第34話 迷走
中岸家の大人は各々が犯した罪により逮捕された。
義父は青少年健全育成条例と呼ばれる条例に抵触するらしく逮捕、琢磨の実母もそれを促したとして同じく逮捕となった。
義弟の蓮司は児童養護施設に送られる事となった。
奴は人で無しだし情状酌量の余地の無いクズだが刑務所に送られる程の罪を犯している訳ではない。
俺自身もう奴に興味はないのでこの扱いにとやかく言うつもりは無かった。
問題は義兄だ。
やつは中岸家の中で何気にぶっちぎりの重罪を犯した重罪人だ。
義父のマサシへネットにポルノ動画を流したのが智也だと教えてやったら面白い程顔を真っ赤にしてキレていた。
そしてその智也だが唯一施設にも刑務所にも送られていない。
本来ならリベンジポルノからはじまる児童ポルノに加え親父と同じ罪が課せられている。
なのに奴は刑務所のお世話に現段階でまだなっていない。
何故かと言えば奴は気づけば家から居なくなっていたからだ。
今は奴の部屋となっている亡くなった親父の部屋はもぬけの殻で窓が不自然に全開になっていた。
真冬に窓を全開にしているなんて不自然極まりない、考え難い行動だかもしここから逃げ出したなら奴の自由に対する執念は見上げた物だと思う。
もう大人しく務所暮らしを受け入れたほうが楽なんじゃないかと思わされてしまう。
たしかに上手いこと段差となっている部分はあるが文字通り一歩踏み外せば終わりだ。
それだけ捕まりたく無かったのだろう。
まぁ今更アイツが何処で何をしてようと興味無い。
俺と秋菜さんに迷惑さえかけないならどうなろうと知った事じゃない。
因みに中岸の家だがマサシが不在の間は家族が管理することになるが今やまともに家族に含まれる人間で諸々の施設にお世話になってない、あるいはなる予定にないのは俺だけだ。俺は中岸に汚されたこの家を管理するつもりなんて無かったが流石にそう言う訳にもいかない。
しかしこの家にもう住みたいとも思わない。
恐らくこの先この家にマスコミが聞き込みにきたり誹謗中傷をしに、もの好きが殺到するだろうから。
だからといって売りに出す事は出来ない。
形式的にこの家はまだ中岸の物で俺にそんな権限はないのだから。
だからこの家は定期的に掃除をしに来る程度に留め施錠して封印しておく事にした。
しかしある程度は整頓する必要がある。
いる物いらない物と分別する必要があるのだが1人ではどうしようもない。
そこで集まってくれたのが彼らだ。
アパートの隣人にしてほぼ同居人にしてほぼ恋人化しつつあるウチの学校で唯一無二の天才美少女。
季空秋菜
「私がしっかりと分別してあげるから感謝なさい。」
俺が学校で唯一親友と一目置いてるナイスガイ
タケル
「力仕事なら任せろや!」
そしてそのタケルの彼女、何気に初登場
姫崎菊花
「イェーイ、気安くキッカタンでよろたんねー」
めっちゃギャルである。
意味不明のハイテンションである。
正直めっちゃ苦手なタイプである。
「わぁーお!今注目度断トツナンバーワンの激熱カップルだぁ~生物だ〜!マジ感動なんですけどウケるーw」
なんにでも全力で楽しそうにウケる!とハイテンションな姿勢の彼女の無敵っぷりに一種の頼もしさを感じてしまう。
こんな風に生きられたら俺の人生ももっと変わっていたのかな…。
そんな感じで俺達は家の中に入り整理を始めた。
祖父と来た時も感じたが甘ったるい香水やら何やらの臭いが部屋のあちこちからしてくる。
まるで別の何かの臭いを隠す為に過剰に散布してるみたいだ。
長時間この中にいると頭が痛くなってくるレベルだ。
だから俺達は真冬にも関わらず窓を全開にして臭いの拡散をする事にした。
「いやぁ〜噂には聞いてたけどマジヤバだねこの家〜」
