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107話 第二作戦へ移行…は無理

『ううむ、どうするか。作戦第二弾に移行するにはまだまだ多すぎる』



 部長がゴルダに伝えてようとした時、それまで黙って念話を聞いていたキックが割って入った。



『あの…カオさん、ウィズですよね?範囲魔法、使えませんか?出来れば広範囲の』



 キックから突然そんな事を言われた。


 範囲魔法、しかも広範囲のもの。

 引き狩りを開始した時、一匹ずつタゲを取るのが面倒で調べた。ステータス画面の魔法欄を開き、持ってる魔法を確認した。


 俺がやってたあのゲームの範囲魔法か。

 火魔法のファイヤーストーム、ファイヤーウォール、メテオストライク。だが火魔法は森林大火災になるからダメだな。


 水魔法はフローズンクラウドとブリザードか。


 地魔法のアースジェイル、イラプション、アースクエイク。どれも範囲はそれほど広くない。


 風魔法のトルネード、も狭い範囲だな。いや、実際に使ってないからわからないか。


 使えそうなのは水魔法だが……。フローズンクラウドはこの世界に来た翌日、1人で森を抜けたところで使った。


 ウン◯を消すために魔法を試していた時に一度使った。

 辺り一面が凍りついたけど範囲としてはそんなに広くなかった。連発すれば500くらいは凍らせる事が出来るかもしれない。


 が、あの魔法は凍らせて動きを止めるためのもの。魔法が解けて戻る前にトドメを射さなければならない。

 今回のような大量発生の処理には向いていない。使い勝手が悪すぎる。


 もひとつの…と考えていた時、キックが続けた。



『あの……ブリザードって、使えませんか? カオさんのレベルがわからないですけど、ブリザードって持ってませんか?』



 キックが同じゲーム「ライン・エイジ・ファンタジー」である事は知ったばかりでゆっくり話す時間はなかったのでゲームの話はしていなかった。



『ブリザードならゴブリン程度、結構な範囲で瞬殺できますよね?』



 確かに…そうだ。

 でもそれは、ゲームでだが。

 俺が答えに詰まっていたからかキックは慌てた。



『あ、もしかしてまだ使えないレベルですか? すみません』



 俺も慌てて返事をした。



『あ、いや大丈夫。ウィズのレベルは56だったから魔法は10レベルまで全部覚えてる』


『え、すごいですね。レベル56! 高レベル者ですか』


『あ、いや、10年くらい前にゲームから離れちゃったし。一緒にやってたナイトとかエルフのやつらは、すでにレベル70超とか聞いてたし』


『それならブリザード……どうでしょう』


『確かにブリザは広範囲の魔法だけど』


『自分はレベル30あたりでやめちゃったんですが、同じクランのやつに誘われて闘技場イベントを観に行った事があったんですよ。闘技場にレベル1〜50までのモンスターが大量沸きするするやつ。ウィズ数人でブリザード連発して 中ボス以下を瞬殺してましたよね。アレ観て自分のダークエルフに限界を感じてゲームやめました』


『ええ!いやいや、ダークエルフはすごく強いし成長も速くて羨ましい種族だぞ』


『え?そうなんですか?』


『ああ、まぁゲームの話はいずれゆっくり』


『あ、すみません』


『で、ブリザなんだけどな、この世界ではまだ使った事なくて、問題がふたつ、ある』


『問題?』

『問題とは?』



 部長も念話に加わってきた。



『まず、範囲魔法の広さが不明。この世界では魔法の威力がゲームとは結構異なっている。例えば明かり魔法のライトはゲームでは30分だがここでは5時間ついたままだった。召喚したモンスターはゲームでは10分で消えたがここでは2時間経ってもまだ消えていない。それにMP、ステータスに数字が出てないので詳しくはわからないが、魔法を使った時のMPの減りがゲームよりあきらかに少ない』


『いい事だらけじゃないのか?』


『そうですね、さすがウィズ。羨ましい』


『確かにウィズとしては嬉しい限りだが、魔法をちゃんと把握していたら、の場合だ』


『どういう意味です?』


『つまり効果が絶大すぎるという事は、ブリザの範囲がどこまで広いかわからない』


『え?広ければ広いほど良いのでは』


『万が一、ブリザードの範囲が、街の近くにいる冒険者や街まで届いたら』


『?』


『ゲームでは攻撃魔法は敵のみに作用した。目の前や近くに人や味方がいて、そこに魔法を撃っても効果はなかった。ゲームだからシステム上、敵のみ打撃を受けるようになってた。でも、この世界では、どうだ?』


『!』


『人に向けてファイヤーボールを撃ったら……。試してないからわからん、というか、怖くて試せないけどな』


『つまり……ブリザードは僕らも攻撃対象になるかもしれないと?』



 しばし沈黙の後部長がゴルダから伝言を託された。



『鹿野くん、ブリザードをぶっ放せって、ゴルダさんから伝言。今の話を伝えたら、外にいる冒険者や迷路岩の人達もすぐに街に戻るように指示を出したって。西門からなるべく遠く、東側方面の建物の中へ全員待機するそうだ。鹿野くんは出来るだけ街から離れた森林でブリザードを放ってほしいって』


『ふむ。ブリザードの範囲がそこまで広くない事を祈るが……。わかった。移動はどのくらいで完了するか聞いてくれ』



『今から半刻…30分後で。あと、迷路岩の冒険者をテレポートで街まで送ってくれって』


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