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137話 中庭の女神達

 発見した女神像の倉庫から、ゲーム時のアイテムを自分のアイテムボックスに、全て移し終えた。



 この世界に転移して、ゲームキャラの魔法や武器が使えるだけでもかなりのチートなのに、まさか倉庫に突っ込んであったアイテムまで貰えるとは!


 どんだけ俺得なんだよ。ニマニマと顔が緩んでしまう。


 スクもPOTも大量にあるから皆んなに配れる。

 装備や武器も、ゲームではショボイドロップ品だったが、この世界では街の周りくらいの敵になら使えそうだな。



 すぐにでも家に戻って皆んなに話したかったが、今はまだそれぞれ出かけてる最中だろう。


 ギルドのゴルダのところに行くか。


 いや、待て。もう少しこの中庭を探ろう。女神像はこれ一体じゃなかった。他の像にも何か秘密があるかも知れない。

 そう思い、近くの女神像へ向かった。



 開いた本を持つ女神…………。うん。怪しいぞ。


 とりあえず触れてみた。あ…、目の前に文字が!



『魔法を習得しますか? YES NO』



 おおお!YESを触る。



『習得出来る魔法書がありません』



 なんだよ!



『スクロールを作成しますか? YES NO』



 お!ブランクスクロールなら持ってるぜ!もちろんYESで!



『作成する材料が足りません』



 なぁん〜でぇ?俺持ってるじゃん、ブランクスク。それじゃダメなのか?何が足らんの?


 期待させて落とされて、期待させて落とされてプリプリしてしまった。フンス。この女神像は魔法習得…系の女神像か。



 ゲームとは違うな。ゲームでは確か、魔法の習得は神殿の泉かどこかで行っていた記憶がある。それとスクロールは店買いかドロップだった。


 そうだ、ブランクスクロールはWIZが自分の魔法を籠めるスクロールだったな。

 まぁ、俺がやってた10年以上前の話なので、その後に『スクロール作成』システムが導入されていても不思議じゃない。



 ところで、何のスクロールを作成してくれるのだろうか?あと、材料が何なのかわからん。神殿長とか司祭が知ってるかな?聞いてくるか。


 あ、その前に他の像もチェックしよう。俺は中庭の探索を続けた。



 すぐ近くにもう一体の女神を発見。


 剣と金槌を持っている。これは、あれだ。鍛治の女神か?


 触ってみるか、いや待て。まず、武器を持ってから触ろう。武器を持ってませんとか言われそうだからな。


 アイテムボックスからショートソードを取り出し、女神に触れた。



『この剣は壊れていません』



 はい!ビンゴ!鍛治の女神だ。


 いや、ゲームでは街の鍛冶屋に破損した武器を持っていくと修復してくれるシステムだったがな。システムが変わったのかこの世界の神さま仕様なのか。もしくは他のゲームの仕様なのか。



 さらに、薬草畑やちょっとした野菜が植えられている畑の間を抜けながら他の像を探す。

 いくつか像を発見したが、触っても何も起こらなかった。



 神殿に近い所まできた時に大木の陰に像を発見。


 右手に花、左手に小瓶のような物を持っている。怪しいので即触ってみた。



『材料が足りません』



 はい!出たぁ!

 って、いや、何の材料だよ!恐らくだが、POT作成だな。花と小瓶……薬草と入れ物を用意するのか?



 とりあえず、神殿長に聞いてみるか。そにまま中庭から神殿に入り神殿長の部屋へ向かった。ノックして返事をもらったので入った。




「…………中庭の、女神像ですか?」



 神殿長は全く知らないとばかりに首を傾げていた。そもそも中庭にはほとんど行ったことがないそうだ。

 中庭の野菜畑や薬草畑は教会の者らが世話をしていたそうだ。



 お礼を言って教会へ行こうとしたら神殿長もついてきた。神殿の廊下から教会の廊下を通って司祭の部屋へ。そこで神殿長にしたのと同じ話をした。



「いえ、私も知りませんね」



 ザイアス司祭も驚いていた。ちょうどシスターが飲み物を運んできた。



「え?中庭の女神像ですか? たまに子供達と遊んでいる時に触れたりしましたが、特に何かが起こったりはしませんでしたが…」



 うぅむ、そうなのか。地球人だけなのか?もしくはゲーム経験者だけ…か、俺のみ?あ、同じゲームのキックはどうどろう。



 神殿長が見てみたいと言ったので4人で中庭に出た。


 教会に一番近い女神像のところに来た。カバンを持った女神だ。神殿長がカバンに触れるとビクっと身体を硬直させた。



「あ…」


「神殿長? 何か起こりましたか?」



 司祭が期待の混ざった眼差しを神殿長に向けた。



「あ、ああ、……さ、触った瞬間に、目の前に文字が」


「何と?!」



 出たんだ?倉庫が?



「あ、ええ、預かっている物はありません、と…」



 ですよね。

 うん、神殿長は倉庫に何も入れていないから、そんなメッセージが出たのか。メッセージが出るという事は使えるって事か?



「ほおおお」



 感激した様子で司祭とシスターも女神像に触れた。ふたりで同時に触るのはダメみたいだ。



「ダイアン、まず私が先に触れます」


「あ、申し訳ございません」



 オタオタとしながらシスターが後ろに一歩下がった。



「おお!」



 そして次はシスターが。



「まあああ」



 ふたりにも出たようだ。って事は誰でも使用可能なのか。地球人でなくてもゲーム経験者でなくても。


 俺は足元に転がっていた小さな石を拾って司祭に渡した。



「入れる事が出来るか試してみてくれ」



 渡された石持ってどうしたらよいか悩んでいた司祭の手の平から石が消えた。



「おおお!」


「え?」


「どうなっている?」



 神殿長とシスターの前で司祭の手のひらに石が出たり消えたりしていた。倉庫に、入れたり出したりしているな。


 見ていた神殿長達も石を拾って交代で女神に触り出し入れを試していた。


 ひとしきり騒いでふと我に返って少し恥ずかしげな3人を連れて他の女神像も回った。しかし、他の女神像では何も起こらなかったそうだ。


 何が起こったのか聞かれ、話すべきか一瞬悩んだが隠し事は面倒くさいのでありのままに答えた。


 稀人にのみ反応するのかと納得していた。あとであっちゃんやヨッシー達にも触ってみてもらおう。



 シスターの話から、以前触った時には何も起きなかったとの事だった。

 今回大勢の稀人が来た事で、世の理りの何かが変わったのだろうと、神殿長達は落ち着いたのだった。



 倉庫女神は「入れた人しか出せない」と注意をしておいた。


 そうそう、ゲームと違い出す時に30G要求されなくて良かったな。石ころ出すたびに30金貨要求されたらたまらないからな。

 まぁ、俺はたっぷり入るアイテムボックスがあるから倉庫女神さまには預けないけどな。

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