2-4習得申請
皆様こんにちは。お世話になっております。
からすです。
そういえば、琵琶湖って、湖ではなくて、一応河川なのですよね。
だから何というわけではありませんが。
●〇●〇
やっぱり、せっかく上がっているステータスがあるなら、無駄にしたくないですよね。
今、数値的に高いのはINT・TEC・LUCなので、魔法系か技量系か…… LUC?
LUCは置いておくとして、何かそれっぽいものがあればいいのですけど。
戦闘系で、ざっとリストを覗いていくと、いくらかT・L系で補正が掛かりそうなアビリティが見つかります。
趣味と独断と偏見で、候補はとりあえず三つまで絞りました。
一つ目は、刀。
追加付与ステータス値がT+2、S+1なので、技量寄りの筋力アビリティという感じでしょうかね。
二つ目は、レイピア。
T+2、AGI+1の付与値なので、技量系の俊敏アビリティという感じ。
三つ目は、一応これが本命ということで、短剣。
T+2、L+1のアビリティですね。
LUCが何の役に立つのかはいまいちわからないのですが、他のゲーム知識の流用であればドロップ率とか『解体の才』にも記載があった致命的な攻撃、というやつの確率が上がったりとそんな感じなのでしょうから、技量寄りの運任せアビリティみたいな感じなのでしょう。
迷いますよね。
だって刀、かたなですよ。もう存在がロマンの塊じゃないですか。
しかもアビリティの名前が『椿一心流』。
チュートリアルでお世話になったツバキさんと同じ名前を冠する流派ということで、凄く気になると言えば気になります。
まぁね、枠は沢山あるんだから全部取っちゃえ、みたいな悪魔のささやきが聞こえますけど、そんなことしたら私、際限なくなりますからね。
まずは一つだけ、それでもなお欲しかったらその時に、という形でやらないとすぐに枠なんて無くなってしまいます。
レイピアも誘惑があるのですよね。
だってこの身体は、人形なわけですよ。
私の中では、なんか人形はレイピア持っているイメージがあるのですよね。ハサミとかジョウロで戦っていたり、なんていうイメージもあるわけですけど、流石にないので。
もしかしたら、別の武器種枠でそれっぽい形のやつが作れなくはないのかもしれませんが、ハサミは片刃剣二刀流? ジョウロは鈍器でしょうかね?
あー! そんなこと考えていたら、やってみたいのが増えてしまいます。落ち着いて、びーくーる。
やはり安牌は短剣ですよね。
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『短剣使いの才』Lv.0
短剣の扱いに才を持つ者が短剣の扱いを学んだ証
スキル▼:P 道具の扱い(短剣)
TEC+2 LUC+1
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結局成長によってプレイに沿ったものに変わっていくのはその通りなのでしょうけど、初期値からステータスにあったものにしておいた方が、プレイにも慣れやすいでしょうし、統一感持って選んでいった方がぐちゃぐちゃ中途半端構成にならずに済むはずです。(説得
ふむ、そうですよね。そうしましょう。
悩んだ結果、短剣アビリティを申請リストに追加します。
スキルは、どれも最初は『道具の扱い(○○)』で内容は『○○をうまく扱うことが出来る』としか書いてないので効果はよくわかりません。
習得してみれば体感で何かわかるのかもしれませんけど。
そうしたら、武器はこれでいいとして、回避技能系が欲しいですよね。
先ほどは必死にフィジカルのみで回避していましたけど、流石に無理がありますからね。
ウィンドウをスクロールしながら回避系アビリティを探していきます。
戦闘系にまとめてあるかな、と思ったのですが、それらしいものは特に見当たらず。
目的のものは、戦闘系ではなく補助技能に並んでいました。
こちらもいくつか種類があるようです。
めぼしいものをいくつかピックアップして比較、プレイスタイルに合いそうなものに厳選していった結果、最終的な候補は二つに。
一つは『羽々流々』
完全にステータス依存での回避技ですね。
特殊な歩法によって対象の干渉を紙一重で回避する技だそうです。
あくまで紙一重で、物理的に回避するだけの様なので、おそらく範囲系のやつは回避できないのでは、というのが私の考察。
でもスキルは一応、制限なしのパッシブ回避なのでステータスさえ高ければ、紙一重ということで短剣のリーチの短さも補うインファイト型になれそうですよね。
二つは『インビジブルヘイズ』
こちらは逆に完全にステータスに依存しない回避技ですね。
MP消費によって一瞬の間だけ自身を干渉不能状態に変化する技ですね。
スキルは消費型なのでもちろんCTがありますし、MP消費もありますから魔石の供給が必要になります。
それに、回避の判定が一瞬だけっぽいので、相手の攻撃に合わせる必要があります。
でも干渉不能状態ということは、連撃系は知りませんが、範囲攻撃は避けられるでしょうし……
中々に迷わせてきますね。
リョウホウ トッチャエ ヨ(悪魔のささやき
うっ。
今は、今は、あくまでも一つだけに……
脳内に響く悪魔のささやきに何とか打ち勝ち、頭を悩ませ幾星霜(大袈裟
悩んだ結果『羽々流々』の方にすることにしました。
どちらも良い所悪い所とあり単純に比較ができないので、より魅力を感じた方ということで。
なぜ?
