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194話 王都のギルドの掲示板

 やまと屋の大人達の食事が終わり皆がリビングへやってきた。


 山さんやヨッシー達にアンデッド氾濫の経過やダンジョン地下ボス討伐の話をした。



「という事はアンデッドはまだ解決していないと言う事ですね。まだ地下に篭っていた方がいいですかね?」


「どうだろう? タウさん、どう思う?」


「この街のギルドの指示待ちですかね。問題が隣国絡みですからそう簡単には解決しそうにありませんが、いつまでも地下に篭ってもいられないでしょう? アンデッドをクワモの向こう側に抑えて、通常の生活に戻らざるをえないでしょうね」


「そうですね、今うちの地下に開拓村の村長がいるんですけど、やはり村が気になっているようです」


「長谷川くんらはテレポートで村を見に行ったりしているようですね」


「あ、あの噂ってカオさん達の事じゃないですかね?」


「魔王馬車がクワモ高原を横切ったって話?」


「そうです、それ。行商人が言ってたって、村長に村の状況を伝えに来た安田さんから聞きました」


「カオっち、魔王馬車に乗って王都へ行ったの?」



 えええええっ、何だそれ。バフォ変身で馬車移動はしてたけど、目撃証言が『魔王馬車』!

 あ、パラさん達は大ウケしている。



「いや、普通の馬車……。全員変身はしていたけど」



 と言って俺はバフォに変身した。リビングを遠目に見ていた子供達から悲鳴が上がった。



「あ、ごめんごめん、これ変身しただけだから」



 と元に戻った。今度は子供達から関心の目か?何かキラキラとした目で見られた。



「あ、私、良い事考えちゃった! 山から降りてきたアンデッドって変身したカオっち達見て逃げたんでしょ? だからさ、バフォだっけ? それの案山子作って立てておいたらどうかな? 開拓村とか周りに立てたらよくない?」


「あっちゃん! サイコー、凄いよあっちゃん!」



 リドル君があっちゃんを褒め称えていた…。



「そうですね……、案外効果あるかも知れないですね。何もしないより出来そうな事はやった方がいいです。村長にも話してみます」


「あ、じゃあ蒼ちゃん、変身して。モデルになってよ、絵を描くから」



 え、マジなの?何故かタウさん達も止めない。それどころかとんでもない事を言い始めた。



「クラマスー、クワモ高原のあっちにも案山子立てたらいいんじゃない?」


「そうですね。王都のギルドにも提案してみます」



 タウさんまで……、本気か?


 B2の話になった時はやまと屋の皆は唖然としていた。


 ほらぁ、俺が言った通りでしょーがー。


 俺はアイテムボックスからコンビニで買ったチョコを出した。リドル君やアネさんはスタガの何ちゃらという飲み物をリビングの低いテーブルの上に出した。


 あっちゃんは俺を見て、リドル君を見て、何ちゃらドリンクを見て、俺を見て、チョコを見て……、



「コンビニあるって言った?」



 誰への問いかけか判らなかったが、俺とリドル君は深く頭を縦に振り頷いた。



「蒼ちゃん! 今すぐセボン行ってきて!」


「え? あ、うん?」


「ベビーローションあるかな? ベビーオイルはあるはず、大人でも使うし。綿棒は絶対ある。ベビー爪切りあるかな、無かったら出来るだけ小さめの爪切り、粉ミルク……はどうかな、哺乳瓶とかコンビニにないよね? ああオムツカバー欲しい、オシメは縫ってるけどオムツカバーあったら……いやコンビニだもんね……それと、あああああ、自分で買いに行きたい!」



 オロオロするリドル君を前にあっちゃんが猛っていた。そこにリンさんが笑いながら話しかけた。



「うちが行ってきてあげるよw うち子供3人いるから大体の説明で解る。でも明日でいい? あとで必要なモノをゆっくり話そうね。それからセボンだけじゃなくてマツチヨもあったよ」



 あっちゃん大喜びである。マツチヨは結構大きな薬局だからだベビー用品も色々あるそうだ。流石だ、リンさん。


 あっちゃんが少し落ち着きを取り戻して、リドル君が出したスタガのドリンクを飲み、「これじゃない!」と再び怒られていた。

 頑張れ、リドル君。





 翌日の朝食にパッピーセットを出した。子供達だけでなくヨッシー達にもだ。


 パッピーセットはパンケーキとジュースと枝豆サラダとオモチャのセットだった。

 他にいくつか種類があったが、同じセットを買ってきた。


 パンケーキを見たゆうご君が、

「それパッピーセットのモーニングですよね? あそこのマッツは時間に関係なくモーニングがあるんだ」とか呟いていた。……よくわからん。


 オモチャはプラスチック製から、木製や竹、紙に変化していた。子供達はオモチャに夢中になり、あっちゃんに怒られていた。



「こらっ。遊んでいいのはちゃんと食べ終わった子からだよ」



 マルクはパンケーキ3枚が多かったのか、一枚を俺の皿に乗せてきた。カワイイ。両手で掴んで頬張っている。(親バカ)


 おお!何と言う事だ!枝豆サラダの枝豆をテーブルに一列に並べて、端っこから一個ずつ食べている!クソ可愛いぞ。(親バカ炸裂した)


