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5-6あれもこれも素敵です

皆様こんにちは。お世話になっております。

からすです。

そういえば、天文学って本当に天文学的数字でお話してますよね。

だから何というわけではありませんが。

●〇●〇


 魅力なんてステータスは無かったはずですから、効果の一つとでも思えばいいのでしょうか。

 装備品というわけでもなさそうなので、こちらに影響の出る効果ということもなさそうです。

 店員さんに聞いてみましょうか。


 クエスト完了の為、ステッキを手にカウンターへ戻ります。


 店員さんである老紳士に声を掛け、恒例となってきたアイテムの確認タイム。

 差し出したステッキをじっくりと確認してゆく姿を眺め、評価を待ちます。


 高品質で作れているのですから大丈夫なのでしょうけれど、この時間はいつもそわそわしてしまいますよね。


 そんなそわそわも、老紳士の「素晴らしい出来ですね」の言葉に消えてゆきます。


 支給品が回収され、クエストウィンドウに達成のハンコが押されると、これで木工師も取得可能になりました。


 この場を離れる前に、ステッキに付いた『魅力』のお話だけお聞きしておきましょう。


 お聞きしたところによると、どうやら魅力というのはあくまでもその品がより良いものであるかどうか、より良く映るかどうかというお話であり何か効果のあるものではないそうです。


 しいて言えば、よほど強力であれば周りのものよりも強く意識を引き寄せる効果があるそうですが、そこまでものものを作ってそんな用途で使うのは悲しいですね。


 というのが老紳士のご意見でした。

 そこらへんは賛同です。


 それだけお聞きし、お礼を言ってカウンター前を離れ、棚から売っている商品を少し見てから、お店を離れました。


 売っていたのは木材やその他の作製に必要な素材と家具や木製の装備品類となっているようです。

 レシピは裁縫と同じように作ることのできるアイテム名で分かれていました。


 作るのであれば、どれもそうですが、編集した後に必要な素材を買いに来る方がいいでしょうね。


 次は、ここからだと先に彫金でしょうか。

 もう少し奥に行ったところのお店です。


 街は奥へ行くほどひと通りが少ないので、通りも広く感じますね。


 ぽてぽてと通りを進み、お店? へと到着しました。


 大通りに面しているにしてはこじんまりとした建物。

 中からは薄明かりだけが漏れ、開いているのか少し心配になります。


 扉に手をかけ扉を開くと、からんころんと来店を知らせるベルが音を立てます。店内は暖かな光に照らされ、その中で棚に並べ得られた金属質のアイテムたちがきらきらときらめいていました。


