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2-8仕様確認は怠らず

皆様こんにちは。お世話になっております。

からすです。

そういえば、羊を数えるのに『ひつじ』と日本語で言ってしまうと意味がないそうですね。

だから何というわけではありませんが。

●〇●〇


 ミニポーチを完成させてすぐ新しくポップしたウィンドウには、この後、作ったものをカウンターに持っていってください、との指示が。それでクエストが完了だそうです。

 そこで見ていただくだけなのか。回収されてしまうのか。


 練習用ミニポーチ作製キットを回収して席を立ち、ミニポーチを手に来た道を戻っていきます。


 カウンター近くまで戻ると、相変わらず羊っぽい店員さんがそこに座っておられました。

 見せるのはこの店員さんでよいのでしょうかね?


「あのー」


 店員さんに声を掛けると、店員さんは奥側にいた私にくるりと振り返ります。


「あ、終わりましたか~?」


 にこりと笑顔で対応してくださる店員さんに、手元のミニポーチを掲げ作業終了の旨を伝えます。

 すると、カウンターの表側に回るように指示を受け、それに従いカウンターを出ました。


「それでは~、作製した物を拝見させていただけますか~?」


 そう言われて、手にしていたミニポーチをカウンターに載せると、店員さんがそれを受け取り、しげしげと各部を確認していくように観察し始めます。

 しばらくして、ミニポーチをカウンターに置きました。どきどき。


「はい、とってもいい出来ですね~。すごいです~。

 支給品アイテムは回収させていただきますね~」


 店員さんがそう言うと、手元に装備したままだった裁縫道具が解けていき、支給品アイテムが回収されました、のウィンドウがポップしました。

 練習用ミニポーチ作製キットも回収されたようです。


「こちらのポーチは、どうぞ~。

 記念作、大切にしてあげてくださいね~」


 おっ、よかった。作ったものはそのままいただけるのですね。

 店員さんにうなずきながら、ミニポーチをボックスの中に回収。


「はい、以上で、クエストを達成とさせていただきますね~

 以降、『裁縫師の才』がステータスのアビリティ画面から取得可能です~

 おめでとうございま~す。お疲れ様でした~」


 という言葉と共に、クエストウィンドウがポップし達成のハンコが押されました。


 カウンターを離れ…… の前に、並んでいるということもないので、少し気になったことを。


「あの」

「は~い?」

「えっと、なんといえばいいのか…… 縫い物をするときに、こう、指でつつくだけでしているやつって、あれって何かわかりますか?」


 そうそう。

 周りにやっている方がいて結構気になったのですよね。

 なんでと聞かれても困るのですが、しいて言うのであれば、見た目?


 もしかしたらアビリティを探していた時に見かけていたのかもしれませんし、見ていないところにあったのかもしれませんが、あんなのあったっけ? という感じで、どこを探せばいいのかすら想像できないのですよね。

