなでカードゲームしませんか?」


 なんとか黒雨の魔女の気を紛らわそうと、フェリスはカードを持って歩み寄る。


「カードゲームか……食べたことはないのう……」


「ふあっ……」


 が、魔女はぼんやりとした様子でカードを頬張ってしまう。


「食べちゃダメですわー! フェリスじゃないんですから!」


 すぐさまジャネットが魔女の口からカードを取り返す。


「わたし、カードは食べたことないです」


「あっ、ごめんなさい。いかにもフェリスがやりそうなことだと思って……」


「でも食べてみたいです!」


「ダメですわ! 食べられませんわ!」


 きらきらと目を輝かせるフェリスからジャネットがカードの束を隠す。


 さっきからなんとか黒雨の魔女を落ち着かせようと頑張っている少女たちだが、なかなか上手くいかない。


 可愛いぬいぐるみを渡してみても効果はなかったし、フェリスの歌も効かなかった――ちなみにジャネットには効果が抜群で、ジャネットはしばらく感動で床に倒れて動かなかった――し、とっておきのメギドプリンも魔女の喉を通らなかった。


 いつパニックになって瘴気が出てくるか分からないので、フェリスたちは一時たりとも黒雨の魔女から目を離せない。


「こうなったら、魔法結界でライラさんが帰ってくるまで封印するしかないんじゃないかしら?」


「可哀想ですよ!」


「ちょっとした冗談よ」


「アリシアが言うと冗談に聞こえませんわ……」


 額を寄せ合って話し合う少女たち。


「あっ! いいこと思いつきました!」


「なんですの?」


「お耳、貸してください」


「み、耳ですの……? こう……?」


 ジャネットは照れながら身を屈め、フェリスの口元に耳を持っていく。フェリスの小さな息がかかってくるのがこそばゆい。


 フェリスは口元を手の平で覆い、ジャネットとアリシアにささやく。


「こしょこしょこしょ……」


「ふんふん」


「こしょこしょこしょ……」


「ふんふんふん」


 フェリスの内緒話にうなずくジャネットとアリシア。フェリスは爪先立ちして一生懸命背伸びしている。


「どうですかっ?」


「面白いわね」


「フェリスがやりたいなら、まあ……いいと思いますわ」


 フェリスの願いならなんでも叶えてあげたいジャネットも同意する。フェリスがやりたいなら王国の転覆だって厭わない覚悟である。それがラインツリッヒの娘である。


「じゃあ、布が要るわね。オーガンジーが綺麗かしら。それと綿? 寮母さんに借りに行きましょうか」


「楽しそーですー!!」


 少女たちはいそいそと女子寮の廊下へ出て行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

コミカライズがスタートしました!
試し読み
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