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コスプレカフェを始めたら学園の三大美女が性癖を曝け出してやって来たんだけども  作者: すずと


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50/50

第50話 同じ匂いの代償は、匂いの追求者による聴取。黙秘権は持てません

 カランカランと鳴り響く鐘の音が聞こえて振り返る。


「「いらっしゃいませ。カフェふりーへようこそ」」


 このやばの主人公アズマに扮した俺と、クーネスに扮した彩芽が新規のお客さんを出迎える。


 あ、うん。結局ね、学校は間に合わないってことで、そのままバイトしてますよね。あのまま二人で仲良く社長出勤なんてしたら、クラスの連中から──いや、学校の連中からなにを言われるかわかったもんじゃない。だったら最初から行かなければ良いじゃないの精神で、こうやって働いているってわけだ。


「あ、自由くんと彩芽が先に働いてんじゃん。おっつー」


 どうやらカフェふりーに入って来たのは新規のお客さんではなく、従業員だったみたいだ。有紗と佳純が二人仲良く出勤なさった。


「おつかれー。有紗。佳純──って、佳純さん? なんで頸動脈をクイっとしているのですか?」


「ちょーっと良いかなー?」


 もの凄い綺麗な笑顔で、俺は頸動脈をクイっとさせられながらバックヤードに連行されてしまいましたとさ。


「いでで。ちょ、佳純さん。痛いんですけども」


 まだ全然耐えられる痛さなんだけど、一向にクイをやめる気配のない佳純に問う。


「学校、なんで休んだの?」


「え? ええっと……」


 これはなんと説明をしたらよろしいやら。0〜10まで説明しようとするとグダグダになる自信しかない。


「クンクン──ねぇ、自由くん。なんで自由くんから彩芽と同じシャンプーの匂いがするの?」


「ねぇ、佳純さん。なんで佳純さんは匂いを嗅いだのに匂いフェチを発動させずにそんな怖い笑顔なの?」


「答えられないの?」


 頸動脈を更にクイっと。


「いででで。佳純さんやい。ちょっぴし厳しめなので、そういうのは彩芽にしてあげ──」


「彩芽?」


 怖い笑顔から一変、ギロリと睨みを効かせ、単なる怖い顔に切り替わる。


「なんで自由くんが彩芽を彩芽呼びしてるの?」


「え? ええっと、そりゃ、色々あったから、です、はい」


「その色々って答えてくれるんだよね?」


「ええっと──」


「くれるんだよね? 自由くん」


 なんでこんなに詰めてくるんだよ。こえーよ。


「黙秘権は?」


「却下です」


 即答でボツをいただき、どう説明したものかと悩んでいると、彼女が心配そうな顔をして聞いてくる。


「まさか、二人は付き合った、とか?」


「おいおい。話が飛躍してんぞ。なんでそうなる」


「だって二人で学校サボって、仲良くバイトなんて怪しいじゃない」


 このまんまじゃ彩芽が俺なんかと付き合ってるだなんて話になるな。そりゃ彩芽の名誉に関わる。


 彼女の名誉を守るためにも、佳純に昨日のことを話しておくか。話せば頸動脈も離してくれるのだろうか。



「──ふぅん。なるほどねぇ」


 佳純には、昨日彩芽の家で勉強することになり、豪雨が来たから彩芽の家に泊まった。同じシャンプーの匂いはそのせい。そして、今日の朝はお互いに寝坊してしまったから、今更学校に行っても仕方ないし、勉強ばかりも息が詰まるから気分転換にバイトしておこうとなったんだ。


 そんな感じで説明しておいた。ベッドインやら膝枕のことは伏せておこう。話がややこしくなるし、説明する意味もない。


 こちらの話が終わると佳純が頸動脈を離してくれた。ようやくの解放であるが、この子ったらあんまり納得してなさそうな顔をしていらっしゃる。


「事情はわかった。でも──」


 クンクンとこの子ったらまぁた俺の匂いを嗅いで来やがる。


「この匂いはまだ何か隠してる匂いだぜ」


「なにを根拠に?」


「私は自由くんの匂いを嗅ぐともっととろける!! よって、とろけないのはなにかを隠している証拠!!」


「それはとろけているんじゃなく、ラリってるのでは?」


「話を逸らさないことね。より一層怪しくなるわよ」


 なんで俺はいつも怪しい変態に怪しいと言われながら詰められてんだろ。


「匂う……これは匂うわね。怪しい匂いがぷんぷんするわよ。白状しなさい、自由くん」


 まるで名探偵が犯人を追い詰めるが所業。そんなやり取りの中、バックヤードから顔を覗かせたのは、クーネスに扮した彩芽であった。


「自由くん。お客さんが来たんだけど、接客、一緒してくれないかな?」


「え、あ、ああ。まだ不安?」


「うん。自由くんと一緒が良い」


「そうか。わかった、すぐ行く」


 そう答えると、にぱぁとクールな彼女とは思えないかわいらしい笑顔になる。


「待ってるね」


 そう言い残して彩芽はホールに戻って行った。


「……」


 ジーッと俺を見つめてくる佳純がなにか言いたげであった。


「な、なにか?」


「なんです? 今の彩芽の恋する乙女みたいな顔」


「そ、そうだった? いつものクールビューティーな笑顔に見えたけど」


 そう答えると、クンクンと何回目だよと呆れてしまうくらいに俺の匂いを嗅いできやがる。


「自覚なし、か」


 彼女は深く考え込みながら、「このままじゃまずいかも……」とかなんとか、ぶつぶつと呟いている。


「よし。わかった」


「なにが?」


「なんでもありませーん」


 そう言いながら佳純は俺の背中を押してくる。


「ほらほら。彩芽が呼んでるんだからホールに行ってあげて。私も着替えるからさ」


「あ、ああ。わかった」


 半ば強引にバックヤードを追い出されてしまい、佳純の言う通りに彩芽のフォローに入った。


 なぁんか佳純の奴、俺と彩芽の関係を怪しんでいるが、俺達は別にそんな関係ではないのだがな。


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