「おい、キッカたん!」
「あっごめんねタクちん!」
「え?ああいいよ、事実だしね」
(タクちん…距離感の詰め方が容赦ないな…流石ギャル…。)
「でも掃除のやり甲斐があるわね、この汚濁に塗れた家を少しでも元の姿に戻して上げましょ?」
「…あぁ、ありがとう秋菜さん」
「…ふふ、お安い御用よ」
そして俺はまずはかつて自分が使っていた部屋に来ていた。
部屋の中は基本そのままだが連中の集めたゴミの仮置き場みたいになっていて壊れた椅子や何かの配線ケーブルやコード、空になったカップメンの容器に空き瓶空き缶などがそのまま放置されていた。
夏場ならハエが集ってそうだ。
アイツ等…
一通りコレ等を片付け黄色いのと透明はゴミ袋に分別して入れていく。
そして隣だ。
隣は親父の寝室だった所…
しかし今はアイツの…智也の部屋になっていた。
「うわぁ…」
智也の部屋に入った事はあまり無い。
自分から近づきたくなかったし向こうも俺を入れたいなんて思わなかっただろうからな…
ただ嫌な思い出は部屋が隣だったからか鮮明に思い出せる。
·
·
「俺と琢磨どっちが好きー?」
「智也さん!ともやしゃん!どもやじゃ〜んぅいーいぐぐくあぐ〜!!」
明音の大きな尻に智也は腰を打ち付ける。
彼女の大きな尻と大きな胸は連動しているかのの如く智也の体と密着する度にぶるんぶるんと大きく揺れその形を歪に歪める。
パンパンと肉と肉のぶつかり合う音が部屋に反響する。ぬぷぬぷと水分を含んだ生々しい音が琢磨の鼓膜を支配する。
彼の容赦ないせめにだらし無く蕩けた顔を曝す明音には快楽を求めるメスとしての性しかなく琢磨の屈辱的な顔すら高揚を感じるカンフル剤にしかならない。
「あはは、明音何言ってるかわからないぞぉ?で俺と琢磨どっちが男として魅力的だ?」
「ふぅ…ふぅ…もう…いけずなんだから…あんな雑魚男より男らしい智也さんのが良いに決まってるじゃーん♪もともとあんなカス男に何の未練も無いも〜ん、まぁ私と智也さんが愛し合ってる所を見せつけてやったらなっさけない顔をもぉ〜となっさけなくして泣いて悔しがってる顔は見ていて爽快だけどね〜♪」
「ははは、だってよ?琢磨?どうせ隣の部屋で聞き耳たててちっさいゾウさん大きくしてんだろ?あっ?どうよ?自分の女とられてそれでシコる気分はよぉ?こ〜言うの寝盗られって言うんだっけ?いい趣味してますなぁーえ?ぎゃはは!!」
「ホント哀れね、琢磨、アンタみたいなカスの彼女やってたの私にとっては黒歴史モノの嫌な思い出よ!早く死んでくれない?マジでさぁあはは、おほっ、智也さんちょとまあひっ、ぃ〜」
·
·
「安心しろよ…俺にとってもお前との付き合いは黒歴史だよ…。」
嫌な記憶を頭の中から掻き出しこの忌むべき部屋と共に捨て去りたい気分にさせられる。
俺が女々しいのは百も承知だ。
俺がもっと男らしかったら…
俺がもっと大人だったら…
俺がもっと愛莉の事を見てやっていたらこんな事にはならなかったのかもしれない。
俺が親父の死にくよくよせずに直ぐに立ち直り母と妹を引っ張っていける頼れる大人の男だったらあの悲劇は無かったのかも知れない。
でもそんなのは結果論だ。
いまさら悔いても仕方ない。
アイツは浮気の末俺を最悪の形で裏切り捨てた。
それは俺の弱さが招いた結果だ。
俺の落ち度だ。
それでアイツを責めたりはしない。
だからアイツは俺などさっさと捨てて次の恋愛をすれば良かったのだ。なのにアイツは義兄との爛れた関係をコレでもかと見せつけてきた。
義兄とのプレイでそれが最も捗る行為なのだと言われたらそれまでだが、ならばそれを俺は涙を流しながら悔しさと憎悪に濡れながら我慢しなければならなかったのか?