 強い照明をつけると、反射が目につらそうですから、薄明かりなのはこの為でしょう。


 数人の方々が棚に向かってお買い物をしている間を抜け、奥のカウンターへ向かいます。


 カウンターには魔道具屋さんのオーリナさんとそっくりな方が座ってらっしゃいました。


 外見がそっくりとはいえ、小さな丸眼鏡を鼻にかけ、何かしらの書き物をしている落ち着いた雰囲気がオーリナさんとは全然違いますので、間違えることは無さそうです。


 こちらに気付いていなさそうな店員さんに声を掛けようとしたのと同時に店員さんが顔を上げ、眼鏡の位置を調整するように動かして、こちらを見ました。


 流れる無言の間。


 じっとこちらを見つめる瞳に目を泳がせながら、手にしたチケットを差し出します。


 チケットを受け取った店員さんは席を立ち、カウンター横を開けると手招き。


 その誘導に従って奥へ進むと、作業場の一角まで移動し、ちょいちょいと一つの作業台を指さしました。

 ここで作業をしてくださいという意味なのだろうなと、うなずき返すと、店員さんはカウンターへと戻ってゆきます。


 オーリナさんとは真逆の様な寡黙な方ですね。


 さて、クエストの内容は他クエストとほぼ変わりありません。


 今回は、練習用レリーフを作ってください、とのことです。


 素材は赤鉄鉱だけ。


 事前の加工の必要なく素材からそのまま作れるのですね。


 彫金道具の袋に入っていたのは、やすりと金づちと先の尖った金属の棒。

 薬師の製薬道具と同様の場所に装備されました。


 手順は、成形と彫り込みの工程に分かれているようです。


 デフォルトは四角に成形した板にばってん印を彫り込む形になっていますが、そこらへんの形は自由に変えられました。


 もちろん複雑にすればそれだけ難度は上がっていくのですが、試しに形と柄を四葉のクローバー型にしてみたくらいでは大して上がることもありません。


 作製を開始すると、まずは金づちで現れては消える印を出ている時に叩く作業が始まります。

 印の点滅はオオナツの調理作業時のように、一定周期で繰り返されているようで、タイミングを合わせ叩いてゆくと少しづつ形が変わってゆきます。


 板状になった赤鉄鉱を今度はやすりで削ってゆくのですが、これは木工作業時の赤い部分を残さないように削ってゆく作業と同じ感覚ですね。


 それらが終われば彫り込みの作業となります。


 この作業では板の表面にクローバー型に並んだ指示点が現れ、この点に棒の尖った方をあててその後端を金づちで叩いてください、とのこと。

 そうすると指示点の色が消えてゆくので、色が完全に消えるまで叩けばいいようですね。

 

 強くやり過ぎると失敗になるそうですし、弱めでも何度も叩けば色は徐々に消えていきますから丁寧に。


 一点一点、色が消えるように処理してゆき、最後の点を打ち終えたところで全体を確認し、遠目に見ると分かる若干色の残っているところをもう少し打ち直しました。


 そうして満足したところで、作業が終了しアイテムが完成します。


 表へ戻ると変わらず黙々と書き物をしている店員さんの姿が。


 ちらりと見えた手元にはびっしりと様々な図形や文字の書きこまれた紙が束と積まれていました。

 デザインのイメージとかでしょうか。


 止まることなく動き続けていた手は、少し近づいた時点で止まり、こちらを振り向きます。

 手にしたレリーフを見せて作業が終わったアピールをすると、店員さんは立ち上がりカウンター横を開けてくださります。


 カウンターの表に出たところで、作ったものを差し出し確認していただきました。


 レリーフをじっと見つめた後にこちらを見て一つこくりとうなずく仕草を見せます。

 その時に少しずれた眼鏡を両手で直す仕草がとてもかわいかったです。

 