 それなら聞いてしまうのが早いですよね。


 店員さんが少し上を見上げて考えるような仕草をした後、ひらめくように「あぁ~」とつぶやきます。


「たぶん『糸操り』の事でしょうかね~」


 これはこれは、また素敵ネーミングが出てきましたね。


「えっと、習得は、またギルドで?」

「あ~、あれはギルドに登録していないので~。

 教えられる子の手が空いているタイミングでしたら、ここに来てくださればいいですよ~。

 ただ、今はちょっと忙しいと思うので~ ごめんなさ~い。

 夜とかに来てくだされば、大丈夫だと思うので~」


 えっ、そんなのがあるのですね。

 聞いてみて良かったです。

 これはまた。そういうのがあるということはそういうことですよね? 運命に期待です。わくわく。

 アビリティ枠は埋めきらずに少し空けておきましょうね。


 『糸繰り』がどんなスキルなのかわかりませんけど、夢があったら取りたいですよね。

 そうしたら今度、とりあえず受けるだけ受けてみましょうか。


「そうなのですね。ありがとうございます」

「いいえ~」


 店員さんにお礼を言ってカウンターを離れます。

 あとで夜になったらまた来ましょうね。


 ところで裁縫道具って、ここで売っているのでしょうか? 支給品は回収されてしまったので、必需品ですし、入手しておきたいですよね。

 店内の棚に近づき、販売アイテム一覧を開きます。


 販売アイテムには布その他の裁縫に必要な素材を中心に、レシピや道具が並んでいました。


 道具の欄から裁縫道具を確認すると、お手頃なのから高価なものまでピンキリに並んでおり、アイテムの横には『精度:○○』の形で数字が表記されています。ものが高くなればなるほど精度の値は高くなっているようで、最も高額なもので精度が76、最も安いものだと精度は5になっています。


 安いものは300 Cで買えるのですが、安かろう悪かろうという言葉がある通り、あまり信用できませんよね。

 なので二つくらい上、所持金の大体半分、1200 Cの物を買うことにしました。

 残り千と少し。


 レシピを眺めていきこれは欲しいなと思ったものを二つだけ。お金ないのでね。

 別枠収納のショルダーバッグとウエストポーチのレシピを買いました。


 さらに、任意の場所でも簡易的に作製作業が可能になる、という簡易クラフト作業台があったのでこれも買って、これで素寒貧。

 お金稼ぎしないといけませんね。


 そして本当にぎりぎりなボックス。

 ミニポーチもありますし、整理しましょう。

レシピがボックスを圧迫するようなものでなくて安心しましたよ。


 店外へ出て道の端に移動。まずはアビリティの空き欄に『裁縫師の才』を取得しておきます。


===========

『裁縫師の才』Lv.0

 裁縫師の才を持つ者が裁縫を学んだ証


スキル▼:P 道具の扱い(裁縫)


TEC+2 HP+20

============


 アビリティに関しては特に気になるところもなかったので、良いとして。


 後はボックスの整理もしたいので、ボックスからミニポーチを取り出して開くと、ポップしたウィンドウはボックスの表示と似たような形になっています。


 裁縫道具は装備してしまって、ボックスの中のスタックできていない細々としたものを取り出し、ポーチの方に移してっと。

 簡易作業台は重量制限に引っかかって収納できませんでしたが、集めた素材なんかは入ったので、ボックス内が結構すっきりしました。


 整理中に、これをたくさん作ったらどうなるのでしょう? と思いましたけど、ポーチの総重量が本体の重さプラス中の物の合計値になっているので、難しそうですね。

 もしかしたら、マトリョーシカみたいにどんどん大きいものに入れていくことは可能なのかもしれませんけどね。

 取り出すのやら何やらが面倒くさいという点を考えなければ……

 まぁ、現実のバッグだって中身をポーチに小分けにして整理している方も多いですし、出来るはできるのでしょうね。


 一通りの整理が終わり、すっきりとしたボックスの中から簡易クラフト作業台を取り出します。

 いえ、どんな感じなのかな、と。おそらく『簡易』の名前の通り何かしらのデバフが掛かったり、一定以上のものは作れなかったりとするのでしょうが、そのような感じになるのか確認がてら、買ったレシピを編集して保存しておこうと思いまして。


 あと、固有アビリティの適化のスキルのことも確認してみたいですし。


 石畳の地面に座り込み、手に持った作業台を展開すると、木製の小さな机が現れました。

 一応天板は凹凸なくきれいな形ですが、そのほかの要素は正に素材そのままと感じるような木製の机です。


 気になったのは、今の私のように道端等でこういう机を広げている方を見たことないのですよね。

 皆様、ちゃんと施設を利用していていないのか、それとも何か別の理由があるのか。


 ステータス画面を開き数値を確認しながら、スキルの『作業適化』を発動。

すると「わずかに劣化が進行しますがよろしいですか?」の警告文がポップします。

 「次回から警告しない」の欄には一旦チェックを入れずに、同意します。


 効果時間のカウントは三十分。CTキャストタイムは無いようでしたが、効果の重複は無く、効果時間中に他の適化状態に切り替えようとした時には「大きく劣化が進行しますがよろしいですか?」の警告文が出ました。

 発動をキャンセルして作業適化のままステータスを確認してみると、TECとLUCが7だったのが11まで上昇、STRは元々1なのでそのまま、INTが8だったのが3まで減少していました。

 

 ふむ?