そんなのはゴメンだ。
余りにも滅茶苦茶だ。
そんな理不尽極まりない理屈がまかり通るならこの世界はとっくに地獄になっている。
ごちゃごちゃと思い出して考えてしまったが今はこの部屋の掃除を優先しよう。
こんな事を考えていてもそれこそ意味がない。
そんな風に思っていると突然インターホンが鳴らされた、しかも連続してだ。
ピンポンピンポンピンポン!!
ピンポーンピンポーンピンポーン!!
「なっなんだ!?」
俺は慌てて玄関へと向う。
扉の前には秋菜さんがいる。
そして秋菜さんが対峙しているのはタイムリーにも俺が先程回想していた明音だった。
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突然インターホンが鳴り出す。
連続して鳴り出すインターホンのけたたましい音から来訪者は余程の異常者だと予想がつく。
候補としてはこの家の乱痴気騒ぎを聞きつけてやって来たパパラッチかあるいは面白半分に野次を飛ばしにきた愉快犯か、ドアに備え付けられた覗き穴から異常者の正体を確認すると見知った顔がそこにいてああ…そう言えばいたななんて思ってしまう。
私はドアを開けその人物と対峙する事にした。
もういい加減面倒だしここで潰してやろうという位の心構えでその相手と向かい会う。
「なっ…なんでアンタなんかがこの家から出てくるのよ?」
「あら?そんなに変かしら?私はこの家の住人から許可を得てるわよ?」
「ぷふふ、何アンタ?アレだけコケにしといて結局あのクソ男に靡いたの?ダッサ!」
「何を勘違いしてるのか知らないけど私をこの家に招いたのは琢磨よ?」
「琢磨が…!?いるのね…琢磨が!この中に…出しなさいよ!琢磨を!出しなさいよ!!出せ!琢磨を出せ!」
「馬鹿じゃないの?そんな喧嘩腰で出せと言われてハイって言うと思ってるの?」
「うるさい!あんたには聞いてないんだよ!琢磨!出てこい!ここにいるんでしょ!?出てこい!」
「はぁ…まるで獣ね、貴方みたいなのに関わってもなんの得にもならないわ、私がいる限り貴方みたいな…「秋菜さん…」碌でもない……琢磨?」
「ようやく出て来たわね!琢磨!」
琢磨は私を押しのけてあの女の前に出る
こんな女の相手を琢磨にさせる必要性は微塵も無い。
琢磨には家の中に戻ってもらおうと彼の肩に手を置くが琢磨はその私の手を優しく掴むと肩からどかし私の目を見てこう言った。
「秋菜さん…いや、秋菜、ここは任せて欲しい。」
「秋っ…呼び捨て…?ここで!?」
「あの…秋菜…さ…」
「秋菜!」
「……秋菜、うん…秋菜ここは俺に任せて欲しい…。 」
「…わかったわ…琢磨」
やばいわね…呼び捨て…
予想より数百倍やばいわね。
身悶えしそう。
「ははっ!何見せつけてくれちゃってる訳?嫌味?」
「お前等に比べたら可愛いもんだろ?」
「はあ?アンタさ〜何を調子に乗ってるの?そもそもさぁ、俺とか言っちゃって何をカッコつけてるのぉ!?昔みたいに僕って言いなさいよ!メソメソ琢磨君はさぁ!!」
「そんな下らない事を言いにきたのか?お前?」
「はあ?そんな訳無いでしょ!アンタの事なんてどーでもいいのよ!アンタさぁ!私が今どんな目に遭ってるか知ってるの?私はさ!今すっごく大変なの!可哀想なの!アンタはそんな私を助ける義務があるのよ!理解出来る?琢磨ぁ!」
「もしかして動画の件か?」
