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118話 冒険者ランクと職業

 ステータスを見ていたユースケが何かに驚き、声を上げた。



「あ! わあああ、討伐者になりましたぁ」



 いきなり何を言い出したのか解らなかった。



「ステータスの職業欄に! 討伐者が表示されました!」



 その言葉にそこにいた全員が自分のステータスを開き確認をしていた。釣られて俺も自分のステータスを見た。そうだ、俺は元々表示されていたんだっけ。


 この世界に来た時のステータスには職業:WIZ、ELF、DKN、HKNの四つが載っていた。

 ギルドで冒険者登録をして街の外で狩りをした後、HKNの後に討伐者が増えていた。


 この世界ではギルドに登録するとランクEから始まる。

 街中でギルドの依頼をこなすと職業欄に『探索者』が発生する。街の中の仕事をある程度こなすとランクはDに上がる。


 Dから街の外に出てよいのだが、薬草採取やケモノ討伐では次の『職業』は発生しないそうだ。

 おそらく、1匹でも魔物を倒した時点で『討伐者』になるのだろう。その先は、それぞれの才能によって変化していくと聞いた。



「俺も出たぜ! 討伐者あああ」



 ヨッシーも嬉しそうに叫んだ。

 俺、ヨッシー、ユースケの3人はギルド登録後に街の仕事をこなしてランクDに上がっていた。


 ユイちゃんは途中からギルドを通さずに街中で働いていたのでEのままだ。

 あっちゃんも妊娠中なので家事をお願いしていたからランクはEのまま。


 俺たちは街の外で薬草採取はした事があったが、その時は魔物を倒していなかったのでヨッシー達の職業欄は探索者のままだったのだ。



「今のツノの生えた……何だろ? イタチ? テン? わかりませんが、それ倒したからですかね」


「おう、あれは凶暴そうな巨大ネズミな魔物だな」


「ホーンラビット、角ウサギかな。ホーンラビットは魔物だから初討伐成功って事だな。おめでとう、ヨッシー、ユースケ」



「僕がやったのはただのウサギだったから討伐者にならないのか」



 山さんは若干残念そうだった。



「私も猪だからただの獣カウントなのかぁ、残念」



 ナオリンはイノシシをワンパンで倒していたのにな。ゴブリンも簡単に倒しそうだ。



「あれ? でも自分は脱走事件の時にゴブリン倒したのに載ってないなぁ」



 キックが不思議そうに自分のステータスを確認していた。



「え? そうなんですか? 何でだろう? キックは元からダークエルフって職業持ちだから…ですか?」



 みんなも不思議そうな顔をした。



「いや、たぶんだけど、ギルドのランクがまだEだからじゃないかな? 討伐者が表示されるのはDからって聞いた」



「なるほど、そういう事かぁ」


「山さん、キック、ナオリンは、街中の仕事をもう少しやってギルドでランクDに上げてもらわんといくら倒しても『討伐者』付かないんじゃないか?」


「へええ、この世界の謎システム、謎だけど神システムですね」



「とにかく、村の寝床と畑がある程度見通し立ったら、未登録の人達の登録をまず済ませたいな」


「出来れば、交代制で開拓しつつ街でも仕事して全員が最低ランクDまでにはした方がいいですね」


「それ以降なら村近辺で弱い魔物を狩ってれば職業が付いてくるだろうし」


「ゲームステータスがない者でも職業やスキルが付けば、何かあっても死にづらくなるだろうし」


「開拓村の人達はどうなんだろう? 今度聞いてみて、未登録ならこのタイミングで一緒に取った方がいいよな」



 そんな感じの話をしていた時、突然ヨッシーが皆んなから少しだけ離れた場所に立った。



「っふ。俺はまだランクDになりたてだが、実は魔法が使えるのさ。見せてやろう、俺の奥義を!」



 ニヤリと悪そうに口の片方だけを持ち上げてヨッシーが手を前に突き出した。



「俺の聖なる右手に宿りし水の精霊よ」



 ……いや、宿ってないよ?どした、急に。



「今、ここに、命の水をほとばしゅろ」



 ……噛んだ?