 上がりが4で、下がりが5?

 五割の繰り上げで加算と減少? でもおかしいですか。

 何でしょうね?


~ピロリン~


 なんだかもやっとする感じの効果に好奇心をくすぐられていると、アビリティが自分の存在を主張するように通知音と共にウィンドウを表示させます。


==========

『精密伝導体』Lv.0 → Lv.1

 その人形の素材に使われた何かに、知恵と技術を強く伝える回路が開いた。


スキル▼:P 効率的な伝達

     P 精密な伝達 - New


AGI+1 INT+3 TEC+2

==========


 そういえばこれがありましたね。

 『効率的な伝達』の効果が『自己○○』系のスキルの効果の上昇なので、この倍率? の影響でしょうね。確実に。


 『高性能伝導体』はこれ、INT・TECで成長したのですね。まぁ、確かに今のステータスとかアビリティ内容でそれ以外に成長することは無いですよね。

 それで? レベルが上がって『精密な伝達』が追加された、と。


効果は、INT・TECに依存する行動の効率を上昇させるもののようです。


 ステータスによって出力の変わるスキルの類、魔法とかスキル攻撃とかその類ですよね。そういうのはまだ持っていないですが、おそらく作製する時の限界難度とか、そういうところは変わるのかな? と感じる書かれ方ですよね。


 変なステータス変動も腑に落ちたところで、作製画面を開き先ほど買った二つのレシピを編集していきます。


 簡易作業台の『簡易』を感じる部分は意外とないのですが、作製可能難度に対するデバフは掛かっているのかなと感じますね。


 編集していると難度10になった時点で警告が出たので、今のTECが11でそこに『精密な伝達』の効果が乗っているのだと仮定すると、10はちょっと低いのかな、と感じます。


 先ほどクエストの時にお店の作業台で作業していた際は何のバフもないTECが7の状態で作業していたはずですからね。

 それで難度7で警告が出たことを思い出すと、やはり何かしらのデバフは掛かっているのでしょう。


 それでもレシピの編集には何の問題もありませんし、編集はこっちで作製はクラフトスペースとかで、とすみ分けていけばいいですよね。


 ぐりぐりと、願望も含めて贅沢に難度20くらいを目処に二つを編集していきます。


 『作業適化』のバフがいつの間にやら切れていたくらいには夢中になってレシピを編集することしばし。

 ある程度満足いったので、編集内容を保存し、足りない素材をメモにまとめておくことのできる便利機能を利用して一覧メモを作っておきます。

 今持っていなくて必要なのは布と肩紐になる紐か革を中心にあとはこまごまと。


 必要な量とかも一緒にメモしてくださるのでとても便利です。

 若干忘れっぽい私にはありがたい機能ですね。

 あと、ゲームで必要素材が多いと、何が必要だったか記憶から遥か彼方へ飛んでいくので、そういう点でもグッドだと思います。


 小さな紙きれの形でポップした箇条書きに書かれたメモ紙もミニポーチの中にまとめて、と。


 この後は戦闘系を取りに行って、お金稼いで、お買い物して、ギルドのクラフトスペース利用券があるので使ってみて。

 で、夜になったら『糸操り』を受けに行ってみましょう。

 よしっ、To Do組めました。


 簡易作業台を仕舞ってボックスへ放り込み、マップを確認しながら目印の方向へ歩みを進めます。

お読みいただきありがとうございます。


もしどこかで面白いと感じいただけたようでしたら、星を光らせてくださると感動します。

あとブクマとかも(強欲


追記.

こんな遅筆が10万PVも頂けるとは恐縮の限りで…… 感謝感謝でございます。

追追記.

ジャンル別日間二位です。嬉しい(ぶいぶい 22/05/15

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