ウェインライド国王
その後、戦闘になったわけだが、オークが大活躍することになる。
元々、オーク1体を倒すのに、鍛えられた兵士20人は必要と言われている。
オークを取り囲み、弓矢で攻撃して弱らせ、槍でトドメをさすのが一般的な倒し方だ。
5体なら単純計算で、100人必要というわけだが、その後ろから続くリーガスタ中将やその部下達がいるわけで、オークを取り囲めるはずもなく、最前線でオークが敵兵を掴み、千切っては投げるの大暴れ。
ビビったウェインライド国の弓兵は、矢を放って抵抗するが、遠距離から放たれる矢など、オークの皮膚を貫けない。
もちろんオークのすぐ後ろにいるのは、リーガスタ中将であるが、中将を狙って矢を放って者もいるが、ことごとく剣で矢を跳ね返すため、傷一つも負わせられてはいない。
そして、リーガスタ中将の命令により、オークの前に行ってはならないと、強く言われているレイリス国の兵士達は、オークから離れて戦う事になるが、オークの指揮に手一杯のリーガスタ中将に代わり、部隊を指揮するのはセインスだった。
リーガスタ中将から、徹底的に指揮の仕方を叩き込まれたセインスの指揮により、弓兵から放たれる矢でウェインライド兵を混乱させ、そこに騎兵を突撃させる。それに続く槍兵が突入していく。
セインス率いる遊撃隊も攻撃に加わる。
鉄弓隊の矢が弧を描いて飛び、後方の敵を屠る。
セインスも器械式弓から矢を放ち、さらに後方の敵を倒していく。
城の入り口まで迫ったレイリス国軍だったが、城内にオークが入ることは、物理的に無理だったので、セインス率いる遊撃隊が、城内に踏み込む。
廊下という狭い場所での鉄弓による攻撃に、城内の護衛達は避けることができず、次々と数を減らす。
一際豪華な扉を蹴破り、この城にある謁見の間に侵入したセインス達。
「陛下! 逃げませいっ!」
と、叫びながらと剣を構えて突進してくる兵士を、セインスの器械式弓から放たれた矢が、貫く。
遊撃隊が次々とその部屋にいる者を倒していく。
「ウェインライド国国王、アレクサンドル・ディス・ウェインライド陛下で、間違いないですかな?」
セインスが玉座から立ち上がる事もできずに、青い顔をしている初老の男に声をかける。
「……侵略者に、名乗る名などない」
と強がるウェインライド国王。
「ほう! 最初に侵略してきたのはウェインライド国の方だったと思うが、まあ良いでしょう。レイリス国遊撃隊隊長、セインス・クローム。貴方の身柄を拘束する者の名です」
セインスはそう言って、玉座から動かない、いや、動けない男に向かって歩き出す。




