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146話 死霊の森のやまとビルが?

 へぇ、ビルって伸びるんだ?って、伸びねぇだろ!


 自分にツッコミを入れた。



 やまとビルでブックマークをしたのは間違いないので、ここに22階のフロアがあったのは確かなはずだ。

 だが今、目の前には正体不明の建物があった。


 なんじゃ、こりゃあ。



「これ……完全にうちの会社のビルじゃないよね?」


「そうですね。そもそも、鉄筋コンクリートっぽくないですね、これ……」


「一瞬、もしかして、23階から上も移動してきたのかって思ったけど……完全に違う建物だな」



 そう。


 日本にあったやまと商事のビルは鉄筋コンクリートで真四角の40階建てだった。


 だが今、目の前にある建物には窓ガラスはなく、窓さえもあるのかわからない見た目であった。



「なんか、おどろおどろしい建物ですね」


「壁がクネってるな?」


「スペインの…………何でしたっけ、あれ」


「ガウディ!」


「あ、そう、それ! これはガイディっぽい建物ですね」


「あそこ、変な彫刻とかあるし」



 変な建物に気を取られて、マップを確認してなかった。慌てて確認すると近くに赤い点はなかった。よかった。

 マップのかなり遠くには赤い点があったが近づいて来てはいないようだ。



 目の前の、石で作られた扉が目に入る。


 ゴツゴツしているのにドロドロした感じの石で作られた高さ4〜5メートルはありそうなデッカイ扉だ。


 どうする?入ってみるか?待て、入った途端にドアが閉まってしまい、出られなくなるかもしれない。


 入るなら、しっかり準備をしてからにしよう。俺は危ない橋は絶対渡らない主義だ。



「一度、店に戻って作戦会議をしよう」


「そうだね」

「うん」



 店に戻った。



 裏庭にテレポートで戻った俺たちはゾロゾロとリビングへと向かった。

 行ったと思ったらすぐに俺たちが戻ってきたのであっちゃんが驚いていた。



「どうだった? 事務フロアあった? なかった?」


「なかったような?」


「無いけど何かがあった」


「なんかあった」


「何があった?」


「ガウディ?」


「はぁああああ?」


「これ、見たほうが早いです。写真とってきました」



 ナイス、ユースケ。あの短時間でスマホで撮影したとは!

 あっちゃんだけでなく、みんなも覗き込んだ。



「何、コレ…なるほどガウディっぽい」


「事務フロアが無くなってコレが建ってました」


「なんですかね、この建物…」


「これは、あれだな。ギルドに報告した方がよいな」


「そうだな。俺たちだけでどうこうの話じゃないかも知れん」



 ダンにギルドまで走ってもらいゴルダを連れてきてもらった。




「これは、おそらくだが、ダンジョンだな」


「ダンジョン?」

「ダンジョン…」



 ゴルダはユースケのスマホの画面を食い入るように見ていた。



「しかもこれは、珍しい、塔型のダンジョンだ」


「珍しいというと普通は違うのですか?」


「この国にあるダンジョンは地面を潜る洞窟型だ」



 なるほど。ゲームや小説でもダンジョンというと一般的に洞窟のような地下にあるイメージだが、まれに塔型のダンジョンもある。


 俺がやってたゲームでも100階建ての塔のダンジョンがあったな。塔型は高レベル用のダンジョンで、俺はせいぜい10階がいいとこだった。


 さっき見てきた死霊の森の塔は100階もなかったな。せいぜいが20階かそこらの高さだろうか?俺のゲームは無関係か…。



「この国にあるのが洞窟ダンジョンってことは、塔型ダンジョンは他の国にはあるのか?」


「ああ、聖アデム王国には塔型のダンジョンがあると聞いた事がある」


「へぇぇ」


「あの、洞窟ダンジョンと塔ダンジョンって何か違いがあるんですか?」


「それ以前にダンジョンとかよくわからない」


「ゲームでほら、ピコピコ動く人が5人とか縦に並んで歩いて行って、壺とか割るやつ。スマホでやってたー」


「壺をわる?」



 あっちゃんはやってたスマホゲームを説明したらしいがゴルダには理解してもらえなかったようだ。

 ゲームでは壺の中によくお宝が入ってるから。



「洞窟型ならこの国にもダンジョンはあるのか。この街の近くにもあるのか?」


「いや、王都の方だな。ここからは遠い」



 ふむ、そうなんだ。



「ダンジョンは魔物の巣窟だ。ただ、倒すと何故か死体が残らない。淡い光となって洞窟内の壁に吸い込まれる。冒険者がダンジョン内で死んだ時もそうだ」


「着ていた服や武器も?」


「いや、それは残される」



 え…、パンツ(下着)が残されるのは嫌だな。



「地上で死んだ魔物はそのまま残るので血肉や角骨を持ち帰り色々な事に利用されている。ダンジョンはそれがない代わりにお宝が落ちる」



 お宝…ドロップ品か。



「塔型の情報は王国が握っていてほとんど入ってこないんだが、以前にあちらから流れてきたSランク冒険者から少し聞いた事がある。塔は罠も多く、魔物も湧き方が尋常じゃなかったと」



「まぁでも、これが塔型ダンジョンと決まったわけじゃないしな」


「これがダンジョンでないとしたら何だ?」


「え……? ダンジョンじゃないとした……ええと、ダンジョンじゃないとしたら…タワーマンション?」


「は?」



 すみません。みんなの白い目に耐えられなくてすぐに謝った。

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