「そーよぉぉ!!あのクソ男が拡散した動画のせいで私は今大変なのよぉ!!友達はみんないなくなっちゃったのに変な男はワラワラ湧いて出てくるし、影でビッチだのヤリマンだのオナホ呼ばわり!家の中はママは大泣き!お父さんは私を汚物を見る目で見てくる!もう散々なのよぉ!!」
「全部お前の自業自得だろうがそんなの!」
「何が自業自得だ巫山戯るなぁ!!琢磨が!お前がもっとしっかりしてたら私はあんなクソ男に靡かずに済んだんだ!!アンタさえ!アンタさえしっかりしてたら私はこんな目に遭わずに済んだんだ!いつも死んだ親父みたいな立派な男になるとか言って!なってないじゃないのぉ!!あんたはいつまでも女々しいまま!口だけの雑魚男なのよぉ!!」
「…………。」
「アンタが口先だけじゃなくちゃんと自立した大人の男になってたら私はこんな事になってなかった!愛莉だってアンタのお母さんだってあんな詐欺親子に騙されなかったのよ!あんたは私達に報いるべきなのよ!アンタの一生を賭して私達に贖罪し奉仕し続ける必要があるのよぉぉ!!!」
何だこの自己陶酔に酔った化け物は?
何だこの自己憐憫に酔った化け物は?
そんなの全て自業自得の一言に尽きる。
それを琢磨のせい?
琢磨が大人にならなかったから駄目?
全てお前達の節操の無さが原因でしょう?
全てお前達の心の弱さが原因でしょう?
それがどうしてそうなる?
そもそも琢磨は貴方と同じ高校生、親の庇護を必要とする子供だ。
その子供が親を失いそれを悲しむ事の何が駄目なのだ?
貴方は親を失った時に一切悲しまないのか?
一切悲しまず、苦しまずあっさりと立ち直れるのか?
何も思わないのだろうな…この女は。
むしろそれを強さと履き違えてるフシすらある。
そんなのは強さじゃない。
そんなのはただの虚無だ。
心に悲しみも苦しみも感じない心が虚無の人間だ。
いやそんな物は既に人間ですらない。
ただの化け物だ。
「貴方ねぇ!!琢磨は!!」
「秋菜…!」
「琢磨…、でもコイツっ」
「大丈夫…俺は大丈夫だから…!」
琢磨はそう私に言う。
なにより自分にそう言い聞かせるように大丈夫だと言い、明音に立ち向かう。
「たしかに俺はお前の言う通り女々しい奴だよ、お前の言う通り俺が自立した立派な大人だったらお前も母さんも愛莉も違った結果になってたかもしれないな。」
「はっ!解ってるじゃない!だからアンタは!」
「でもそれは結果論だ」
「は?」
「お前はあの男に抱かれながらこう言ったよな?俺みたいな雑魚男に興味ないって、俺の恋人やってたのは黒歴史だって、智也と比べるべくもない雑魚だって。」
「そ…それが何だって言うのよ…今はそんな昔の話をしてるんじゃない!アンタは私を助けないと駄目なのよ!だから…」
「興味ないならそれでいい、黒歴史ならそれでいい、俺に未練も無く愛想が尽きたならそれでいいさ、カス男に彼女……お前をとられたのは俺が情けないからだ…なら俺なんて捨てて次の恋愛をすれば良かったんだ。なのにお前は俺とははっきりと別れず浮気って形を選んだ…何故だ…?…わかってるんだよ、お前の魂胆なんてな…要は結局のところお前は俺を見下したいだけなんだろ?俺より優位にたって見下していたいだけなんだろ?」
「はっ?なっ…何言って…」
「結局おまえにとって智也の事すら俺を嘲るための道具でしかなかった、だから簡単に智也の事をクソ男だとか言えるわけだ、大体貞操観念がゆるゆるなんだよお前、智也に言われたら誰とでもセックスするとかおかしいだろ?あれだって結局は智也に言われたからやってたんじゃない、俺の反応が見たくてやってたんだ、俺を見下したい一心でやってたんだよ。」