神様の言う通り、もしたのですがやっぱり決め手はネーミングですね。
この身体がどちらかと言えば西洋人形チックなので、ロールプレイ的にはもう片方も良いと言えば良いのですけど、こちらの方がなんか舌触りが良かったので。
そんなこと、と思われるかもしれませんが、今後何千何万回と使っていくことになるのです。その度に思い出す名前ってモチベーションというか、気分的にとっても大事だと思いませんか?
そんなアビリティちゃんの詳細をどーん。
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『羽々流々』Lv.0
遥か東の地に伝わる特殊な歩法。それは引くことではなく、踏み出すことによって、流れを創る。
スキル▼:P 羽々流々の歩法
TEC+2 AGI+1
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パッシブの『羽々流々の歩法』の説明を意訳すると、TECとAGIのステータスによって回避判定が決定しますよ、とのことです。
細かく言うと、事象に対して器用性、行動に対して俊敏性で判定が出るようなニュアンスの説明になっていますが、正直今ささっと考察できるかというとまた別のお話なわけでして。
感覚で!
そうしたら、一先ず戦闘系はこの二つだけ取ればいいですよね。
あとは…… あ、ついでにINT系もちょっと覗いておきましょうか。
とはいっても戦闘系をさがしている時に目についたのをピックアップしてあるのですが。
今一番高いのはINTなので、見るだけ。
まだいいかなって思うので、見るだけね。
ピックアップしておいたのは大体が純粋にINT系のアビリティで、属性、というか系統別に分かれてはいても、チュートリアルで使った魔力弾のような消費が大半です。
人形ですし、ポルターガイストとか、そんな感じで使えても面白そうではありますよね。完全にロールプレイ側の思考ですけれど。
良かったのか悪かったのか、流石に取りた過ぎて悪魔がささやくほどのものはなかったので、ざっと見て満足です。
そうしたら最後、これ決めないと始まりませんよね。
創作系!
これもまずは一つで、いえ、これは絶対いくつかとるのが決定しているので、まずは創作系の仕様確認の為に先行して取るものを決めるだけなので、もう、気軽に。
これで、創作系を一つ取ったら、五個ですよね。
私の枠が十なので、半分は埋まったことになります。
これ、私だから十枠もありますけど、他の方は何枠くらいなのでしょうね?
……大変そ。主に精神が。
創作系の一覧を眺めながら、一通りピックアップしていきます。
本当にあれもこれも、となってピックアップだけで十個超えましたよね、っていうお話。
そこからさらに、これはっ! というものだけを残して五個。
その中で、今は一個を選びましょう。
タイミングの遅い早いはあっても、絶対に取る、というものをまず取りましょうね。
そうして選ばれたのが、こちらです。
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『裁縫師の才』Lv.0
裁縫師の才を持つ者が裁縫を学んだ証
スキル▼:P 道具の扱い(裁縫)
TEC+2 HP+20
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これは絶対です。
今持っている糸類が使えるのかは知りませんけど、一番目の前にあるアビリティですよね。
さくっと申請リストに追加して。
これで忘れとか抜けは無いですよね?
『機械の身体』のフリー付与分は、これらのアビリティをとってから振り分けるとして、リストは五個、バフ、バフ、戦闘、回避、創作。
よし!
あとはこの状態で、窓口に持っていけばいいのですよね。
同じ窓口である必要はないのでしょうか?