 突き出したヨッシーの右手の平からポタポタと水が湧き出した。



 ……生活魔法ね。



「おおおおお!」


「すっごおおおい」


「すごい!石原さ、ヨッシーさん魔法スキル持ちですか!」



 山さん、ナオリン、キックは驚いていたが、ユースケと俺は冷静な目でヨッシーを見ていた。

 ヨッシーは俺とユースケの方を見てドヤ顔をした。



「習得したぜ、水魔法」



 だから、生活魔法だって、それ。するとユースケが無言で右手を前に突き出した。



「水よ出ろ」



 チョロチョロチョロ


 うん。精霊が宿らなくても出たね。容赦ないな、ユースケ。

 ヨッシーが涙目になってるぞ。



「何だよぉ、ユースケいつ習得したんだよ! ズルいよ、言えよなー」


「ふふふ、教会の中庭でヨッシーが練習しているのを見て僕も練習しました」



 実はあっちゃんとユイちゃんも生活魔法の「水」と「火」が使えるようになったと本人達から聞いていた。

 家事の合間にアリサに教えてもらっていたそうだ。



「これはこの世界の魔法なんだけど、生活魔法って言って、頑張れば使えるようになるらしい」


「ほおお、是非教えてくれ」


「これもできるだけ皆んな覚えた方がいいぜ」



 ヨッシーが気を取り直して嬉々と説明していた。



「とりあえずもっと食料を獲りましょう。村全員分の食料ですから」


「そうだな。まだイノシシが一頭、ウサギ三匹、ホーンラビットが一匹だからもっと頑張らないと」


「やる事がたくさんですね」



 やるべき事は山ほどあるが、何となくみんながやる気に満ちていて楽しそうだった。


 あと、狩った獲物はすぐに血抜きしないと臭くなるって、何となくどっかで読んだ気がする。

 それぞれの獲物の足にロープをくくりつけ近くの木にぶら下げた。



「血抜きってどこから抜くんだ?」


「手首?」


「いや、リストカットじゃないんだから」


「太い血管ってどこだ?」


「首とか……脇?」


「え?知らん」


「こっちの凶暴なやつはクビが切れてるからいいか」


「イノシシのクビってどのあたりだ?ここ?」


「もっと上では?そこだと肩…というか背中」


「イノシシ、クビがねええええ」


「心臓が一番血が出そう」


「「「「「心臓だあああ」」」」」



 血抜きした事がないサラリーマンの集まりなんてこんなもんさ。

 スーパーに売ってるのは血が出ない肉だったしな。


 俺は村に帰って聞いた方が早いと思い、テレポートで村長に聞きに行った。




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『登場人物リスト』  ※118話現在


【街組①】※主人公グループ。ギルドの依頼で生計をたてている。現在は教会でお世話になっている。

鹿野香 カオ(ゲーム名:カオ)主人公 事務統括本部第六係 派遣社員

山川次郎 山さん(ゲーム名:ヤマカワジロウ)   部長

織田祐介 ユースケ  第四係係長

石原良信 ヨッシー   第五係係長

中松あつ子 あっちゃん(ゲーム名:ナカマツアツコ) 第六係

大森ゆい ユイちゃん   第六係

アリサ  主人公カオが街で初めてあった子供 8歳

ダン   アリサ、マルクとスラムに住んでいた 10歳

マルク  アリサ、ダンとスラムに住んでいた 2歳


【街組②】※お局グループ。カオらがいた借家を乗っ取る

土屋、中倉、上戸、飯星、神島 第三係 パート  派遣イビリのお局軍団。

上野、田畑  第三係 社員  パートのお局軍団の言いなり。

北本、上尾  第五係 社員  お局達に逆らえない。


【街組③】※開拓村を脱走、街希望。ギルドの依頼を受けるが…

名無し第一係 契約社員7名

三好 第四係 社員(脱走時に置いていかれる) とにかくサイコパス

小川 第六係 社員 自分にしか興味がない。

中野 第六係 社員 他人に興味がない。


【街組④】※神殿→借家→スラムに住みギルドの依頼で生計をたてる

渡辺 第六係 男性社員 係長に逆らえず鹿野の功績を横取り

大山 第六係 男性社員 係長に逆らえず鹿野の功績を横取り


【開拓村組 女性】

佐藤、山田、加藤、原田、門井 第一係 契約社員 脱走するが生き残る。

大塚、大久保   第二係 脱走するが生き残る。

立山       第三係 街組から開拓組へ。農業経験者。

水戸、石岡、友部 第四係 脱走せず村に残った。

西野       第四係 街組から開拓組へ。

         街に居た時からナオリンと一緒にギルドの依頼をよく

         受けていた。

新田奈生(ゲーム名:ナオリン) 第四係 街組から開拓村へ。

              冒険者としても積極的に依頼を受けている。

安田       第六係 脱走するが生き残る。


【開拓村組 男性】

長谷川 副部長   養生のためしばし教会に。

押尾係長 第三係 街組から開拓組へ。街にいた時にキックと行動を共に。

菊田弘(ゲーム名:キック) 第三係 街組から開拓村へ。

            ギルドの依頼は押尾係長と共によく受けていた。

            カオと同じゲームの経験者。

青山、日比谷、赤坂 第四係 脱走せず村に残った。

所沢、入間、藤沢、飯星 第五係 脱走せず村に残った。


【開拓村 脱走時死亡】※51名

名無し 第一係 契約社員38名

大崎、他7名   第二係 社員 カオ(派遣)を見下していた。

大倉、小島、中倉 第五係 社員 派遣イジメを行っていた。

島健介  第六係係長  気に入らない相手に嫌がらせをする。

            特にカオに対しての扱いが酷かった。

            実は中松さんに対してもパワハラをしていた。

春川   第六係 社員


【この世界の人たち】

ゴルダ  ギルド長  見た目は怖いが頼りになる男

ヒューゴ、メリー、バルトロ  Dランク冒険者。パーティ名:竜の慟哭

ザイアス司祭  教会の司祭さま

スワンダ 開拓村の村長

タルタ  開拓村の子供。長谷川(副部長)に懐いている。


【カオのイッヌ】

クラシック シェパード

エンカ   ドーベルマン

ゴスペル  セントバーナード


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