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十歳の最強魔導師  作者: 天乃聖樹


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再怨

 騎士団が悪鬼の表情で包囲の輪を狭めてくる。


 その殺気たるや、魔法学校を占領していた『探求者たち』の術師と勝るとも劣らない。


「こやつら…………何千年経とうと、やはり人間は変わらぬか…………」


 黒雨の魔女は奥歯を噛み締めた。胸に蘇るは、かつて欲深き人間の国々に狙われ追い詰められ、愛するライラを殺されたときの絶望。


 黒雨の魔女の振り上げた両腕、その袖から、憤怒の瘴気がどろどろと溢れ出してくる。


「ダメよ、レイン。もう繰り返しちゃダメ」


 ライラが黒雨の魔女の手を握り締めた。


「しかし……!」


「わたしなら、平気だから。もう、あの頃の弱い女の子じゃない。あなたの足を引っ張るだけの村娘じゃない」


「わらわは、足を引っ張られてなど……いつもわらわの心を救ってくれていたのは、そなたで……」


「大丈夫……大丈夫だから。わたしは一度死んで、あなたの役に立てるよう蘇ったの。二度は死なないわ」


 ライラが優しく言い聞かせると、黒雨の魔女の瘴気が落ち着いていく。それでも魔女の周囲で渦を巻き、激しい警戒に痙攣している。


 ロゼッタ姫が黒雨の魔女の前に歩み出て、騎士団に毅然と告げる。


「下がりなさい、あなたたち! この魔女はもはや、わたくしたちの敵ではありません。天に赦され、慈悲の魔女となったのです」


「殿下、お離れください! 殿下はその魔女に洗脳されているのです!」


 騎士たちは聴く耳を持たない。


「洗脳などされていません! あなたたちには清らかな天使の姿が見えないのですか。天界の使者の加護を受けていることが、なによりの証拠でしょう!」


「殿下をお救いしろおおお!」「うおおおおおお!」


 数人の騎士が突撃し、ロゼッタ姫をかっさらう。


「放しなさい! 放しなさいと言っているでしょう!」


 ロゼッタ姫はもがくが、鍛え上げられた騎士の膂力に敵うはずもない。たちまち黒雨の魔女やフェリスたちの元から引き離されてしまう。


「人質は奪還した! 魔女を捕らえるぞ!」


 騎士たちは勢い込んでにじり寄ってくる。


「ど、どうしますの!?」


 たじろぐジャネット。


「え、えっと、どかーんってするしか!?」


 両腕を掲げるフェリス。


「どかーんはやめなさい。隷属戦争よりひどい戦争が起きちゃうわ」


 アリシアは肝を冷やしてフェリスを抱きすくめる。


 これまでの状況を総合するに、フェリスの魔力は黒雨の魔女の比ではない。もし王国がフェリスを敵視し、追い回し、フェリスが世界の敵となったら……きっと、人類が絶滅するほどの災いが訪れることだろう。


 だが、どうしたらよいのか分からない。殺気立った騎士団に、話し合いは通用しない。


 身を寄せ合う少女たちの上に、刃が振り上げられた。

お陰様で、同時連載中の『ネクロマンサー少女の二周目最強ゲーム』の書籍化が決定しました!


『十歳の最強魔導師』が白の小学生百合だとしたら、『ネクロマンサー少女』は黒の中学生百合。

ネクロマンサー主人公のネネ、アンデッド剣士フランだけではなく、書籍版ではネネの親友ローズも加わって大幅改稿。女の子たちが残虐ファイトで暴れまくります!


『ネクロマンサー少女』と改題し、ヒーロー文庫様から6月28日に発売されます。

公式ページはこちら(https://herobunko.com/books/hero80/10074/)です。

イラストがめちゃくちゃ可愛いので、ぜひぜひご確認ください!

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