「わ…私は…わ…」
「俺はお前の道具じゃないんだよ…明音。」
「わ…私は…私は…ぐぅ~琢磨のクセにナマイキなのよぉ!何なのよ!何様なのよぉ!フザケンナフザケンナフザケンナぁ!!あんたは私の事だけ考えてたらそれでいいのよ!彼女とか作って何様?ナマイキナマイキナマイキー!!」
「もう止めなさい…明音…」
「ナマイ…え、?ママ…?」
「もう止めてちょうだい…」
「お…おばさん…?」
二人の言い合いに突如割ってはいったのは40代後半くらいのおばさんだった。
普段ならそうは感じないのだろうけど今の彼女にはどんよりとした陰陰な空気が纏わりついてる。
琢磨の反応や明音のママ発言から彼女は明音の実母で恐らくは間違い無いだろう。
「明音…もうこれ以上恥の上塗りは止めてちょうだい…」
「はぁ!?何言ってるの?ママ?私はコイツに謝罪させようと…」
「何が謝罪よ…琢磨君はアンタの事をちゃんと見てくれてた…それを裏切ったのは他の誰でもない、アンタ自身じゃない。」
「はぁ!?意味わからない!わたしは!コイツに…」
明音は今尚言い募ろうと口を開くがおばさんは明音の言葉をひと睨みするだけで黙らせて、琢磨へ向き合い頭を下げ謝罪した。
「ごめんなさい…琢磨君…君の言っていた事は本当だった…あの兄弟は歪んでる…おばさんからもあの二人と遊ぶのを止めて欲しい…じゃないと明音が明音じゃなくなる…君はそう言っていたわね…」
「……。」
「その通りだった…あの時琢磨君の言う事を真面目に聞いてたらこんな事にはならなかった…私は君の言った言葉を聞き入れず子供のかわいらしい嫉妬だと耳を貸さなかった…その結果がこの惨状…君の言う通り…これは自業自得なのよ……。」
「今更どうにもならない…結果に後悔しても仕方ない…」
「そうね…」
「ふ……ふざけないで!何が結果よ!私は被害者なの!あんた達中岸の被害者なのよ!責任取りなさいよ!!私は!私はぁ!!」
「いい加減にして!もう沢山よ…もう沢山なのよぉ…」
おばさんはよろよろと明音の腕を掴むと強引に明音を引っ張りながら自分達の家に戻っていった。
あの人は大人だと思う。
本心では無いだろう。
琢磨に言いたいことは明音同様にある、しかしあのおばさんはそれ等を飲み込み琢磨に謝罪した。
あれも強さだ。
わかっているんだ。
結果を嘆いても現状は何も変わらない。
タラレバをいっても仕方ない。
あの時こうしてればああしてたらなんて無意味なんだ。
あのおばさんはそれが解っている。
「秋菜さ…秋菜は俺が薄情だと思うか?」
「思うわけ無いでしょ?あの女の現状は自業自得…琢磨の言った通り付き合ってる事に意味を見出せないならそのまま別れればそれでいい…悲しいけど…それが学生の恋愛よ…それに他人を見下したって他人を傷つけていい理由なんて無い…私はそう思うわ。」
「ありがとう。」
「お礼なんていらないわ…私は私の思ってる事を言っただけ…。」
あの女はこれから苦労するだろう。
なにせ後ろ指を差される人生が確約されているのだから。
それでも私はあの女を羨ましく思う。
あの女には母親がいる。
取り返しのつかない過ちを犯しても隣にいてくれる親がいる。
それは私には無いモノだ。
その一点において私はあの女が羨ましい。
どうでもいいが家の中でアワアワしたり目をキラキラ輝かせてたり忙しそうなカップルがいたが完全放置ですこし申し訳ない気持ちもあったのだった