 支給品が回収され、クエストウィンドウに達成のハンコが押されました。

 これで彫金師も取得可能になりましたね。


 お礼を言ってカウンターを離れ、商品を少し見てみます。


 ここでは素材以外だと金属製のチャームや装飾品といったものが売っているみたいでした。

 分類がチャームなのであれば素材として他の作製時にも使えるでしょうからもっと自由度が上がりますね。


 裁縫のお店で売っていたチャームなんかも彫金師の方が作られたものなのでしょうか。


 レシピは、難度の低いものはリングやバングルといった種類の名前となっています。

 少し上に、ルフェリアンニードルという裁縫師装備の一部と書かれているものがあるのですが、こういうのも作れるのですね。


 お店を出たところで、次は細工師のクエストへ向かいます。

 すぐ近くにあったお店へと入店、チケットを渡してクエストをお願いし、奥の作業場へ。


 細工はこれ、といったものではなく様々な素材に対して仕組み的な細工を施していく作業となるようでした。

 限度はありますが、装備品やその他に対する追加の編集を加えることができる様なので、色々な創作系アビリティを取るのであれば欲しいアビリティですよね。


 支給されたものは、金属製のバングル、先の尖った金属の棒、とシンプルなものでした。


 その仕様上、何かをつくるというよりは、編集を加える、という形のクエストになるようです。


 クエストとして指示されたのはバングルの止め加工。

 やることは、バングルの一部を切り離して、両端の形を互いに爪が掛かるように削っていく作業です。


 バングルの一部に表示される指示線の周りを細工道具でなぞってゆくと、少しづつその部分が削れていき、バングルの一部が切り離されました。


 次の工程が切り離された両端に細工を施してゆく作業で、片方は上側に、もう片方は下側に溝を彫ってゆきます。


 この作業は赤くなっている部分を削る作業となりますが、こんな感じの作業にもだんだん慣れてきましたね。


 棒の先端を当てると無くなってゆく赤い部分を残さないように削り、特に難しさを感じることもなく終了です。


 バングルを少し潰して左右の爪をひっかけるようにすると綺麗に止まり、指示に従っただけですが、いかにも職人芸といった感じが心地良いですね。


 店員さんに見ていただいた結果も特に問題なく、細工師のクエストもこれで達成です。


 お店で販売されていたものは、多種多様な金具類や、手を加える際に必要な素材が並んでいました。

 レシピが想像できなかったのですが、特定の布や革や金属、という風に薬師のレシピと同様に素材の系統ごとに分かれている形になっています。


 その場を後にお店を出たところでマップを確認。

 あと街の中なのは裏通りの錬金術師のクエストですね。


 開始位置はオーリナさんのお店のすぐ近くの様なので、道に迷うこともなさそうです。


 この街の裏通りは大分入り組んでいますからね……


 あとは錬金術と採掘、園芸で気になるものは一通り触ってみたことになるわけですが、やはりどれも楽しいですね。

 空き枠はあと五つなので選ばないといけません。


 そんなことに頭を悩ませながら通りを歩いていると、ピロリンとステータスアップの完了を告げる音が。

 どうやらAGIが上がったようです。

 他のSTRとMPもあと数%ですのですぐ完了するでしょう。


 ちょうどいいので、ハツメさんの所とオーリナさんの所へ寄って、また上げていただくとしましょうか。


 向かう先をハツメさんのお店の方へ変え歩いていると、続いてSTRも上昇が完了します。

 ただ、MPのパーセントに変化がなく、一瞬首を捻りましたが、そういえば使っていないと上がらないということを思い出し、道中余っているMPを消費して糸で遊んでいるとそちらにも完了の通知が現れました。


 相変わらず異様に真剣に棚を凝視しておられる方々のいるハツメさんの所で再度STRとAGIを上げていただき、少し木工師のお話もお聞きした後、オーリナさんの所にも寄って細工師のお話も。


 魔工細工師を推しに推しまくるオーリナさんのテンションが高くて面白かったです。


 オーリナさんのお店を出ると、錬金術師クエスト開始位置の目印はすぐそこ。


 建物の造りはオーリナさんのお店と似たような、というか、この周辺は全てそうなのですが、看板やらが無いと見分けがつきません。


 マップでは錬金合成の店『フィナのアトリエ』となっています。


 店先には煙の出ている壺の絵に大きなとんがり帽子が斜めにかぶせられた絵の描かれた立て看板が。


 そしてなんか、扉の上の隙間から変な色の煙が出ているのですが……


 扉に掛かったオープンの掛札に開いていることはわかるのですが、とてつもなく気が引けますね。


 ノブに手をかけえいやと手前側に扉を引くと、一瞬、もわっと色の濃いもやが室内から零れ、オーリナさんの所とも違う独特な匂いが鼻を突きます。


 未だ一部の煙が天井付近に溜まったままなのですが、どうしようもないので気にしないことにしましょう。


 店内はところどころに置かれた照明以外は光源らしいものがなく、暗いです。


 棚には何も並んでおらずがらんどうとなっているため、なにかを売っているお店ではないのかもしれませんね。


 お化けは別にいいのですが、ゴキさんか何かでも出てきそうな雰囲気です。


 暗いため足元に注意しつつ奥へ進みカウンターまで来ますが、ひとがいらっしゃいません。


 まぁ、オーリナさんもそうでしたし、ここら辺のお店はそんな感じなのでしょうね。


 カウンター奥の扉へと声を掛けると、返事の代わりに、ぎぃいぃ、と蝶番がきしむ音を上げながら扉が開きます。


 もくもくっと扉の奥から一段と濃い色の煙が排出され、天井に広がってゆきます。

 扉の奥の暗闇から大きなとんがり帽子をかぶった黒ずくめの方が滲み出るように姿を現します。


 小さく真っ白な手が顔に掛かるとんがり帽子の鍔を少し上げ、その下から僅かに覗いたこちらに向けられる瞳に、同じ高さで目が合いました。

お読みいただきありがとうございます。


もしどこかで面白いと感じていただけたようでしたら、星を光らせてくださると感動します。

あとブクマとかも(強欲


うろうろ

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