表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

90/100

ヨハネ王


 セインスがニヤリと笑いながら、


「だいたい、リーガスタという家名が二つあるから問題なんですよ。どちらの家か分からないし、ややこしいでしょう? 師匠が家名を変えれば問題無いとおもうんですよねぇ」

 そう言いながら、二人のリーガスタ家当主の顔を交互に見る。


「えっと、セインスよ。ワシが家名を変えるということか?」

 リーガスタ中将が、セインスの顔をマジマジと見ながら言うと、


「ダメですか?」

 と、リーガスタ中将の顔を覗き込むようにして、セインスが問いかける。

 

 すると、

「ププッ! フフフフフ……ワアッハハハッ! ダメではない! そうか! ワシがリーガスタじゃ無ければいいのだ! なんだ簡単じゃないか! 幸い今日明日は全ての貴族がここに居る! 好都合だ!」

 込み上げてくる笑いを抑えきれなかったのか、リーガスタ中将が大声で笑いだし、なんで気がつかなかったんだとばかりに、セインスの案を受け入れるような口ぶりで、叫んだ。


「でしょ?」

 確認する様にセインスが言うと、


「待て待て待て! 家名を変える? 正気か?」

 そう言ったリーガスタ侯爵に、


「家名を変えてはいけないという決まりは無い!」

 胸を張って言い切るリーガスタ中将。


「貴族としての歴史が……」

 と、言葉を発したリーガスタ侯爵に、


「新興国であるレイリスに、歴史とは片腹痛いわ!」

 リーガスタ中将か、兄の言葉を遮る。

 言い返そうとしたリーガスタ侯爵より先に、


「リーガスタよ」

 と、リーガスタ二人でもなく、セインスでもない声がする。

 セインスとリーガスタ二人が、声のする方を見ると、そこに居たのは、


「陛下!」

 そう、ヨハネ王であった。


「話は聞かせてもらった。というか、聞こえてきた」

 どこか楽しげな表情の王に、


「お聞き苦しいものをお聞かせして、申し訳ございません」

 頭を下げるリーガスタ侯爵。


「よいよい。クロームの言う、同じ家名の家があるのが問題との事、目から鱗であったな。確かにややこしい時がある」

 頷きながら言うヨハネ王に、


「でしょう?」

 と、セインスが笑顔で言う。


「うむ。名を変えるという発想が無かったからなぁ。だが、良い案である」

 そうセインスに言ったあと、ヨハネ王はリーガスタ中将の顔を見て、


「家名の案はあるか?」

 と問いかける。


 目を閉じて数秒考えた後、リーガスタ中将は、


「一晩考えさせてもらえますでしょうか?」

 と、ヨハネ王に答えた。


「一晩で良いのか?」


「明日もフィリア殿下と、セインスの結婚式に、全貴族が出席するでしょう? 周知するのに都合が良いので」

 と言ったリーガスタ中将。

 たしかに皆が居る時に言えば、余計な手間は省ける。

 ヨハネ王はウンウンと頷きながら、


「ならば明日までに決めておくように。リーガスタ侯爵も良いな?」

 と、リーガスタ侯爵の顔を見て確認を取る、ヨハネ王。


「はい……陛下の決定に従います」

 絞り出すような声で、返事をしたリーガスタ侯爵。


「うむ。なかなか面白い事になった。明日が楽しみだ」

 そう笑いながら、ヨハネ王は自分の席の方へ戻っていくのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] リーガスタ家とオークを合わせて「オーガスタ家」なんていかがでしょうか。ゴルフのメジャー大会と同名ですけどw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