まぁ、空いていますし、同じところにしましょう。他意はありませんが。
時折並んでいないわけではないのですが、どちらかというと私のように席に座って頭を抱えている方の方が圧倒的に多く、窓口に並んでいることはありません。
何度か手元のウィンドウの申請リストを確認しながら、再度受付の窓口へ。
「あの、おねがいします」
ウィンドウを窓口から差し出しながら声を掛けます。
「アビリティの習得申請ですね。はい、ありがとうございます」
当然ですが、先ほどとおなじお姉さんがウィンドウを受け取りつつ対応してくださります。
お姉さんはウィンドウを受け取ると、内容を確認しながら手元でなにやらをぱちぱちと打ち込み、その後おもむろに先ほどギルド証を通した機械にウィンドウを差し込むとウィンドウは機械に吸い込まれていき、代わりに数枚のチケットがぴろっと吐き出されていました。
画期的なのかレトロチックなのか、判断がつきませんね。
お姉さんはそのチケット一枚一枚に丁寧に割印を押していきます。
ギルド証にぺったんしていたような素早さはないですが、方向をしっかりと気にしつつ丁寧に押している姿はいつまでも見ていられそうです。
それが終わると、お姉さんはそれらを、丁度チケットが入る大きさに作られた封筒へ纏めてトレイに載せ、こちらへ差し出してきました。
「それでは、こちらがアビリティの習得クエストに必要な申請券になります。こちらををお持ちの上、チケット記載の場所へどうぞ」
「あ、はい。ありがとうございます」
トレイに乗った封筒を受け取りながら返事をします。
手に取ってみると意外と大きいもので、なんかしっかり存在感があって良いですね。
私が対応していただいている間に数人の方が私の後ろに並び始めていたので、そさくさと受付を離れるために横にずれます。
「あなたの才に幸あれ」
すると、定例文なのでしょうが、にこにこ顔でそういって送り出して下さるお姉さん。
いきなり言われるとびっくりしてしまいますけど、嬉しいですよね。
私も軽く会釈をして受付を離れます。
受付を離れて一旦椅子のある場所まで戻ると、封筒からもらったチケットを取り出してそれぞれの場所を確認していきます。
全て、開始地点は街中のどこかになっているようでした。
チケットの詳細を見た時点でマップにそれぞれ目印が付いたので、一々チケットを見なくてもわかるようになって、ありがたいですね。
一番近いものを確認すると、どうやらギルド内にあるようです。
『採取者の才』と『解体の才』の開始場所がギルド内の素材買取窓口、になっていました。
素材買取窓口?
素材買取窓口って、私たちプレイヤーが売るってことなのでしょうかね? それとも、この世界のロール的なもので、この世界の方が売りに来るのでしょうか?
正直私たちはマケボがありますし、使う方がいるのか大分謎ですが、あるのですね。
そうしたら、まずはそこですか。
二枚のチケットを封筒から取り出し、席を立ちあたりを見回すと、すぐに買取窓口の誘導版を見つけることが出来ました。
矢印の方向へ、ギルドの奥へ奥へと進んでいきます。
しばらく誘導版に従って進んでいくと、ギルドのかなり奥まで進んだ位置に目的の場所はありました。
驚いたことに、そこにはプレイヤーと思しき、私と同じような格好をした方から、結構奇抜な格好をした方、この世界の住人の方っぽい方まで多くの方が並んでおられましたよ。
なんでなのでしょうね?
プレイヤーは少数の方を除いて、基本的にうまみが無いと行動しないでしょうから、何か理由があるのでしょうね。
さて、それはそれとして、これに並ばないといけないのですね……
誘導ロープに従って蛇行する列の最後尾を見つけ、大人しく並びます。
素材買取ということで結構待つことも覚悟していたのですが、その予想に反して意外とサクサクと列は進んでいきすぐに目前に。
こういう時は割と前後の方に話しかけられたりすることも今まであったので少し警戒していたのですが、そのようなこともなく、平和に順番まで待つことが出来ました。
受付さんの「次の方どうぞ~」の声に、チケットを握りしめ、窓口へ進みます。
お読みいただきありがとうございます。
もしどこかで面白いと感じいただけたようでしたら、星を光らせてくださると感動します。
あとブクマとかも(強欲