 弁当屋をやっている時は全員で一緒に朝食が摂れなかったので、こうして皆で食卓を囲むのは久しぶりだ。

 ゴブリンの氾濫に、ダンジョンに、アンデッドの氾濫と続いたからな。




 朝食後にタウさんは一旦王都へ戻るそうだ。

 ブックマークはしてあるのでお互いいつでも行き来できる。



 実は昨日、あっちゃんの出産準備の事で色々と話しているうちに、経験者が近くにいた方が良いだろうという事になり、リンさんと、パラさんの奥さんがこちらにきてくれる事になった。(パラさんの奥さんは念話で話しているうちに直接行く!という話になった)


 出産の時だけのヘルプではなく、産前から産後育児まで色々と相談に乗り助けてくれるそうだ。ありがたい。


 もちろん来てくれるのは家族ごとだ。

 リンさんは旦那さんに、パラさんは奥さんに、それぞれ昨日のうちに連絡して了承を得ている。



 リンさん一家とパラさん一家は王都のアジト近くの借家に家族で住んでいたそうだ。


 王都は家賃もそれなりに高く、狭い部屋に家族全員で住んでいたらしい。家族全員がひと部屋でくっついて生活するのは、また離れるのが怖い、というのも大きな理由だそうだ。



 タウさん、カンさん、ミレさん、ゆうご君、リドル君、アネさん、レモンさんの7人はアジトに住んでいるそうだ。


 アジトは男性部屋が2つ、女性部屋が1つに客室が1つあるそうだ。

リドル君もあっちゃんの部屋へと引っ越してくるので、アジトは男性4人と女性2人が寝泊まりする事になる。



 うちの三階はキックとナオリンがよく使う部屋を除いてもまだ、大きな部屋(続き間が2つ付き)と、中くらいの部屋が2つ、小さめの部屋が3つ空いている。


 大きな部屋にはパラさん一家が、パラさん、奥さんとお嬢さん4人(10歳、7歳、5歳、2歳)が入る。


 リンさん一家は、リンさんと旦那さんと息子くん(5歳)が中くらいの部屋、娘さん2人(12歳、10歳)がその隣の部屋へ入る事になった。


 早速名前の紙を扉に貼って置いた。


 パラさん一家とリンさん一家の荷造りが終わったら連絡をもらい、迎えに行ってエリアテレポートで連れてくる手筈だ。パラさんとリンさんも王都へ戻っている。


 リドル君も荷物を取りに戻ったが瞬速で戻ってきた。あっちゃん、愛されているなぁ。

 こちらはリドル君があっちゃんから目を離したく無いとばかりに、あっちゃんの周りをウロウロして怒られている。



 アネさんやミレさん達は空いてる部屋に滞在して暫くダンジョンを楽しむそうだ。


 主にフルーツ狩りとB2だろう。

 さっき戻って来たリドル君が、リビングでマルたんを腹に乗せて転がっていた俺の元にやって来た。


 あっちゃんに「少しあっちに行ってて!」と怒られたので俺のところに来たそうだ。



「カオさんカオさん、これ、王都のギルドの掲示板を写真に撮って来たんですが」



 スマホの画面を見せられた。


 ギルドの掲示板の写真を?何故?と疑問に思いつつ寝転がったまま画面を覗いた瞬間、飛び起きた。

 転がり落ちそうになったマルクを慌ててキャッチした。俺は画面を凝視したまま大声を上げた。



「山さん! 山さん! ヨッシーぃ、誰か、山さん達どこにいるか知らないか!」



 キッチンから驚いたようにユイちゃんとアリサが顔を出した。



「どうしたんですか? カオさん」


「山さん達どこ?」



 俺はマルクを抱き直してから立ち上がった。



「さっき山さんとヨッシーさんは裏庭に洗濯に行きました」


「あ、俺、呼んできますね」



 シュロがリビングから駆け出して行った。



「ユースケは?」


「さっきダン達と地下に降りて行きました。呼んで来ましょうか?」


「俺が行く。あ、リドル君、このスマホちょっと借りるね」



 俺はマルクを抱いたまま廊下の奥へと進み、地下へ降りる扉を開けて階段を降りた。



「ユースケ!」



 俺が大声を上げると幾つかの扉が開いた。



「どうしたんだ?」

「どうしたのカオさん」



 開拓村の村長やバズッドさんの奥さんが顔を覗かせた。



「あ、すみません、大声を出して……ユースケを探していて」


「カオくん、ここだよ」



 ユースケは地下の1番奥のトイレにしている部屋から顔を出した。

 手に雑巾を持っていたから掃除をしていたようだ。



「ユースケ! 大変だ! あ、山さん達も呼んだから兎に角上に来てくれ」



 ユースケを連れて一階に戻ると山さんとヨッシーもそこにいた。



「どーしたんだよ、カオるん。珍しいな、そんなに慌てて」


「また何か事件ですか?」


「違うんだ、これを見てくれ」



 俺はリドル君から借りたスマホの画面見せた。

 画面が小さいので3人が頭をつけるようにして覗き込んでいた。



 そう、リドル君が王都のギルドの掲示板で撮って来た写真、それは掲示板に貼られた紙の写真だった。


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『探しています!』

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〈妻を探しています〉

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三好守、安田哲次、春川則次

中松蒼司

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