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104話 ゴブリンの氾濫 作戦開始前夜

 -------(カオ視点)-------



「すみません、遅くなりました!」



 俺はそう言いながらギルドへ駆け込んだ。

 俺が来るのを待ち構えていたゴルダは、すぐさま2階の部屋へ俺を引き込んだ。



「待ってた。そっちの報告は後でゆっくり聞く」



 そっちの報告?ああ、逃げ出したやまと社員の話ね。本当にとんでもないタイミングで脱走してくれたな。



 ゴルダは部屋の中央に置かれていた机の上に広げた大きな地図を指差しながら説明を始めた。



「すでに皆予定の位置についている」



 指差した場所は『迷路岩』と言っていた場所だ。

 岩を避けながら進む迷路のようで、大きな岩が集まってる場所はだいたい5箇所。


 左上の岩場を「1」として時計回りで2、3、4……5の右下から抜ける感じか。


 俺は1の岩場を指差した。



「ここから入って、こうまわって、ここで抜ける。1、2、3、4、5、それぞれで待機してるやつらに俺が引いたゴブリンを叩いてもらう」


「ふむ。俺は街の西門前で指揮を取るが、1から5の冒険者達と共にギルドの連絡係もそれぞれ待機させてある」


「連絡係? どうやって連絡を?」


「魔法だ。通信魔法を使えるやつを待機させた」



 何!通信魔法だと?そんな魔法があるのか、この世界。



「お前との連絡はどうする」



 ううむ、俺は通信魔法は使えない。転移組とはフレンド登録していれば念話が使える。

 しかし、危険な前線に連絡係としてヨッシー達に出てもらうのもな……。



「ちょっと待ってくれ」



 ゴルダに一旦断ってから神殿にいる部長達にパーティ念話をおくった。


 ヨッシー達とは普段からパーティを組んでいたし、さっきそこに部長、菊田さん、新田さんの3人を追加でパーティに入れたので8人パーティ全員に念話を送ったことになった。



『ゴメン、みんな、今大丈夫か?』


『カオっちー、どしたの?』


『カオさん大丈夫ですよ』


『鹿野くん?』


『あ、部長、すみません、鹿野です。菊田さんと新田さんも聞こえてる?これ、パーティ念話なんだけど』


『うっわーすごい、初めてです』


『はい。聴こえてます』


『よかった、時間ないから詳細は省くけど。今ギルドに来てて、ゴブリン討伐に参加するんだけど、連絡係が欲しいんだよ』


『連絡係〜?』


『うん。なんかこの世界の人はえーと通信魔法とか言うのがあるらしいんだけど、俺は使えなくて』


『ほおおお』


『そんなんあるんだ』


『魔法使いの鹿野くんが使えないんじゃ僕らもその、通信魔法? 使えないよね』


『いや、俺らは、今やってるコレ、念話が出来るんで。誰か連絡係やってくれないかと』


『いいよー』『いいですよ』『オッケー』『なるほど わかった』

『はーい』『やってみる』『オケ』



 みんなが一斉に返事をした。



『あはは、ありがと。ただちょっと危険になるかもを考慮して、出来れば武器装備ある組にお願いしたい。部長、キック、ナオリンの3人 お願いしていいかな?』


『もちろんだよ』

『はい』

『オッケーです』


『じゃあ、3人はゴブリン討伐の連絡係として参加よろ。ヨッシー達は最初の計画通り子供達を守ってくれ。3分後にテレポートでそっちに迎えにいくから中庭の教会の扉あたりに来てもらえる?』


『オケ』



 念話が終わるまでゴルダはジッと待ってくれていた。



「すまない、仲間に連絡がついた。3人参加してもらう手筈になった。通信魔法は使えないけど俺ら特有の方法で連絡が取れる」


「稀人特有の魔法か」


「んーまぁ、そんなとこ。ちょっと神殿まで迎えに行ってくる。すぐ戻るわ」



 そう言うとその場でテレポートした。


 部長、キック、ナオリンの3人を連れてギルドへ戻った。

 今まではギルドの裏庭をテレポート用にブックマークして利用していたが、今回は急いでいたので『ギルドのゴルダの部屋』をブックマークしてそこに3人を連れて戻った。


 ゴルダは3人に今回の作戦をサラッと説明した。



「3人には連絡係として俺と一緒に西門前に詰めていてくれ」


「はい。で、鹿野くんとの連絡をゴルダさんに伝えればいいんですね」


「そうだ」



 部長たちへの説明が一通り終わったところで、さっきから気になっていた事をゴルダに質問した。



「今回の討伐に参加できる冒険者は150人くらいいるんじゃなかったっけか?迷路岩で待機する場所が5つって少なくねえか?」


「1箇所につき10人前後で5箇所で50人だ」


「残りは集まんなかったんか?」


「いや、集まったさ。150人以上。だがランクB、Cで50人、残り100はDだ」


「ふむ」


「前線で討伐にあたるのはB、Cだ。Dは、俺らと共に西門前で待機、すり抜けてきたゴブリンをやる。Eは街の中に散らした。ゴブリンが街へ入ったときの対応と、万が一街の住人を避難させなければならないときの誘導だ」


「なるほど………俺、Dだけどね」(カオ)


「私なんてEですよ」(ナオリン)


「俺もE……」(キック)


「僕なんてまだ登録もしてない…みんなの世話で忙しかったからうっかりした」(部長)


「お前らは稀人さまだからな」



 ゴルダがニヤリと笑って俺達の顔を見回した。



「さて、位置につこうか。今夜はスタンバイのみ。明日の朝、日の出と共に開始だ」

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