151話 24F(地上3階だけども)
ゴルダが行き止まりの壁の前に立つと壁が左右に開いた。
ゴゴゴゴ
目の前には上に登る階段があった。
「また階段ですね」
「上は24Fかな」
「ですね。きっと」
「どうする? ゴルダ」
「ふむ、23Fはスライムしか出なかったな。24Fを少しだけ進んでみるか」
「ここがダンジョンなら、階が上がると魔物も強くならないか?」
「ああ、おそらく。24Fの魔物は強くなるだろうが、23Fがスライムなので次の階で急激に強くなる事はないと思うぞ」
「確かにそうだな? スライムの上のフロアだと…何だろ? ゴブリン…コボルト…とか、あと何だろ」
「ホーンラビットとかか? スライムとウサギだとどっちが強いんですかね?」
「そもそもスライムを魔物とカウントするべきか」
「どういう事だ?」
「通常、スライムは見つけても倒さない。生捕りにして持ち帰る」
「何で? スライムは何かの材料にでもなるのか?」
「いや、スライムは生きたまま使う。スライムの消化能力は有益だ。厠やゴミ捨て場、それと下水路などにスライムを放すと汚物を消化してくれるからな」
「へええ…小説みたいだ…」
「え? でも街でスライムなんか見た事ないぞ?」
「うちのトイレにもいませんね」
「ああ、スライムはなかなか見つからないのが難点だ。街でもスライムを使っているところは少ない。だから今回、ここのダンジョン、23Fでスライムが湧く事がわかったのは僥倖だ」
「へええ」
「とりあえず、24Fへ上がるぞ。24Fには何が出るのか確認して、街へ戻るとしよう」
「そうですね。ずっと緊張しているので疲れました」
「うん、休みたいです」
そうしてゴルダを先頭に皆んなで階段を登った。階段を上がると壁に24Fの文字があった。
24階か。実際には地上3階だけどな。
通路の見た目は23Fと変わらずだ。ライトを設置しつつゆっくりと進んで行く。
マップを開いたが、まだほとんどグレーのままだ。だが、道が描かれていないマップの自分達の前方あたりに赤い点が映っていた!
「敵がいるぞ! マップに映った!」
俺の声に反応してキックと山さんがマップを見た。
「地図に道は出てないのに近くに赤い表示が出てる!」
「何か、いますね。自分らを敵認定してるやつ…」
なるほど、スライムがマップに赤く映らなかったのは敵認定されてなかったからか。
という事は、この先、割と近くに俺らを敵認定している何かがいるって事か。
「お前達はそこにいてくれ」
ゴルダが進んで行く。
「ギギギッ」
ザッシュッ!
「ギィィィッッ」
「ゴブリンか」
魔物はどうやらゴブリンだったようだ。俺らから数メートル程先の十字路で横から出てきたゴブリンを倒し、ゴルダが戻ってきた。
「一度、街へ戻ろう。この建物がダンジョンなのはほぼ確定だ」
全員が頷くのを確認した。
「帰還スクを使ってくれ。街の門中に戻るはずだ。全員見送ってから俺も帰還する」
「わかった」
「はい」
「オケー」
「オッケーです」
「カオくん気をつけてな」
シュンッ シュン
シュン、シュン、シュン
そして俺も帰還スクを使用した。
-------ゴルダ視点-------
死霊の森にダンジョンが出現したのは確かなようだ。戻ったら、王都へ連絡せねば。
ふぅ。
ここは街としては大きくない。むしろ小さい。
なので冒険ギルドの長としてギルド以外の街の事も統べてきたが、ダンジョンが出現したとなると人が増えるのは必須。
俺ひとりではどうにもならん。そのあたりの人繰りも王都に依頼だな。
俺が、ダンジョンに潜りたいというのもあるがな。
ああ、潜るとは違うのか。塔型だからな。




