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十歳の最強魔導師  作者: 天乃聖樹


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いたずら黒猫

 結局、フェリスは黒猫からペンを取り返すことはできず、しょんぼりして女子寮に帰ることになった。


 それだけで終われば、野良犬に噛まれたようなもの、災難だったね、で終わったのだけれど。


 なぜかその後も、黒猫はフェリスの周りをうろちょろして悪戯を仕掛けるようになったのだった。


「えへへ……今日のおやつです……とっておきです……」


 フェリスがわくわくしながら自室のベッドの下から備蓄のパンを取り出すと。


「みゃー!!」


 いきなり黒猫が現れて、パンをかっさらっていく。


「ああっ! わたしのパンがーっ! 大事に取っておいたパンがーっ!」


 女子寮の廊下を必死に追いかけるフェリス。


 が、その前にアリシアが笑顔で立ち塞がる。


「フェリス……? 食べ残しをこっそり取っておくのは駄目だって、教えたでしょう……?」


「あわわわわ……! で、でも、もったいなくてっ! またいつ食べられるか分かりませんしっ!」


「いつでも食べられるわ! かびたパンを食べたら体によくないでしょう!?」


「ふえええ……ごめんなさぁぁぁい……」


 有無を言わせぬ目でアリシアから言い聞かせられ、フェリスは縮こまる。黒猫を捕まえるどころではない。


 ちょっと可哀想な気もするアリシアだが、これは教育なのだから仕方ない。鉱山奴隷だった頃の感覚が抜けていないフェリス、放っておいたらすぐ病気にでもなって倒れてしまいそうで危なっかしいのだ。


 翌朝、フェリスたちが女子寮を出発しようとすると。


「ひゃあああああっ!?」


 玄関を出た途端、フェリスは地面に置いてあった物体につまずいて盛大に転んでしまった。


「うぅぅぅ……痛いですぅ……なんですかぁ……」


 涙目でフェリスが見やると、その物体はフェリスの傘。ちゃんと自室にしまっておいたはずなのに、いつの間にか持ち出されてトラップのように置いてある。


 そして、そのすぐそばでは、例の黒猫がバカにしたような顔でフェリスを眺めていた。


「またあの猫! 何度も何度もフェリスをいじめて! もう許しませんわーっ!」


 激怒したジャネットが杖を構え、言霊を唱える。


 放たれた風魔術が周囲から樽を巻き上げ、掻き集め、樽が猫に襲いかかる。


「確保! ですわ!!」


 ジャネットが意気揚々と言い放ったとき。


「まったく……騒がしいのう」


 気だるげな声が聞こえ、魔法陣が猫の周りに展開された。


 魔法陣から生まれた旋風が樽を弾き飛ばし、同時に眩い光が猫の体を爆発させる。


 もうもうと舞い散る粉塵の中から現れたのは。


「猫の悪戯ごときに本気になるとは……童は困ったものじゃの」


 かの大災厄を巻き起こした咎人――黒雨の魔女が、闇の滴るような微笑をたたえて宙に浮かんでいた。

百合な新作の連載を始めました!


『美少女ですがネクロマンサーはキモいからと勇者パーティ追放されたので、二周目は先回りして魔王城目指します』


https://book1.adouzi.eu.org/n1424ez/1/


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